♪ジッコ・ワールドの住人たち♪ 某漫画家のあれこれ

某漫画家の日常の一コマ☆プライベート☆旅日記☆が主の備忘録☆

リッツ・パリpart3

2015-05-31 | 旅行&リゾート



我々が食事した“エスパドン”の天井。
高いなんてもんじゃありませんって。 

スタンドードな部屋

部屋の内装は各室異なっている

スイートルームの寝室

バスルームのほんの一角



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食事が終わり、再びロビーに出て、
あちこちで記念撮影をする我々。
『二度とこんなとこ来れないわ』とばかりに。



あたりは閑散としていて、
ロビーをうろついている客は我々のみ。





もうどこもかしこも煌びやかで、全てが別世界。
絹と大理石と、金で装飾された空間に、
巨匠の絵画や、ルイ15世~ルイ16世時代の調度品が、
惜しげもなく飾られている。
ショーケースの中には目も眩むばかりの
見たこともないような宝石の数々。
全てが本物の世界。




あまりのすごさに放心状態の私に、
先にトイレに行った奉行母が一言、
「すごいトイレだったわよ…」
と、こちらも放心状態。



もちろん、
では、私も話のタネに…と、
即トイレに向かいましたよ。



そして、
洗面所のドアを開けたとたん、



……のけぞりました。



あたり一面、
金、金、金、金、金、金……金、金!
(注:カネではない)
まさにヴェルサイユ宮殿!
まばゆいのなんの……。
壁も金、個室のドアも金、洗面台の備品もカラン(蛇口)も、
すべて金色!
(正確に言うと、個室のドアは鏡張りだった。
 でもまわりの金色の壁が映りこんでいて、
 すべてが金一色に見えた…)
天井からの大きなシャンデリアが
さらに金色のきらめきをパワーアップ!してる。



中はま~るく多角形(円形だった?)になっていて、
その中の一辺が手を洗う超豪華洗面台になっている。


他の辺が個室への入り口(ドア全体が鏡張り?)らしいが……。
ホール自体が円形なので、ドアの鏡に周りの金色の壁がすべて映りこみ、
見た目すべてがまばゆい金色で、壁なのかドアなのか全然わからない。


ヴェルサイユ宮殿も奥に通じる部屋などの出入り口は、
一見壁、でもよく見るとドアになっている……あれですよ。





でもやっぱりよく見ると、
ドアノブ(もちろん金色)らしきものがあったので、
それを引っぱり、個室には入れたんですけどね。





うおーーーーーーーーーーっ…!!




中も同じく金、金、金、……、
壁も、天井も、飾りも、
ペーパーホルダーまで金ですよ!
もう眼が眩みそう…なんてもんじゃないです。




さて、問題はここからですよ!!




ドアを閉めて、鍵をかけようとしたんですが……、




あまりの眩さに目がくらんで、
(近眼and老眼のせいもあったかもしれないが…)




わかんないんですよ!

鍵をかける場所が……。
どこを探しても……、それらしきものが……ない!!
パニクる私。
ないわけはないので、もっと落ち着けば
見つかったかもしれないが……。





で、どうしたかというと……、
ええ、もう覚悟決めましたよ。
そんなとこにいつまでもいるわけにはいかないし……。
ロビーには我々しかいなかったから、
たぶん誰も来ないだろうし……。
来たとしても、他にも個室はあるんだし……。





と、
便器に腰をかけた、とたんにですよ!
突然、洗面所のドアが勢いよく開いた気配がしたと
思うや否や、次の瞬間には、




私のいる個室のドアが
開け放たれたのでございます。


The door was opened!



見つめ合う目と目。
顔を引きつらせたまま…、

」 



“ぎゃっ”とか、 “うわっ”とか、 “おうっ”とか、
声にならない叫びをあげる、おフランス人の女性。




そして、再び閉じられるドア。




そのままバタバタとレストルーム(洗面所)から
飛び出す女性。
あまりのショックに何しに来たのか忘れたもよう。




一方、個室の中で腰掛けたままの姿勢で、
しばし放心状態の私。





いったい、
何が、
今、
起こったんでしょう?
なぜ、
よりによって、私のはいってる個室に、
あの女性は、迷うことなく突進してきたの!?
他にもトイレ(個室)はあったのに……。



つーか、



ノックぐらいしろよ!!




