集中治療専門医への道

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心臓超音波検査

2014年04月13日 | 日記

心臓超音波検査をたまにするのですが、正常値や測定方法などを忘れがちだったので少しまとめてみました。明日から毎日一人当てる!という強い気持ちを持って頑張ります。。

正常値:身長や年齢により若干異なる。

  LVDd/s 40-50/20-30

  LAD 20-40  Ao 25-40

  IVS/LVPW 9-11

  FS > 30%  EF > 60%

 

①IVSd、LVPWd、LVDdを測定

拡張末期、つまりQRS直前で測定

 求心性肥大:AS、高血圧、二次性心筋症、心筋症

  二次性心筋症:アミロイドーシス(特にMM由来)、Fabry病、サルコイドーシス、薬剤

         アルコール、ヘモクロマトーシス、甲状腺機能異常、筋ジストロフィー

 非対称性心肥大:HOCM

 左室拡大:弁膜症、虚血性心疾患、拡張型心筋症

 

②LVDsを測定

収縮期、つまりT波前後で測定

 

③LA、Aoを測定

LAは収縮期、つまりT波前後で測定

Aoは最大径で測定

 

④収縮能の評価:EFを測定、FSを測定

Mモード法による測定

 FSをMモードで測定することの問題点:左室が一様に動いている事が前提であり、局所壁運動低下、右室負荷による奇異性運動があるときは評価が難しくなる。また、ビームが心室中隔と左室後壁に直角に入っていないと同じく評価が難しくなる。

 EFをMモードで測定することの問題点:左室容量を算出するさい、楕円形であることが前提であり、右室負荷による奇異性運動があるときや心室瘤があれば評価が難しくなる。

シンプソン変法による測定

 Mモードよりは正確であるが、やはり右室負荷による奇異性運動があるときや左室形態に変化があれば評価が難しくなる。また、2chと4chでは10%程度の誤差があり、信頼性が乏しい。

 

⑤拡張能を評価:E/A、E/e’、DcT、Tei Index:入射角は20度以内で誤差は6%程度

 

正常

拡張障害

偽正常化

拘束型

E/A

1~2

<1.0

1~1.5

>1.5

DcT

160~240

>240

160~200

<160

正常でも50-60歳代には1.0以下となる。

ただ、前負荷、心拍数(100以上)、不整脈、僧帽弁疾患、で大きく影響を受ける。

 

E/e’は心房細動や頻脈でも使用可!

e’ < 8cm/sec以下で悪く、E/e’ 10程度が正常でそれ以上だと悪い

 中隔でe’が小さいので、E/e’は大きくなる。

 

Tei Indexは正常が0.3-0.4程度でそれ以上だと、拡張能障害と判断される。

 

⑥局所壁運動評価

評価方法

 normokinesis:内膜面の運動、thickeningが正常

 hypokinesis:健常部に比較し内膜の運動、thickeningも減少

 akinesis:全くなし

 dyskinesis:収縮末期の内膜が拡張末期よりも外側に膨隆し、thickenigが全くなし

 

4ch:心尖部の壁運動を見る事でLADがやられているかどうか評価

2ch:下壁の壁運動を見る事でRCAがやられているかどうか評価

3ch:後壁の壁運動を見る事でLCXがやられているかどうか評価

 

その他

 心筋梗塞後であれば

  心室瘤、心室中隔穿孔、乳頭筋破裂、虚血性僧帽弁逆流症(tethering、ischemic MR)、壁在血栓などもエコーで評価

 

⑦SV(stroke volume)を求める。

 3chでAo弁下でLVTOを測定し、長軸から求めたAVAからSVをもとめ、そこからCOを測定する。さらに、SVRを求める。

SVR 800-1000

計算式 (MAP - CVP) / CO  X 80

SVRは心不全でACE-I投与前後で変化を見る事で効果を判断することも可である。

 

⑧弁膜症の評価

 M弁:Carpentierの分類で評価

  前尖:A1-A3 後尖:P1-P3に分かれる。心臓血管外科術後などで評価することが大事

 tethering:拡張型心筋症や、心筋梗塞後に見られる乳頭筋が外側に引っ張られることで起こるM弁逆流症

 T弁:TR Vmaxは2-3m/sec程度が正常。下記推定右房圧から右室圧を推定できる。

    右室収縮期圧は肺動脈収縮圧を近似され、肺高血圧を評価できる。

    右室圧:正常は30mmHgまで。

 A弁:弁面積の正常は3-4cm2程度。弁口面積や圧較差で重症度を判断

<colgroup><col span="4" width="77" /> </colgroup>
  弁口面積 最大血流速度 圧較差
軽症 >1.5 <3.0 <36
中等症 1.5~1.0 3~4 36~64
重症 <1.0 >4.0 >64

 

⑨IVC測定

下大静脈(IVC)径から推定右房圧

 2.0cm以下 呼吸性変動あり(50%以上) 5mmHg程度

 2.0cm以下 呼吸性変動なし       10mmHg程度

 2.0cm以上 呼吸性変動あり(50%以上) 15mmHg程度

 2.0cm以上 呼吸性変動なし       20mmHg程度


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