秋の声と

秋の声が遠くから聞こえてくる

忘れていたもの

届かなかった思い

果たせなかった約束・・・

それらが風に乗ってわたしをとりまき

なかなか心を落ち着かせてくれない

こんなはずじゃなかったのに

あんなにも秋を待っていたのに

更に深い沈黙に

わたしをひとり置いていく

秋

AKI

あき

初山滋のあの扉絵が

いまだわたしをときめかせる

もう何十年前になるというのだろう

誰も

何も

見えていなかったのかもしれない

けれども

切ない秋を

わたしはまだ愛している