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121007【番外編】父と息子の長崎旅行<その1>

2012-10-10 | その他

息子が成人してから、二人で旅行するのは初めてのことです。
旅先で「女親と娘」の二人旅というのは、みかけることはよくありますが、「男親と息子」という構図はあまり見たことがないですね。
お互いになんとなく気恥ずかしく、会話も途切れがちになると思います。
でも、たいていの父親は息子が生まれた時に「こいつといつか酒を飲みに行きたい」と思うもので、文吉の場合は「一緒に旅したい」と思っていました。

話は長くなるので、今回は三部構成でお送りします。


2012年10月07日(日)小雨のち晴れ

04:40
東武東上線の某駅から羽田空港行きの直通バスは定刻通り出発しました。

今回、文吉が訪れるところは「長崎」。文吉の故郷です。
7月にもポン吉と行ったばかりですから、「またかよ」と思われる方もたくさんいるかと思います。

でも、7月の時と今回では大きく違い、大義名分が2つあります。

・長崎で最大のおまつり「おくんち」を観る。
・母親に孫の顔をみせてあげる。

毎年、長崎っ子はこの時期になると心そわそわしてきます。
日本三大祭りのひとつである「おくんち」は華麗に龍が舞う「じゃおどり」で有名ですが、出し物はそれだけでありません。
いくつもの出し物や半年以上かけて稽古してきた成果が一気に花開きます。まさに豪華絢爛なおまつりです。

文吉の母親は今年83才になりました。最近は足が衰えて歩くのがつらそうですが、頭はしっかりしています。
今のうちに孫の顔を見せてやるのも親孝行と言えるでしょうか。
息子は大学時代に車で友人たちと「日本一周の旅」をしている途中で立ち寄って以来ですから、8年ぶりになります。

この二つの大義名分を息子に打診すると、二つ返事でOKでした。
まあ、旅費も滞在費もすべて文吉持ちですから、息子にとっても悪い話ではないと思いますけど。

05:48
やがてバスは羽田空港第二ターミナル駅に到着しました。

すぐに全日空(ANA)の受付で手続きしましたが、始発の06:50の飛行機には間に合いませんでした。
それでも、8:15の3731便が取れたのでひと安心。
まだ、2時間以上の待ち時間があります。朝食代わりに「さぬきうどん」を食べます。ひとり560円
写真は撮り損ねました。

やがて搭乗手続きをして、ゲートをくぐると外は雨が降っています。



幸先悪いなあと思っていたら、息子が長崎の天気をネットで調べてくれました。
「大丈夫。長崎は晴れだって」まあ、文吉が行くんだから当然と言えば当然ですけど。

飛行機は定刻通り出発して、定刻通り10:20長崎空港に到着しました。
さっそく高速バスに乗って長崎市内に向かいます。
天気は息子が調べたとおりの快晴で、長崎の空は文吉親子を歓迎してくれているようです。

11:25
長崎駅に到着したら、友人のKちゃんが迎えてくれました。
息子は初対面ですが、あまり人見知りしないタイプなのですぐに打ち解けています。

今日は三日続くおくんちの初日なので、駅周辺は人だかりができています。
この期間、「庭先回り」といって、おくんちの出し物は町中を練り歩いており、特定の場所ではデモンストレーションを行います。

コインロッカーを探して荷物を突っ込むとほぼ同時にオランダ船がやって来ました。
今年の「踊町(おどっちょう:7年に一度回ってくる当番の町)」は5カ所あって、出し物も決まっています。

今博多町(いまはかたまち):傘鉾(かさぼこ)、本踊(ほんおどり)
魚の町(うおのまち):傘鉾、川船(かわぶね)
玉園町(たまぞのまち):傘鉾、獅子踊(ししおどり)
江戸町(えどまち):傘鉾、オランダ船
籠町(かごまち):傘鉾、龍踊(じゃおどり)

すべての町で傘鉾を出しますが、これは言わばプラカードのようなもので、出し物の先頭を歩きます。
ただ、これが普通のプラカードと違うのは重さが120~150kgもあって、町内の力自慢の漢が粋の良さで持ち上げます。

駅前では人垣をかき分けて、わずかな隙間から覗き込むのが精いっぱい。
やっぱり、待っていてはいけませんね。さっそく見物行脚にいきましょう。

長崎の市内を移動するには市電が一番。どこまで行っても120円で、車やバスと違って渋滞がありません。
でも、今日はいろいろと乗り換えたり、行ったり来たりすることになると思うので、「一日乗り放題券」を購入します。
駅の緑の窓口や特定の販売所に行くと、500円で販売しています。



とりあえず、おなかも空いてきたのでお昼を食べてから見物することにします。
息子が「ちゃんぽんを食べたい」というので、市電で「築町(つきまち)」まで行って、新地の中華街へやって来ました。

でも、お昼時はどこも混んでいます。まして、おくんちの最中とあらば観光客でごった返しています。
何件かめぼしい店を覗いてはため息ついて次をさがします。
やっとみつけたのが、台湾料理のお店。けっこう、有名人も訪れるらしく、店内にはサイン色紙が壁いっぱいに飾ってありました。

台湾料理屋なのに、ちゃんぽんもやっています。
どうせなら、一番高級な「極上ちゃんぽん」とお店の看板メニューの水餃子を頼んでみます。
何が極上なのかなと思っていたら、「カラスミ」が一つまみのっています。



カラスミというのはボラの卵巣を塩漬けして乾燥させたものですが、とれる量が非常に少ないので、江戸時代は「三河のこのわた」、「越前のウニ」とともに「天下の三大珍味」と言われていたそうです。

