集中治療専門医への道

集中治療専門医になるべく日々修行の身である若手の医師のつぶやきや情報

APACCM 終末期医療シンポジウム

2012年01月28日 | 日記


3月1日のでタイムリーにもAsia Pacific Association of Critical Care Medicine(日本集中治療学会と併催)にて招請講演Leslie M Whetstine先生の倫理の話があります(座長は氏家良人先生)。

午前10-12時まで“international symposium “terminal care in ICU”が予定されております。下記のようにアジア諸国の終末期について勉強をするよい機会です。
私が僭越ながら座長を、フィリピンのSantos Jose Abad先生と務めさせていただきます。

Satoshi Nakagawa National Center for Child Health and Development, Japan End-of-life Care in Pediatric Critical Care in Japan

Santos Jose Abad Philippine Society of Critical Care Medicine Terminal Care in ICU

Shin Ok Koh Division of Critical Care Medicine, Department of Anesthesiology
and Pain Medicine/Aneshtesia and Pain Research Institute,
Yonsei University College of Medicine, Seoul, Korea Terminal Care in ICU

Dessmon Y H Tai Department of Respiratory and Critical Care Medicine,
Tan Tock Seng Hospital/Yong Loo Lin School of Medicine,
National University of Singapore, Singapore Terminal ICU Care

Phornlert Chatrkaw Chulalongkorn University, Bangkok, Thailand Integrated End-of-life Care in ICU

そして、3月10日にJSEPTICセミナーが予定されております。参加希望者は、http://jseptic.com/index_in.php よリ申し込みください。
会場はあまり広くなく、120名で先着順になるかもしれません。


アンケート結果(313名回答)
http://www.jseptic.com/rinsho/pdf/questionnaire_120125.pdf
JSEPTIC簡単アンケートの結果と解説
http://blog.goo.ne.jp/shigeki-fujitani/e/5460e9706cb4c3eb946b80b53bedb897



藤谷茂樹

簡単アンケート第11弾:終末期医療

2012年01月28日 | 日記
皆様



聖マリアンナ医大・東京ベイ浦安市川医療センターの藤谷です。

皆様今回は簡単アンケート第11弾:終末期医療にご協力いただきありがとうございました。おかげさまで313名の回答者と全体を通しての自由コメントには何と81名の方が記載をしていただけました。下記にその中で、digestを抜粋させていただきました。

帰国してから4年半になりますが、医療従事者の向かう方向性は、賛否両論多少はありますが、高齢者医療、終末期医療などについて皆さんと大きなずれがないような気がいたしました。また、倫理委員会を巻き込むということがあまりなされておらず、病院として取り組んでいる施設がどのくらいあるのか知りたいところです。

皆様がどのような終末期に対しての問題意識を持たれているか、また意識レベルは集中治療をされている方はとても高く日常の臨床でかなりの葛藤のあることも分かりました。INTENSIVISTの特集とともに、私自身が勉強をさせていただきました。皆さんご協力本当にありがとうございました。





簡単アンケート第11弾:終末期医療アンケート結果

http://www.jseptic.com/rinsho/pdf/questionnaire_120125.pdf







各設問の回答へのコメント

設問1.ガイドラインの認知度、日本救急学会58%>日本集中治療学会39%



設問2.医療従事者、患者家族がwithdrawalに賛成している場合の対処方法

気管チューブを抜管する方は5%と低く、その代わり、水分制限や栄養制限をする方が多いようでした。

ここがやはり法的整備が関係しているのかもしれません。海外的な見方をすればどちらもwithdrawalの範疇に入るかもしれませんが。

文化的な違いがありますので難しいところです。



設問3.家族の意見が患者本人の意思(autonomyの尊重)と異なる時の対応。

Futile care と思われるかもしれない一時的透析導入について問う問題です。

意見が大きく3つにわかれました。autonomyの尊重、futile careとみなす、家族の受け入れを待つ。



設問4.CPA蘇生後、permanent vegetate state 患者さんの転院するときの対処方法

転院させるために、気管切開、胃瘻造設を行うが圧倒的多数でした。これも、後方ベッドでこのような患者さんを受け取る立場の方から意見が出ておりました。

下記のコメントを黄色でハイライトしておきました。



設問5.実際にwithdrawalをするときの手段についての問題です。

やはり抜管は少ないですね(16%)。Modified withdrawalを選択されている方が多いです。



設問6.Terminal weaningをするときの薬剤投与について

これは日本の文化にはまだ受け入れられていないようです。厳しいコメントを多数いただきました。

今後の討論が必要な課題点かもしれません。実際臨床の場で患者さんが苦しんでいる状況で、薬剤投与をすることで死期を早める可能性があり、法的な問題などを恐れ、緩和ケア目的で薬剤を使用できない状況を多々見かけていますので、敢えてchallengingな質問とさせていただきました。

