アトリエ・きき

ここから何が始まる?

君に会いに行くよ

2015-07-29 03:01:56 | Weblog

雨がやんで 風が吹いて 雲がどいて 日が昇ったら

僕は君に会いに行くよ

名前のない乗り物に乗って 真っ白なシャツをはおって

僕は君に会いに行くよ

何も持つものがないから

手のひらの中には 夢をたくさん入れて行くよ

一日じゃ話し足りないくらいの たくさんの夢が生まれたんだ

君はどんな顔をして僕を迎えてくれるんだろう

笑顔も 驚いた顔も 僕はみんな好きだったけれど

ずいぶん昔すぎて 君がどんな顔で笑っていたのか

本当はもう覚えていないんだ

だから

大好きだった笑顔を見られるのも

驚いて目をまるくした君を見るのも

とてもとても楽しみなんだよ

君が僕を忘れている心配はしていない

きっと すぐにわかる

僕も 君がわからないなんていう心配はしていない

きっと すぐに見つけられる

ああ こんなにわくわくするのは久しぶりだよ

さあ そろそろ夜が明ける

雨がやむ

風も吹き始めた

雲は 閉じ込めていた空を返してくれる

僕は やっと君に会いに行けるよ





言葉が心にしみる

2015-07-27 01:33:37 | Weblog
歌詞、会話、何気ないつぶやき・・。その時その時、いろんな言葉が耳に入り、いろんな風に心に響く。
なんでもない気持ちで発した言葉が妙に胸に残ったり、一生懸命選び取った言葉があっさり聞き流されたり。人と人の間の言葉のやりとりは、一筋縄ではいかない。

音符の数と、音の上がり下がりにキュウキュウしながら搾り出した歌詞も、さらさらと、歌われるそばから過去にすっ飛んで行くんだろう。それでいいんだけどね。

言葉。それを聞いて、共感したり、想像を膨らませたり、逆に心を閉ざしたり。黙っていれば、なんの当たり障りもないけれど、黙っていたら、何も伝わらない。
言葉は、不用意には使えない。でも、臆病になりすぎてもつまらない。

今夜、心にストレートに入ってくる言葉をたくさん聴いた。棘のあるものは、ひとつもなかった。思いを正直に語る言葉、情景を、感性にしたがって描写する言葉、どれもが心地よく響いてきた。
「地獄」などという言葉さえ、明るくきこえるのだ。不思議なものだ。
そして、励ましの言葉で元気になるのではなく、却ってさりげない一言に勇気づけられたりすることも、再認識した。

思いがあって、表現がある。事象や自然があって、描写がある。
そこに音があれば、なお楽しくわかりやすい。音楽は、そんなふうに生まれるものなのかな。
しばらく遠ざかっていた、自然発生的な自分自身の音楽を探してみたい。
心にしみる言葉の数々を耳にして、そう思った。