ちなみに文吉、本日、初めてカラスミをたべました。見た目はウニのようですが、味は非常にしょっぱいけど美味しかったです。
水餃子は文句なしに美味しかったです。
Kちゃん、本当にご馳走様でした。ちゃっかり奢ってもらった文吉父子です。

お腹が膨れたので、いよいよお祭り見物に繰り出しますか。

新地から市電で「大波止(おおはと)」まで戻ります。



大波止は諏訪神社から降りてきた神輿が一泊休憩する御旅所(おたびしょ)になっています。
ここが、今日の午後から明日にかけていちばんにぎわうところです。

文吉が子供のころはおくんちになると、この一帯で出店や見世物小屋がたくさん出るので、それが楽しみで毎年親に連れてきてもらっていました。
今は、見世物小屋はなくなり、出店の数も昔に比べてかなり少なくなりました。でも、百店以上あると思います。

ぜひ、長崎に来たら食べてほしいのが「アイスクリン」。
鈴をならしながら呼び込みするので「チリンチリンアイス」と呼ばれて親しまれています。



普通はグラバー亭や平和公園あたりに出没しますが、今日は大波止でも何店かでています。
値段は100円と非常にリーズナブルなスイーツです。

タコの「いか焼き」? 旨そうですね。



文吉の好物の梅が枝餅の出店を発見。さっそく一つづつ購入して食べました。
もともとは学問の神様で有名な福岡の太宰府天満宮でしか食べられないのですが、なぜかおくんちの時は長崎でも食べられます。
もちもちとした皮の中に餡子が入っているだけのものですが、このアツアツ感がたまりません。



出店見物も一通り回ったので、出し物の追っかけをします。
まずは市電で公会堂前広場へ行ってみます。

でも、ちょっとがっかり。有料の特別桟敷席は紅白の幕でさえぎられて、中の様子が見えません。
待っていたら、通りの向こうから傘鉾がやってきました。



魚の町のようです。

つづいて今博多町もやってきました。きれいどころのお姉さんたちを引き連れています。
ああ、見たいなあ。でも、桟敷席は予約だけで席が完売していて中には入れません。

ポン吉によく似たおじさんが手拭いで頬かぶりしてやって来ました。



山高帽がよく似合う街の顔役のオジサンもいますね。



やっぱり女性は色白に限りますね。両隣のお姉さんたちが霞んで見えます。



ああ、この女性はアラレちゃんのコスプレではありません。婦人警官さんです。



そうこうしている内に、妹から携帯が入りました。
「姪が近くまで来ているので、合流するように」とのことです。

そんなわけで、Kちゃんとはここで流れ解散します。

電話を切る間もなく、姪から携帯が掛かってきました。
すでに道の向こう側にいました。

姪の旦那さんの運転で向かう先は、ここからちょっと距離があります。
姪の子供がダンスのサークルに入っていて、明日はちょっとしたイベントのオープニングで踊るので練習場所へ迎えに行くとのこと。
ついでだから、文吉父子も練習風景を覗きみすることにします。

町はずれの小さなホールで子供たちは一生懸命に練習していました。
下は小学生から20歳くらいの子たちが明日の本番に向けて最後の追い込みで必死です。

あまり、こういうアップテンポの曲を聴いたり、見たりしない文吉ですが、子供たちが頑張る姿にはエールを送りたくなります。



姪の赤ちゃんも7月に会った時よりずいぶん大きくなりました。



ひとりで座ることができるようになりましたね。

妹や母も甥のOZさんも駆けつけてきてくれました。
姪たち家族は子供の練習がまだ続いているので、もう少し残るとのことなので、文吉達は食事に出かけます。

外はすっかり暗くなっており、お腹もすきました。
妹の案内で近くの回転すしの店に行ってから、実家に帰ってきました。

それからは、しばし団欒のあと、眠りにつきましたとさ。

続く・・・





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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
親孝行だね (slowlife)
2012-10-11 07:21:46
見上げたものです、文吉さん、お母さん喜ばれたでしょう。孫同伴で。
2年前におくんちの時期に大村から電車で長崎に、諏訪神社あたりでの山高帽をかぶった老人紳士、町の行列、さすが長崎の文化の豊かさを感じたことを思い出します。
今、帯状ヘルペスで自宅安静療養中、絶不調ですが記事を楽しみに見せていただきます。
年をとるということはいろいろ体が変化するということを痛感しております。今、小便がでなくて日々苦戦中、もちろん帯状疱疹の痛み、そして筋肉つう、膀胱神経までおかされているようです。
いい写真ですね、おくんち、出島付近の写真も楽しみです。
返信する
Unknown (もっちゃん)
2012-10-11 09:54:58
文吉どん
おくんちを見に行ってきたのですか!
思い出すなあ、7月に行った長崎の旅行。めちゃめちゃ楽しかったなあ。
でも今回は息子さんとふたりきりだからよけいだね。
楽しい思い出が又一つ増えて良かったね、ホントに。
文吉どんの孝行と嫌がらずに今回旅行を共にしてくれた息子さんの文吉どんへの孝行。
2人の孝行息子のこの後の展開楽しみです。
返信する
お見舞い申し上げます。 (文吉)
2012-10-12 05:53:19
Slowlifeさん
帯状ヘルペスでさぞやつらい毎日を送っていることと思います。
お見舞い申し上げます。

今回の旅行は息子も非常に楽しめたようで、それはすなわち、文吉にとっても母にとっても孝行になるものでした。
続編ではそのへんもふくめて長崎の祭りを楽しめるものと思います。
ご期待くださいませ。

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すごく良かったよ (文吉)
2012-10-12 05:55:11
ポン吉どん
今回の旅行は二つの大義名分を持っていきましたが、両方とも十分にはたすことができてとっても良い旅行でした。

それから、言っとくけど「おくんち」って食べ物では無いからね。

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