でも、鍵が…、かかってなかったから、
どこかが“空き”って表示になってたの?
そのへんがよくわからんとです。
(え?日本語ヘンですか?
すみません、ちょっと、当時の動揺が蘇ってしまって……)




余計なことながら、
つい職業柄、相手のセリフまで考えてしまう私。

(↓以下、フランス人女性のモノローグ)



『なにっ!?なにっ!?今の……????
……サル?  ……それとも 人間!?  』



『もしかして、あれが…、東洋のサルとかいう日本人!?』



『信じられないっ!!


トイレに入って、鍵もかけないなんて……、
なんて野蛮なの!?
ああ、やだやだ。
だからきらいなのよ!未開発国から来た人間は…』



『だいたいなんで、あんなサルもどきが、こんなところに
紛れ込んでいるのよ??????』





うえ~~~~~~~~~~~ん、

ごめんなさい!日本のみなさん。
相手の目と顔の表情がそう↑言ってました。
世にも信じられないものを、見てしまったって……。
最悪です……日本人としての印象。




でも……、
あたしだって、あたしだって……、

わざとじゃないわい!!

いつもはちゃんと閉めるわい!!!!




さて、(気を取り直して)
そのあと私は何事もなかった振りして
みんなのところに戻りました。



洗面所から出たとこにある待合所?(笑)



ウロウロしてると、例のおフランス人の女性と
再び出くわしそうだったので、
(あまりの突然の出来事に、顔なんて覚えてなかったが……、
向こうは私だと気づくかもしれない)
とにかくその場からさっさと去りたかったが、


ホテルの出入り口の目の前にある大階段(超豪華!!)
のところで、みんなで記念写真を撮ろうと
奉行父が言い出しやがっ…おっしゃったので、
しかたなく応じることにする。
アングルに凝る奉行父。
(どうでもいいから早くしてくれよ…。
早くしないとあの女に見つかっちまうじゃないかよ)




大階段



写真を2~3枚撮ったあと、ふと横を見ると、
我々のすぐそばに…!、
いつの間に、どこから現れたのか、あの女…
ではなくホテルマンが物静かに立っている。
目立たぬように、あくまで控えめに、なにも言わないで…。
これはこれでぎょっとする私。
そりゃそうだよ。
どこぞの国の王様が歩いてたって不思議はないホテル。
写真撮影なんかとんでもないはず……。




へたくそ英語で、
「ここで写真を撮ってもかまわないでしょうか?」
と一応尋ねてみると、




「ノン…」
静かに穏やかに、聞こえるか聞こえないかの
声が返ってくる。顔はあくまでにこやか。
この調子ならあと2~3枚はいけそうだと、
そのまま数枚撮り続ける我々。(オイ)
奉行父はあと5枚は撮りたそうだったが、
さすがにストップをかける。




「メルシ・ボクゥ、ムシュ」
とホテルマンに丁寧にお礼を言って、
ホテルをあとにする。
ちょっと感動の余韻に浸りながら……。





我々のマナー違反の行動を表立って制止するのではなく、
ひたすらにこやかに、ただそばに立って見守ることで、
それとなく注意を与えたホテルマン。
いったん客として迎え入れた以上、
決して恥をかかせまいという姿勢。
まさに真のホテルマンの神髄を見た思いでした。




いろいろと緊張の連続で、
ハプニング続出の“リッツ”だったけど、
最後に接したホテルマンのみごとな応対は
まさに“リッツ”の名にふさわしいものでした。




もしかしたら……、
“エスパドン”でボーイさんがとった行動の意味も……、




あれは……、
客に恥をかかせないための……、
私たち(店側)には何も見えていませんよ、
って、ことだった!?




汚れを片付けたら、テーブルの上は綺麗になるけど、
その片付けるという行為は、料理をこぼした客の粗相を
クローズアップすることになる?
見てみぬ振りが、
汚れててもかまいませんよ、私たちには見えませんよ、
というメッセージだった?



