スカパー漂流記

CS放送「スカパー」で放送されている番組について語れればいいなぁと思う次第でございまして・・・

File-032 ターミネーター (for スターチャンネル)

2005年05月05日 | Weblog
 前回の「ロボコップ」に続き、B級SFアクション繋がりで今回は「ターミネーター」をご紹介。
 もっとも、この作品を知らないという方は少ないと思うので、内容についてはスパッと割愛させていただきます(べつに断らなくても、毎度のコトなんだけど。笑)。

 さて、プチヲタがこの「ターミネーター」や「ロボコップ」を観ていつも思うのは、「映画というのはつくづく、作り手の情熱の賜物だなぁ」ということ。
 よく「映画は芸術だ!」などと、神をも恐れぬ暴言を吐く「映画通」気取りがいますが、ジョーダンはアイルランド系だけにしてくださいですよ、ホント(すみません、F-1ネタです・・・)。
 あんなのは発言者が「自分は芸術を解する人間なんザマス。所謂インテリゲンチアなんザマスのよ、私は」と愚にもつかない主張をしているだけの戯れ言で、映画はその誕生から今日まで一貫して「大衆娯楽」であり、額に入れて美術館に飾らなければ価値のでないような、低俗な存在じゃありません。
 てか、「芸術」というのは、人間の優越感をくすぐることでかろうじて存続している、凋落したかつての「大衆娯楽」の総称なんですヨ(「クラシック音楽」「オペラ」「バレエ」「歌舞伎」「能」「浄瑠璃」等々、芸術と呼ばれるモノは皆そうでしょ?)。
 芸術が「悪い」とは申しませんが、映画ヲタとしては、隆盛を極めている「我が愛すべき娯楽」を、手前勝手な虚栄心のために「過去の遺物」と一緒にするな!・・・ってカンジです。

 プチヲタが思うに、「映画監督」というのは「クリエイターズ・ヒエラルキー」の頂点にあります。
 これは決して独善的な解釈ではなく、作家や漫画家、あるいはアニメ演出家などのインタビューなどを見ると、やたら「映画監督になりたかった」という人が多いのです(また、日本で数少ない「映画学科」を持つ「日大芸術学部」が多方面に人材を輩出しているという事実も、このことの証左でしょう)。

 映画産業が斜陽な日本でさえこうなのですから、ハリウッドを擁するアメリカであればそれは尚更で、数少ないチャンスを求め、俊才から凡才までが跳梁跋扈しています。
 そして幸運にもチャンスを得た者が、次に繋がる結果を出すため、全身全霊を傾けて作品を撮る!
 「ターミネーター」はまさしくそんな気合いの籠もった作品です(世襲制で、「~の子供」というだけで出世が確約されている「伝統芸能」風情が、どうしてこの「ギラギラしたエリート」たちの創り出した娯楽作品に太刀打ちできましょうか?でーきーまーせーん!)

 本作はジェームス・キャメロン監督(プチヲタ絶賛の「エイリアン2」の監督です)が、B級ホラーの「殺人魚フライング・キラー」などを撮った後、メジャー入りを夢見て挑んだ渾身の一作であり、同様に主演のアーノルド・シュワルツネッガーも、「ミスター・ユニバース」あがりの筋肉バカというレッテルを払拭すべく奮闘しています。

 ただし、面白いことに間違いはないのですが、プチヲタ的には「上の下」あたりの評価で、「とにかく観ろ!」といった太鼓判は押せません。
 プチヲタはこの作品の評価をする時、同系(B級アクション)の「マッドマックス」をよく引き合いに出すのですが、「ターミネーター」も「マッドマックス」も新人監督が撮った低予算映画で、どちらも世界的に大ヒットしました。
 しかし、こんな言い方をするとちょっと変かもしれませんが、「ターミネーター」はほぼ完璧に「作り」が練り込まれていて、ともすると「売れないベテラン監督のB級作品」(例えに出すのは申し訳ないのですが、「ロッキー」の監督をしたジョン・G・アビルドセン監督とか)に見えなくもありません。
 対して「マッドマックス」は、低予算をカバーするためのムチャ(実際スタントマンが一人死んでいるとか・・・)が垣間見え、話もチョイ尻切れ気味に終わってたりするところが、なんか新人監督特有の「血気盛んさ」が感じられて好感がもてたりするワケです(ベテラン監督がそれをやったら、単なる「無能」ですけどね)。

 もっとも、キャメロン監督の「そつの無い映画作り」はその非凡さの証であって、本作のヒットを機に大作のメガホンを握るようになってからも、(面白い面白くないは別として)常に話題となる作品を撮り続けています(で、その「興行的な」頂点が「タイタニック」です。プチヲタは嫌いですけど・・・)。

 また、本作の続編は、「例の法則」に則ってあまり誉められた出来ではありませんが、それでも論じて損はない作品なので、今回は触れないでおきます(ネタの温存?)。

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