率直なご意見がいただけ勉強になりました。



設問7.人間の死の定義について

31%の方が脳死を人間の死としてまだ受け入れられていないということなのでしょうか。一方海外でもよく討論されるところですが、大脳皮質死を人間の死とみなす方が15%いらっしゃいました。



設問8.Withholding(治療の差し控え)、withdrawal (治療の撤退)を行う上で、問題点について

Multifactorialですね。集中治療で教育を重視しないといけないということでしょうか。



設問9.皆様の施設でのFutile careの患者層について

Futile careは主に救急からの受け入れ患者が対象となっているようです。救急現場では、医療資源が枯渇しており、resource の有効利用などについても考えさせられます。FCCSコースでもここを強調するように指導されています。



設問10.Futile care患者のコードステータス決定に関して

大多数が家族と時間をかけて話し合い双方のコンセンサスを得るようです(71%)。





設問11のコメントのdigestです。下記の4点が主な討論内容でした。

l Futile careについて

l 法的なサポート・整備について

l 死生観についての教育

l 診療報酬



==========================================

l 各施設の状況が最も別れるテーマかもしれません。今後ICU 領域での調査が行われるためにも有益な

調査だと思います。

l 「どういう手続きをふめば、法的に問題がない」かの、共通見解がなく、法的に医療者が守られていな

いのがもっとも問題だと思います。個人個人の医師が、倫理的に治療を撤退すべきだと思っても(自

分の家族なら、全脳死なら、治療を撤退してあげたいと思っても)、かつ、患者家族がそれに同意し

ていてすら、治療を撤退できないのが現状です。撤退(人工呼吸器をはずす、抜管する、補液をゼロ

にする、それまでに開始されていた経管栄養を止める、それまで行われていた維持透析を止める)な

どすれば、刑事訴訟されかねません。それを賭してまで、「倫理的に正しいと思うから撤退する」「医

療経済全体としてFutile care だから撤退する」という行為を遂行する医師はいないと思います。

このアンケートも、「共通見解」ができる一歩になるよう、応援いたしております。



l 死についての国民的議論の必要性を感じます。



l 集中治療室で長く勤務すると、誰のための医療か、誰のために治療をしているのか考えることが多く

ある。患者さんのための治療、ケアであるはずなのに、訴訟を起こされないように、訴訟が起こった場

合に負けないようにとの考えが浮かぶことが悲しいと思う。

よりよく死なせるための医療が集中治療の中にもできればいいと思います



l これでいいのだろうかと常に悩みながら診療しています。私の周りではfutile care はたくさん行われ

ている。医療資源、医療費にもかかわるからどうにかしたほうがいいと思うけど…。



l これらの用語の定義を広めることが先決と思います。他にも、DNR とwithdrawal やwithholding

を混同している人が多いようです。

その他、気づくことは、日本の急性期医療現場では、患者のautonomy(自律性)が無視され、家

族にだけ了解を得て治療が決定される場面がまだまだ多いことです。その背景には、患者の

autonomy に対する医療者の無理解、自らの将来を自らの意思で選択することに慣れていない文化

的な背景もあるでしょう。

このアンケート調査に登場したきわめて西欧的なコトバの定義を、まず医療者とマスコミがよく理解

し国民に広めていくべきと思います。なぜなら、医療者として患者や家族によりよい終末期を迎えても

らいたいのに、マスコミに「揚げ足」を取られて患者、家族の意思が二の次にならざるを得ない現状、

それによって急性期の貴重な医療資源(ICU ベッドなど)がfutile に投資され、本来その恩恵にあず

かるべき人があずかれない場合があるという現状を改善するための第一歩になるからです。



l 以前、急性期医療に携わり、長期入院ができない今の医療制度から、気切を行い、胃瘻を造設し

て、後方病院に転院させておりました。しかし、現在、その後方病院となるようなケアミックス病院に勤

務していて、人間としての健康寿命の考え方を一義に考えると、無理に気切や胃瘻は行わず、食事

ができなければ、自然に寿命を全うしていただくようにしております。一方で、2000 年から一時行わ

れた外科手術の件数による診療報酬の増額により、80 歳以上の症例にも様々な急性期医療が施さ

れ、本来の在宅での看取りが不可能となったりしている矛盾に日々葛藤しながら、家族にこれ以上の

