今月赴任先で皮膚科の講義を頼まれたので一部抜粋して皆さんにも共有しますね!
今回まとめるに当たって東京ベイ・浦安市川医療センターの先生のスライドも参考にしています。感謝!!
「発熱+皮疹」を考えるに当たって以下の④つを十分に考慮する事!
①生命に危険は無い?
②SMARTTTの鑑別法
③隔離が必要?
④外部からの持ち込み?
①生命に危険はないかどうかは下記を検討しましょう。
▲バイタルサインをcheckする
▲紫斑を呈する疾患は生死に関わる。
②鑑別法は下記「SMARTTT」と覚えましょう。
Sepsis | SIRS+肺炎球菌、ブ菌、緑膿菌、電撃性紫斑病、壊死性筋膜炎 |
Meningococcemia | 若年者、ショック、紫斑、死亡率20% |
Acute endocarditis | 紫斑、心雑音、心不全 |
Rocky mountain spotted fever | 米国、2-6日前にインフル症状あり、3-5日後に発疹 |
Toxic shock syndrome | 突然発症の高熱、戦慄、下痢、全身の筋肉痛、びまん性紅丘疹、原因不明のショック |
Toxic epidermal necrolysis | SJSとの関連 |
Travel-related infection | アフリカの旅行歴、突然発症、紅斑→丘疹 |
Stevens-johnson syndrome
・原因薬剤への暴露(アロプリノール ST合剤 フェニトイン NSAIDs)
・死亡率高い(30-50%)
・症状:発熱 咽頭痛 結膜炎 掻痒感
・皮膚:ニコルスキー現象
・水泡 / 表皮剥離:SJS < 10%、TEN > 30%
・死亡率:SJS 1-3%、TEN30-50%
・合併症:敗血症 ARDS 肝障害
・治療:被疑薬中止
DIHS
・原因薬剤開始後2-6週間で発症
・高熱、好酸球増多、皮疹、肝障害
・皮疹:顔、特に眼瞼周囲の浮腫
・好酸球増多 > 1500
・合併症:甲状腺炎、肺炎、心筋炎
・死亡率:10%
・原因薬剤の中止
AGEP
・原因薬剤投与後24時間以内
・原因薬剤の80%は抗生剤、特にペニシリン系、マクロライド系
・感染はまれだがウイルス感染、enteroviruses, parvovirus B19, adenovirus,EBV, CMV,andHBV
・口腔内・舌に潰瘍生じる
・self-limitedで2週間以内に良くなる
③隔離が必要?
麻疹 風疹 ウイルス性は隔離必要
④外部からの持ち込み?
病歴:アフリカへの渡航歴、突然発症の高熱・頭痛・筋肉痛、びまん性の紅丘疹から出血斑
→エボラ熱 ラッサ熱 デング熱
まずは上記を考える事で少しでも苦手意識が拭えればと思います。Uptodateなどでは上記疾患の皮膚所見もたくさんありますので、参考にして下さい!