詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

小説「時空恋話~JIKUU-RENWA~No.12

2011年03月04日 | 小説「時空恋話」
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第十二章 風に乗って・・・・

風がそよいでいた
緑色の葉たちが銘々に初夏の歌を口ずさんでいた

トントン

「宏幸さん?入ります」
紗枝は宏幸の病室にお見舞いの花束を持ってゆっくり入っていった

しかし宏幸は病室にいなかった

机の上に書きかけの日記があった

紗枝はドキリとした。
(見ちゃダメよ・・でも・・一番最初に私の日記も盗み見されたしな)

誘惑の気持ちに紗枝は勝てなかった。
(ちょっとならちょっとだけなら・・・)
この頃、気がつくと宏幸の事を気にしている自分に嫌がおうでも気がついていた紗枝は、震える手で日記をつかんだ。

紗枝は声に出して読んでみた
「今日は紗枝さんが来てくれることになっている。
とても心待ちにしている自分がいる・・・・
彼女が来る前にちょっと売店で買い物をしてこよう・・・」

そこまでだった・・・・

すると風のいたずらか何枚か前のページがめくれた・・・・

「!」

めくられたページ達には、優しい宏幸の言葉で紗枝との出会いから今日までのことが、事細かにつ綴られていた。

愛情あふれる表現ばかりで紗枝は春風につつまれているような錯覚に陥った
不意に、鼻の奥がツンとなり、涙がでそうになった。

「紗枝さん!!」

「ご!ごめんなさい!!読むつもりなかったんだけど・・か・・風でページが・・・」
紗枝はあわてて、日記を閉じると宏幸につきだした。

「大丈夫だよ・・・・僕も最初に紗枝さんの日記読んじゃったし・・・・」

ひと時の沈黙が流れた
紗枝は次の宏幸の言葉をいつの間にか待っていた・・・・
でも彼の口をついてでた言葉は愛や恋の告白ではなかった

「下の売店でケーキを買ってきたから食べよう・・・・」

「なんで・・・なんで・・・・ 私・・・・・宏幸さんのこと・・・・・・・・」

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