延命の無意味なことを話しながら、Soft landing の方向にもっていくようにしていますが、全ての症例

でそれが受け入れられることがなく、悩むことも多いです。尊厳死だけでなく、人的、コスト面でも人工

呼吸・人工栄養(胃瘻やIVH など)が後方病院の負担になっていることも現実にあります。都会の大

病院中心のガイドラインと田舎のケアミックスの病院では、様々な点で状況が異なることも終末期医

療の今後について、医療職のみならず、一般市民の方々、国政も過去に振り返って討議すべきかな

と考えております。

==================================================

参考資料

医政局政策医療課による

第6回終末期医療のあり方に関する懇談会 平成22年10月28日

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000vj79.html







藤谷茂樹

聖マリアンナ医大救急医学 

東京ベイ・浦安市川医療センター

センター長
〒279-0001  千葉県浦安市当代島 3-4-32   
TEL:047-351-3101  FAX:047-352-6237


クリティカル領域における特定看護師

2012年01月15日 | 日記

特定看護師に関する情報

いろいろな情報が出ていますが、今年の国会で

保健師助産師看護師法の改正法案が出されて制度改革がおこなわれる予定。

 

 

東京医療保健大学大学院看護学研究科のカリキュラム

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000tjee-att/2r9852000000tjhi.pdf

 

日本医師会 特定看護師(仮称)問題について

http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20111116_3.pdf

 

ニュース

http://sankei.jp.msn.com/life/news/111107/bdy11110721280001-n1.htm

 

全日本病院協会

http://www.ajha.or.jp/voice/topnews/backnumber/pdf/2011/110515.pdf

 

厚労省

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/dl/s0218-9c.pdf

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000018qhj.html (1/19 厚労省による説明会)


医療安全全国共同行動へ施設参加を表明

2012年01月15日 | 日記

医療安全を推進するために、現在行動目標6に重点を置いて取り組んできましたが、JC-Iを取得するための下記の登録行動目標は必要条件ですので、登録を表明したいと思います。

 

Intensivistやホスピタリストを目指す方々は、下記の内容の把握もする必要があります。

 

登録行動目標

  S. 安全な手術-WHO指針の実践

  1.危険薬の誤投与防止  

  2.周術期肺塞栓症の防止

  3.危険手技の安全な実施( a.経鼻栄養チューブ    b.中心静脈カテーテル)

  4.医療関連感染症の防止

  5.医療機器の安全な操作と管理(a.輸液ポンプの安全管理  b.人工呼吸器の安全管理) 

 

  6.急変時の迅速対応と院内救急体制の確立     7.事例要因分析から改善へ

  8.患者・市民の医療参加


JSEPTICセミナー 終末期医療

2012年01月13日 | 日記

皆様
第13回JSEPTIC セミナー 終末期医療特集についてのお知らせです。
1月20日に刊行されましたINTENSIVIST end-of-lifeは、今までの日本の終末期医療に対する考え方を刷新するような内容になっております。その執筆者には、救急医学、集中治療、看護師、法医学者、現場で活躍されている方、世界各国の終末期医療について触れてもらっています。第13回JSEPTIC セミナーでは、そのダイジェスト版をお伝えします。そして、ファイナルで、シンポジウムで演者の方々に討論をしていただきます。尚、今回からオンラインWEBでのセミナーの閲覧が可能になります。

日時:2012年3月10日(土) 午前10時40分より
会場:新規開院の東京ベイ浦安市川医療センター(最寄駅東西線浦安駅、徒歩5分)
会費:3000円(軽食・ドリンク付き)
お申し込みは、下記URLまで
http://www.jseptic.com/seminar/index.html


