♪ジッコ・ワールドの住人たち♪ 某漫画家のあれこれ

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④伝説の編集長だった!?

2024-03-10 | パパ あなた ツトムくん 奉行 父 じぃじ フジタ 夫…だった人

藤田編集長 

わたしの仕事人生の恩人です

あなたに評価してもらったことがわたしをずっと支えてくれています

 

読者が一番 作家が二番 編集者は三番以下

 

今も迷うと立ち返る原点です

どんなにありがたく思っているか

もっともっと伝えたかった

これからもずっと感謝の念を送り続けます!!

     (いただいた弔電より)

 

 

 

フジタが編集長だった時代から

もうかれこれ20年の歳月が流れている…

 

今回たくさんの方からお手紙や弔電をいただいたことで

フジタが 私が思っていた以上に 部下だった人たちから

慕われていたことがわかりました そして

フジタの仕事への姿勢や信念が

いまだに受け継がれていることも

 

 

誰よりも酒豪で 誰よりも仕事を愛したフジタが残した

数々の逸話… いやはやいやはや… まあ想像はしてましたが…

 

夜ごと編集部員を引き連れて飲み歩いていたそうです

はしご酒なので 最初は居酒屋から始まって 

最後は24時間営業のファミレスへと流れるのがお決まり

話す話題はもちろん 漫画論! 編集者論! 仕事論!

明け方までと思いきや 

 

「朝の8時半ごろまで 普通に付き合わされました」(当時の女性編集者の証言)

「私は毎日 今日は 無事に家に帰れるだろうか? と思って出社してました」

 

「すごい会社に就職したなぁ…と思いました」(当時新入社員だった男性編集者)

 

「校了日でぼくはまだ仕事が残っていたんですが…(他の社員からの証言)

『編集長のオレがイイって言ってるんだから来い!』と言われてついていきました」

「朝まで飲んで そのあと編集部に戻って仕事したんですが

編集長だったフジタさんも一緒に付いてきて

ぼくの横で写植(アナログ時代の漫画のセリフ)貼ってくれました

『オレはこんな風に仕事してる時がいちばん楽しいんだよ』と

すごく嬉しそうな顔して」

 

 

フジタは よく 他の部署の社員と酒を飲んでいる時に

「仕事の話はするな!」と怒られたそうだ

「酒が不味くなる」 と

でもフジタにしたら 大好きな酒を飲みながら

仕事の話を熱く語ってる時がいちばん至福な時で…

 

 

フジタは編集長のあと 局長に そして

定年前後あたりで講談社の子会社に出向

↓(このころいただいた色紙からの言葉)

「夜明けの〇〇で過ごした日々忘れません」

「楽せず楽しく! 数々ある名言の一つです」

「連日朝まで飲んだくれていたことも今となっては夢のようです」

「5局のフロアから藤田さんの豪快な笑い声が消えると 

まるで普通の会社のようです」

「初めて藤田さんに遭遇した時 藤田さんは黄色いヘルメットをかぶって

『愛がほし~い~♪』と歌っていました… びっくり!しましたが

熱い”愛”で皆を引っ張ってくださって本当に感謝しています」

「藤田さんの歌う陽水が好きでした 

初めて聞いた時はあまりの大声にびっくりしましたが…」

     

     (文字オーバーになりそうなのでこの辺で…)

 

子会社に出向してからもフジタの豪快なマイペースは変わらなかった

この頃 フジタの下で働いてくれていた人たちも

たくさん焼香に訪れてくれて 私が知らなかった

いろいろなフジタの話を聞かせてくれた

 

 

「大震災の時 私が机の下にもぐって泣きながら おかあさ~ん!って

叫んだら それを聞いた藤田さんがとつぜん笑い出したんです!」

「私 それで 正気に戻れたんです」

(その時に居たビルは老朽化が進んでいたのでとんでもなく揺れたらしい)

 

 

「当時の編集者が私を含めて2名 他の道に転職しました 

一人はコックさんになり 私もやっぱり食べ物の道に目覚めて

それ専門の大学に入学し直しました」

「二人とも あの頃藤田さんが おいしいものいっぱい

食べさせてくれたおかげです」

 

 

「連絡があったらすぐ返信する!」

「何かあったらすぐに相手のところに駆けつける!」

「その時に言い訳はするな!」

「この三つを藤田さんから叩き込まれました」

 

 

とりわけ印象に残ったエピソードは

名古屋にある事務所となにやらもめ事が起きたらしい。

フジタはすぐに担当だった編集者(男性)を相手先に向かわせた

 

そして他の社員(女性)と2人でファミレスに行き 

ひたすら連絡が来るのを待っていた

 

でも待てど暮らせど連絡は来ない…  

聞けばかなりコワ(オ)モテの事務所?らしい…

「殺されたんじゃないか?」  

7時間経過… 不安は募る

そして夜の11時頃やっと連絡が入る

「終わりました! 無事解決しました!」

 

フジタはその時こう言ったそうだ

「よし! じゃあオレはお前が帰ってくるまで待ってるからな」

 

そして 女性社員に向かって

「もっとうまいもの食べに行こう!」

すぐさま場所を移動

そして名古屋から最終の新幹線に飛び乗って東京に戻る男を待ち続けた 

 

「あいつの好きな食べ物はなんだ?」

 

「焼き肉だと思います」

 

夜中にその編集さんはフジタの前に現れた

フジタは お疲れさん! と 言った後

彼を朝までやっている焼き肉店に連れて行ったそうだ

 

彼曰く

「あの時のことは ぼくは一生忘れません」

 

 

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