……なんてことを、帰る道すがら、
感動の余韻に浸りながら、思った私でした。

(真相はわかりませんが……)






“リッツ・パリ”
数々の伝説とともに、
世界に比類なきサービスを誇るホテル。
一部屋につき、三人の従業員があてがわれ、
ルーム・サービスも24時間体制。
真夜中に部屋の掃除を頼もうが、
夜明けにフルコースの食事を取ろうが、
すべてお客様の意のまま…。
検索すればするほどため息のみ……。





最後に余談ですが、
日本に帰ってから、
“リッツ・パリ”の客室を検索したところ、
なにやら見覚えのある部屋が……。




なんと!
新城邸の真梨絵と睦月の寝室が……!!
何も知らず、
資料の中から偶然選んだ写真でしたが、
(壁、シャンデリア等、所々変えてはあります)
まさか!
“リッツ”の中の一室だったとは!
それまで全然知りませんでした。
おそるべしマリエ。



(キンドル版『永遠の誘惑』と続編『宝石の磨き方』では、
 新城邸を新築(笑)したので、マリエと睦月の寝室もすこし修正してます)



お目汚し。コピー現金!じゃなくて…厳禁!ざます。(笑)



      (終わり)  
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19 コメント

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感動したわ (新子)
2015-05-31 12:17:10
吹き出すのを堪えて読ませていただいたわ^ ^
でも、最後の方は感動したわ☆彡
そういえば…
私には「カネ カネ カネ! 」と読んだわよ(*^^*)
次回行く時は、カンナを持って「金」を削りましょう。ばれないと思いから^ ^

余談ですが、フランスの人は、「あっかんべー」みたいに
目を開くことがありますね。
それって確か「見えます」「見させてください」という意味だったかしら?
後半のお話で、故郷のフランスのことを思い出したわ♪(´ε` )
Évidemment c'est un mensonge .
返信する
>新子ちゃんたら (ジッコ)
2015-05-31 12:24:03
ふふふ。キンもカネも同じようなもんだけどね。洗面所のはカランとかはもちろん金メッキだけど、アンペリアルスイートとかは純金のカランみたいよ。私も削りたくなるわ…。
新子ちゃんは故郷がいっぱいあっていいわね。
返信する
ますます (新子)
2015-05-31 13:03:00
故郷に帰りたくなったわ(*^^*)
先ほどは、誤字脱字があって失礼いたしました~(≧∇≦)
行く先々で「第二の故郷」と仰ってる落語家さんみたいだわ。
鞄に若干の隙間が空いております~、なんてね^^;
楽しいお話を、これからも楽しみに待っています☆彡
返信する
>新子ちゃんも (ジッコ)
2015-05-31 14:55:16
いつもコメントありがとう。すごくうれしいわ。
返信する
 (シロクマ)
2015-05-31 17:18:12
カネにしか見えませんでした
返信する
さすが (yuni)
2015-05-31 21:05:33
さすがとしか言いようが無い面白い旅のエピソードですね(笑)
一緒に旅行に行ったら腹筋鍛えられそうですねぇ
返信する
さすがですね!! (みゆみゆ)
2015-06-01 21:50:47
やっぱり、先生には、笑いの神がおつきになってるんですね
あの天下のリッツで、お手洗いエピソードがでるとは・・・
私も、金ピカに目が眩んで、カギはみつけられないかもですが・・・
しかし、土産話が盛りだくさんの旅行でしたね。



返信する
ホテルマン (加代子)
2015-06-01 23:11:21
はじめてコメントいたしますが
沢山笑わせて頂きました。
先生の作品は リアルタイムで読んだ
「永遠の誘惑」が好きでした。

あのォ~・・・・・
フランス語でノン なら写真は駄目な筈ですが・・・
返信する
>シロクマさん (ジッコ)
2015-06-04 06:58:16
いいんですよ。カネで。カネの塊のような世界ですよ。あんな世界もあるのね!ってことで私も覗いてみただけです。
返信する
>yuniさん (ジッコ)
2015-06-04 07:01:50
私はふだんはとっても地味で真面目~な人間なんですってば。特別面白いことはしてません…。なのに、何でみんな私が記事アップするたびに笑うの~?(笑)
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