10:40 開会の辞(5分) 藤谷 先生

司会:内野先生
10:45 End-of lifeの用語の解説(30分) 橋本 圭司 先生
11:15 諸外国の紹介:欧州 (15分) 矢口 有乃 先生
11:30 諸外国の紹介:米国 (15分) 藤谷 茂樹 先生
11:45 看護の立場から(30分) 北村 愛子 先生
12: 15 ランチョン 協賛企業製品紹介(15分)
12: 30 休憩(20分)

司会:林先生
12:50 米国医学部での生命倫理教育(30分)北野 夕佳 先生
13:20 終末期医療と法(30分)  井上 清成 先生

司会:讃井先生
13:50 CTG報告(15分)
14:05 Palliative care(30分) 関根 龍一 先生
14:35 休憩(15分)
14:50 日本での取り組み(30分) 氏家 良人 先生

司会:藤谷先生
15:20 判例からみる医療訴訟の歴史(45分) 前田 正一 先生
16:05休憩(10分)
16:15 症例 (15分) 武居 先生
16:30 パネルディスカッション(60分)【氏家先生、井上先生、前田先生、矢口先生、北村看護師】
(このパネルディスカッションはビデオ撮影しない)
17:30 フロアから質疑桜桃(15分)
17:45 閉会の辞(5分)

藤谷


ARDSの診断基準

2012年01月13日 | 日記

24th Annual Congress ESICMでイタリアのM.RanieriのARDS Berlin definitionについての講演がアップされております。physiological dataの12分26秒あたりでcorrected Ve(補正分時換気量)>10L/mi or Crs<40 ml/cmH2Oというデータが使用されております。

補正式はVe corr=Ve x PaCO2/40

http://www.esicm.org/07-congresses/0A-annual-congress/webTv_ranieri.asp

論文の発表が楽しみです。


脳死下臓器提供の施設認定

2012年01月10日 | 日記
聖マリアンナ医大では臓器提供はかなり積極的に行ってきた。
今度の新病院でも、臓器提供は続けていきたいと思っている。

臓器提供件数について
臓器提供件数@聖マリアンナ
2007年より角膜提供41件
心停止後腎移植 12件
脳死下臓器提供 2例

脳死下臓器提供の施設認定ですが、下記の5類のどれかに属している必要があります。
①大学附属病院
②日本救急医学の指導医認定施設
③日本脳神経外科学会の専門医訓練施設(A項)
④救命救急センターとして認定された施設
⑤日本小児総合医療施設協議会の会員施設

臓器提供をすることでたくさんの方の命が救われることをピッツバーグ大学で知って以来、日本でも積極的に取り組んでいます。

近いうちにINTENSIVISTも臓器移植についての特集を組まなければ。

Minomycin/Rifampin impregratedのカテーテル

2012年01月10日 | 日記
米国のCMS (Centers for Medicare & Medicaid)は、Medicare(65歳以上の保険)、やMedicaid(貧困層の保険)の支払基金であり、医原性関連によるもの、回避できるものに対して支払いをしない方針を取っている。

そのうちの8つのNo Payに関して
No Pay”の8項目
1. 院内発生の外傷:骨折、脱臼、熱傷、頭蓋内損傷、クラッシュ損傷(ベッド転落などによりよく発生)
2. UTI
3. 褥瘡
4. 血管カテーテル感染(CLABSIを含む)
5. 心外術後の術後創感染
6. 術後異物留置
7. 空気塞栓
8. 不適合輸血

日本と異なりかなり厳しく支払い制度がコントロールされています。

有名なMayo Clin Proc 2006;81:1159のシステマティックレビューの内容ですが
Per 1000 IVD/day
• Peripheral IV 0.5
• Midline 0.2
• PA-catheter 3.7
• A-line 1.7
• PICC 1.1
• HD cath (temporary) 4.8
• CR-BSI
– CVC (non-tunneled) 2.7
– CVC (tunneled) 1.7
– CVC (Chlorhexidine/silversulfadiazine) 1.6
– CVC (Minocycline/rifampin) 1.2

2006年の文献の寄せ集めの結果なので、現在のmaximal barrier precautionなどが用いられているので、もう血流感染の結果に対しての有意差はでないと思います。

