W師匠から上海のバッタ品市場凸撃レポートが届きましたのでアップさせていただきます。
師匠いつもありがとうございます!
虹橋のバッタ品市場内はこんな感じです。
(以下、W師匠からのご報告レポート)
【「韓城服飾礼品市場」「虹橋国際珍珠城」散策】
去る5月、南京西路沿いにある「韓城服飾礼品市場」と、地鉄10号線竜渓路駅にほど近い「虹橋国際珍珠城」を散策した。
噂通り、そこは怪しげな雰囲気を醸し出していたデパートだった。
ここでのキーワードは、“偽ブランド品”である。
最初に言っておくが、私はあまり偽ブランド品には興味がない。
ただ、どんな雰囲気の場所で、どのような客や店員がいて、どういう商品をとり揃えているのかに興味があったのだ。
よくツアーなどで、都度立ち寄る土産屋等でこういった偽ブランド品コーナーに連れていかれる(買わされる)、という話は耳にするが、個人旅行ではこういった機会はない。
従って、社会勉強の一環としてこういうデパートを見て回るのもたまには良いと思った。
デパート内には、いろいろな雑貨屋等が商品を陳列していたが、偽ブランドらしきものは思ったほど少なかった。
公安関係かどうか不明ながら、入口に「偽ブランド品は取り扱いません」みたいな表示もあり、取り締りも相当厳しくなっているのだろうと思った。
だがここは、“中国”だ。
それはあくまでも“表面上”の話であって、そんなはず(無いはず)はないだろう。
「虹橋国際珍珠城」では、3階にそれっぽい店が集中していた感じだった。
あてもなく散策していると、案の定、カタログみたいなのを手にしたそれっぽいお兄さんが近寄ってきた。
「(偽)ブランド品、興味ある?」と言われた。
本当はあまり興味がなかったのだが、社会勉強の一環としてどういうものか見学したかったので、「興味あるよ!」と頷いてあげた。
その後、エレベーターに乗せられ、“秘密の陳列場”へ連れていかれた。
お兄さんの表情には、何か緊張感が漂っていた。
その緊張感が、私にも伝播した。
大げさだが、今私が置かれている状況は、それなりの危険が伴っているのだろう、と思った。
“秘密の陳列場”に到着した。
そこには、留守番をしている別のお兄さんもいた。
「エルメス」「プラダ」「ルイヴィトン」等の商品が、所狭しと陳列されていた。
これらは、偽ブランド品だな、と思った。
辺りに何やら得体の知れない緊張感が漂っており、真剣に物色するふりをせざるを得ない状況の中、突如「トントン」っと扉がノックされた。
同時に、お兄さん達が「うぉっ!」とかつぶやいた。
しかしそれは、公安ではなく、別の日本人客(二人)だった。
店員たる者、あまり露骨にビビッて欲しくないと思った。
そのビビリがこっち(客側)にも伝播してしまうからだ。
反面、今のビビリは取り締まり関係や、露見した際の罰則が厳しいことの裏付けだな、とは感じた。
“ひやかし”だった私は、そろそろ帰りたくなってきた。
しかし、辺りには「冷やかしはタダでは帰らすまい」という得体の知れない緊張感やオーラがみなぎっていた。
その緊張感を打破しなければならないことから、熟慮し、私は一計を案じた。
「手帳とかじゃなくて、本革の小説用のブックカバーない?どうよ?」っと真顔でアピールした。
「そんなものがあるハズがないだろう」と思ったからだ。
ただ、もし出して来たら「あっぱれ!」賞で買ってやろうとは思っていた。
案の定(当たり前だが)、「それは取り揃えていない」ということだった。
「それじゃあ今日はしょうがないから帰る!」と至ってスマートに、脱出することが出来た。
上記は「虹橋国際珍珠城」での経験だが、構造上は「韓城服飾礼品市場」でも大体同じだった。
ただ、「韓城服飾礼品市場」は、忍者ハットリ君ばりのからくり屋敷みたいになっていたのが印象的だった。
表の陳列棚が回転して、さらにその奥に偽ブランド品が陳列されている、といった感じだ。
その“奥の陳列棚”も見学したが、買うものがなく、帰ろうとしていたインド人らしき客が、店員に帰してもらえず、10分ぐらい拘束されていたのを目撃した。
そのインド人客解放と同時に、危険と判断した私もコッソリ脱出に成功したが、そのような経験もあってか「韓城服飾礼品市場」より「虹橋国際珍珠城」の方が個人的には安全だったような気がした。
偽ブランド品を販売している彼、彼女らは、生活のため“命がけ”でやっているんだな、と感じた。
従って、単独行動で、これらの店の“裏側”を覗こうとする行為は、多少危険が伴うことなのかもしれない、と思った。
慣れていない方は、ゴローさんをはじめとする慣れていらっしゃる方々にアテンドをお願いした方が無難だろう。
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※補足
偽ブランド品(知的財産侵害物品)を日本に持ち込むことは、関税法等の法律で禁じられている。
万が一、こういった偽ブランド品を隠し持っていることが日本の税関でバレてしまった場合、没収程度で済めばよいが、悪質だと判断された際は、相当な追求を受ける可能性がなくはない。
(持ち込みが判明してしまった場合)比較的社会的ステータスの高い職業についている方々にとっては、相当なダメージを受けてしまう可能性もあるだろう。
日本の税関で摘発される知的財産侵害物品(偽ブランド品)の9割超は、中国から、という背景もある。
また、偽ブランド品ではないながらも、高級そうなダチョウのバッグや、ワニ革バッグなどが置いてある店もあった。
しかし、これらは知的財産侵害物品とは別に、“ワシントン条約”というもので規制されている。
日本に合法的に持ち込むには、ワシントン条約で定める(再)輸出許可書(サイテス)というものが必要だ。
この“ワシントン条約”は、「携帯品」にも適用される。
そんなものが、これらのデパートから発行手配されているかどうかは疑問だ。
持ち込みは最終的に“自己責任”ながらも、“ちょい悪オヤジ達”は認識すべきポイントだ(と思う)。
(以下、ゴロー筆に戻ります)
師匠ありがとうございました。
市場内はまさにこんな感じですね。。
今や中国もWTOに加盟して、パクリが文化!などと言って開き直ってばかりもいられない状況ですので、年々取り締まりも厳しくなってきています。
偽ブランド品を扱う市場も半減、携わる人も減少の一途...そんな状況ですので、ご興味がある方はお早めに入手された方が良さそうです。
師匠、今後ともレポートのご寄稿よろしくお願いいたします!