人が破滅に向かう話より
人間の幸福とは何かを追求し
読者に夢と希望を与えるものを
全身の力を振り絞って
作り続けていきたいと思う
作家 宮本輝さんの言葉です。
激しく同意したので,
私の座右の銘のファイルに保存してあります。
私の場合、
全身の力を振り絞ってはいたけれど、
不器用な私は、〆切という魔物にうまく対応できず、
いつも不本意な作品を出し続けるしかなかったですが…。
10年前_____、
自分が本当に描きたいものを、
納得がいくまで時間をかけて、
よし!これなら大丈夫。と、合格点が出せたものだけを、
読者に届けたい。
そんな思いから、個人出版が可能な電子書籍・キンドルの世界に
飛び込んでみました。
右も左もわからないまま、ただがむしゃらに進むしかなかった。
道なき道を手探りで、何度も躓いては転びながら。
初めての電子書籍『BGMはいらない①』が発売されてから
来年の春でちょうど10年を迎えます。
ここまで来て後ろを振り返ると、
ようやく道らしきものが見えています。
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久しぶりに、先が読みたくてたまらない本に出会えました。
石井妙子さんの『おそめ』
綿密でこまやかな取材の数々と膨大な資料の山。
それらに裏付けされたが故の、的を得た心理描写と情景描写が
登場人物に命を吹き込んでいる。
長い歳月をかけて、それこそ命を削るようにして書かれた作品。
まさに作家魂を見せられた思い。
ああ、いまでもこういう書き方をする人がいるのね。と、
こういう本に出会えると嬉しくて心が躍ります。
私も見習いたいです。