以前調べてから、Minomycin/Rifampin impregratedのカテーテルの研究がされているか再度調べてみましたが、CVCに関しては良質な研究は報告されていないようでした。

Benefit of minocycline and rifampin-impregnated CVC: ICM 2004;30:1891

Results:
– Control (n=237) vs. Antiseptic (n=228)
– Definite and possible catheter colonization
• 24/1000cpd vs. 10.4/1000 cpd (RR=0.43, 95%CI 0.26-0.73)
– CRBSI
• 5.9(11pts) vs. 3.1(6pt) per 1000 /cpd (RR=0.53, 95%CI 0.2-1.44)
– Colonization with candida spp
• 6.2(12pts) vs. 1.1(2pt) per 1000 /cpd (RR=5.84, 95%CI 1.31-26.1)
Conclusion:
– M/R coated catheter decreased CNS colonization, although there was a risk of candida colonization.

上記の結果より、抗菌薬コーティングカテーテルは、最終的なアウトカムとしてCRBSIに対して発生率も以前より減少していると思われるので、日本ではCMSのような取り締まりがない限り、少なくとも今の職場では入れるメリットがないと思います。

CEの体制強化を

2012年01月08日 | 日記
透析死亡事故の記事が1月7日に報告されております。
ME(mechanical engineer)でなくCE(clinical engineer)が必要です。臨床工学技士は機器のチェックをするのはもちろんですが、医療チームに一員です。

高度医療が行われており、医療事故はますます増加の一途をたどってきます。
このような事例こそ、M&Mなどを行い、原因究明(なぜCEを雇うことができないか)をすべきだと思います。

透析死亡事故の記事
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120107/k10015114071000.html

東京ベイでのICU構想

2012年01月01日 | 日記

日本に帰国して4年半、いろいろなICUを見てきました。
今まで、救急ICU、内科ICU, 術後ICU、Stroke ICU、CCU、などマンパワーが分散され、また独自の治療がなされてることが多く、更に各科のpoliticalな問題などが、ICUという教育する場を薄れた存在にしてきました。その様な問題点を解決すべく、344床の病院に、ICU/HCU/CCU 30の病床数は多いと思われるかもしれませんが、これが急性期病院の目指すところだと信じています。

具体的な東京ベイでのICU構想

  • ICUは18床、HCU/CCU12床の30床を管理することになります。
  • 東京ベイでは小児を含めてすべての人工呼吸装着患者はICUで管理する。
  • ICU管理は、close systemを取り、初期研修医・後期研修医・集中治療フェローからなる屋根瓦方式で患者ケアををする。
  • CEは積極的にチームの一員となり、人工呼吸器、持続血液浄化などの管理に関して積極的に患者ケアに携わる。
  • ICUにおける生体モニターからの情報を、看護師申し送り、医師のラウンド、データベースの構築などに有効に利用する。
  • 地域医療振興協会の特性を生かし、重症患者の遠隔地からのコンサルトシステムを構築する。
  • SCCM(米国集中治療学会)の推奨するガイドラインの遵守。
  • ICU/HCU/CCU専属のCE、PT、薬剤師の配置と、若手コメディカルのベッドサイドでの育成。
  • シミュレーション教育の重視。
  • JC-I(米国の医療安全評価機構)、ACGME-I(米国の卒後医学教育資格認定委員会)の導入を目指しています。
今後中小規模の病院で実践で役に立つ集中治療のプログラムの構築を目指しております。そのためには、集中治療医というよりも、重症患者を見ることができるホスピタリストを広く育成することも、重要な使命となります。


新病院建築状況

2012年01月01日 | 日記

皆様
明けましておめでとうございます。
今朝、CEOの神山先生から年賀のメールをいただきました。その時の新病院の東京ベイ浦安市川医療センターの建設中の写真をいただきましたので添付いたします。

竣工式は2月26日で、旧棟よリの引っ越しは3月10日、ちょうどJSEPTIC セミナーと重なってしまいますが、問題なく開催できそうです。

年末にも聖マリアンナい医大では臓器提供が数件行われており、東京ベイ浦安市川医療センターでも、臓器提供をICUで積極的に推進していきたいと思います。

2012年はchallengingな年となりそうですが、とてもやりがいのある仕事ですので、初志貫徹を目指し頑張っていきます。