clinical question
Cre : 5.6のpre-end renal stageを有する患者のCHF
ACE-Iの使用は控えるべきか?
という問いに当院レジデントU先生が調べて来てくれたので載せます。。ありがとう!R先生。
日本の薬剤添付文書:レニベース(エナラプリル)
用法・用量に関する使用上の注意
(1)重篤な腎機能障害がある患者
クレアチニンクリアランスが30mL/分以下
or
血清クレアチニンが3mg/dL以上
では投与量を減らすか、もしくは投与間隔をのばすなど考慮
(2)・・・・
(3)・・・・
と記載あり
文献的考察
Managing Hyperkalemia Caused by Inhibitors of the Renin–Angiotensin–Aldosterone System
N Engl J Med 2004
•一般的にGFR30を高カリウム血症の可能性が上がり始める閾値として考えるべき
•糖尿病性腎症の場合はGFR30-90でも高カリウム血症のリスクが高いと考えるべき
•CKD患者では、腎機能のみを<ACEを開始する/再開する>の基準にするべきではない
–GFR30以下で使用する際にはクロースモニタリングが必要だが
Withholding these drugs solely on the basis of the level of renal function will unnecessarily deprive many patients of the cardiovascular benefit that they otherwise would have received, particularly since numerous steps can be taken to minimize the risk of hyperkalemia.
•腎機能低下のみを根拠にACEなどの薬を使用しないことは、心血管に対するベネフィットを不必要に挙げることになる
-ではどのように投与するればいいか!?
•GFRを計測
•可能なときはいつでも
•K排泄を障害する薬は中止
•ハーブ使用の有無も聞く
•ジゴキシン様作用のある漢方も
•NSAIDsやめる
•K含有の少ない食事をすすめる
•代用塩(salt substitute)使用の有無も尋ねるカリウムを添加した低Na調味料)
•サイアザイド利尿薬もしくはループ利尿薬を処方する
•CKDのアシドーシスを是正するために水酸化ナトリウムを処方する
•低用量からACE/ARBを開始する
•ACE/ARB開始から1週間でK濃度を計る
•K>5.5ならば:薬の量を減らす
•ARBやアルドステロン受容体拮抗薬との併用が有れば切る
•スピノロラクトン併用が有れば25mg/日を超えないようにする特にGFR<30であれば併用しない
これらのことをやってもK>5.5あれば中止
ちなみにカリウム含有量は下記のように知られている。
•干し柿1個580mg
•アボガド1個1000mg
•干しひじき10g440mg
•バナナ1本390mg
•ほうれん草370mg
•枝豆50グラム350mg
•ジャガイモ1個230mg
•サツマイモ1個450mg
•ブロッコリー50g250mg
•キウイフルーツ1個320mg
•メロン100g340mg
•納豆1パック330mg
•春菊50g300mg
•さといも1個300mg