天に向かう拳

2015-07-25 14:35:31 | Weblog
制裁でもなく

叱咤でもなく

団結のシュプレヒコールでもなく

やわらかく

清らかで

憧れに似た方向性があり

凛として

静かで

何の顕示もなく

しかし後退もなく



忍耐を知り

厳しさをこころえ

ある種の覚悟があり

美しく

気高く

邪心なく

あるのはただ光を願う心か


昨日は堅く

あしたにほどけ

昼には鳥の祝福を受け

ゆうべに水をふくむ



ああ

天に向かう赤子の手なる拳よ

気品に満ちた純白よ

空におまえは何を見る

わたしを

その背に

乗せてゆけ




すべてを超えるもの

2015-07-25 03:06:01 | Weblog
ぽつん

緑の海の中  

わたしという一つの点がある



大きな木の天蓋に包まれ

わたしという一つの点が

消えそうになる



木を包む心を持ちたいと

一つの点が思う



目を閉じなさいと 

誰かがつぶやく



簡単なことさと

どこかでささやく





川影

2015-07-24 06:03:49 | Weblog
夏の 忘れもの

朝露の匂い

サンダルはいた素足を

芝生が 誘うよ

夏の ため息は

わきあがる雲が

巻きとり連れてゆくよ



あの日の 願いごとも

運んでいって

音のない まぶしい世界



瞳に 映してごらん

小首かしげて 歌う小鳥



きっと いつか また会える

どこか 遠い 見知らぬ街角で



誰も いない 川影で

いつも 見てる ずっといっしょだよと

君と いっしょだよと






オルゴール

2015-07-13 02:29:29 | Weblog
木漏れ日が降る小道を歩けば
近づく森の影

切ないくらい青い空ももう
木立ちに隠れてる

音のない世界へと
いざなうのは 戯れる風

耳を澄まし 聞いてごらんよ
ほら 誰かが呼んでる

踊ろう さあワルツを
時が奏でるメロディーに乗せ

歌おう 忘れてた歌
愛をつなぐ



泉に浮かぶ 小さな木の葉も
七色にきらめく

秘密にしてた 大切な気持ち
言葉にできたなら

願い込める指先
しあわせ運ぶ 魔法かけて

瞳こらし 見ててごらんよ
ほら 夢は動き出すよ

踊ろう さあいっしょに
時がさらさらこぼれる前に

歌おう 忘れてた歌
愛をつなぐ

「聞こえるでしょう? 風のオルゴール・・」






海の月道

2015-07-12 03:06:34 | Weblog
海が盛り上がり、わたしを迎えに来る。

月に呼ばれて、波は応える。

うねる。砕ける。返す。
うねる。砕ける。返す。

ほの明るい月の道は、繰り返す営みの向こうで、たおやかに夜に挑む。

吠吼は鎮まらない。怒涛は止まない。

闇を越え、時に運ばれ、何かに呑まれそうになるわたしを、じっと見ている。



海が盛り上がり、月の道を湛えて、

わたしを呼んでいる。

いつあそこに乗ろうかと、わたしはぼんやり考えている。



音の残してゆくもの

2015-07-10 20:33:17 | Weblog

やすらぎ  切なさ 

かつて居た場所の匂い

あこがれ  まだ見ぬ人

涼やかな風



輝く瞳は 深く澄んで

細い金色の髪 豊かな胸に踊り

少女の時と同じほほえみがこぼれる 音に満ちた時間の中

ただ人は 

いくつもの笑顔が とわにこわれぬようにと願うばかりで



小さな心ひとつ まるい椅子の上に残し

今日も開く にび色の扉



歌声は消えない

音楽は終わらない



見上げてごらん

音の波は宙に漂い 

やがてきこえなくなる耳にも響き

確かな記憶となって また刻まれるはずだ






旅の途中で

2015-07-09 11:48:14 | Weblog
旅の途中で 出会ったものがある

それはあまりにも無邪気で
あまりにも 無防備で
あまりにも無力で

旅の途中で なくしたものがある

それはあまりにも遠くて
あまりにも重くて
あまりにも不可解で

旅の途中で 探したものがある

それは
力強く 美しく たおやかでくもりなく
真摯で 偽りがなく でもこわれやすく
そして 何かが足りない



出会ったものには別れが来て

なくしたものは いつか見つかり

探したものは 足許にあることに気づいても

飛び込めない自分の無明を恥じ
心痛めつつ それでも顔を上げ 明日また旅する





大都会の灯り

2015-07-06 21:21:15 | Weblog
闇になりきれない空に

ぼんやり

手のひらに 乗せられそうで乗せられない

ジャンキーな宝石箱

でもそのひとつひとつに

愛があり 闘いがあり 暮らしがあり ドラマがある



すべてを呑み込む架空のインナーシティが 

深く 静かにひろがっていく



あの光は寂しい人の 

あの光はしあわせな人の

あの光は生まれたての

あの光は消え行く寸前の



灯り 灯り 灯り



言葉を持たない光が

たくさんのことを物語る夜に

重い荷物を背負い 風に吹かれながら

冬と春をぶら下げ

ひとり歩く



見下ろす光  見上げる光

灯りはいつもやさしい






心のすみか

2015-07-04 07:39:56 | Weblog
ここは心のすみか

種々雑多な心が帰ってくるところ

躍動した心も 手負いの心も

無言で帰り 無言の時を過ごす



見えない明日に怯えたことも

胸躍る時を過ごしたことも

今はもう 遠い昔でしかない

どこにもない時間

だれも会えない時間



賢者は言った

その時どきの体感がすべてであり

あとは言葉での説明にすぎないと

その言葉にこだわり こだわり
 
こだわり抜いてふと我に還った時

すべては砂のように

さらさらと掌よりこぼれ落ち

足許から透明な光に昇華する



この私の心

その私の心

心がここに帰って休み

永遠のサボタージュを拒むものだけが

またのそのそと出て行くだろう



不安な顔を貼付けていたあのものは戻らず

いつのまにかどこかに消えた



しんとした瞳であたりを見

しかし考えず

淡々と今を進む

ただそれだけのもの

ただそれだけを望むもの



その心のすみかに

懐疑だけはない