「映画の歴史を変えた傑作!」
そんな宣伝コピーを掲げる「恥ずかしい」映画は数多ありますが、本当に歴史を変えてしまうような作品というのは、当然ながらごく稀にしか生まれてきません。
で、明らかにその「稀な」事柄を成し遂げた映画の一つに挙げられるであろう作品が、この「プラトーン」です。
本作で一躍ハリウッドのトップへと駆け登ったオリバー・ストーン監督の半自伝的映画として有名なこの「プラトーン」は、観賞して楽しい作品ではありません。
また、胸躍る高揚感も、胸のすく爽快感も、胸を締めつける情緒感もありません。
あるのは、ただ胸の痛む悲壮感ばかりです。
この「プラトーン」以後、戦争映画の流れは完全に変わりました。
それまでの「勧善懲悪型娯楽戦争映画」はメインストリームから弾き出され、「写実主義型叙情戦争映画」が台頭。
と同時に「戦争映画」自体が、映画の「人気ジャンル」から遠ざかりはじめます。
これはある種、必然の結果でした。
それまで戦争映画の「戦闘シーン」は、血沸き肉踊る戦争映画の「華」でしたが、「プラトーン」はこの伝統に冷や水を浴びせかけます。
ストーン監督は自身の体験から徹底的にリアルな「戦闘シーン」を描き、そこにかかる枕詞を「血沸き肉踊る」から「血も凍る」へと変えてしまったのです。
戦争映画が「観て楽しい」ものから「観て苦しい」ものへと変わった瞬間、とでも言うべきでしょうか。
とにかく「プラトーン」から以後、「脳天気な戦争映画」は鳴りを潜め(例外的にヒットした脳天気戦争映画って多分「トップガン」くらいだと思う)、戦争を娯楽として描くのは「恥ずべきこと」という風潮が世界に蔓延し、今もその流れは変わっていません。
この「戦争をリアルに描く」という発想、じつは「プラトーン」よりも以前に日本で花開いています。
戦争を「人間同士の殺しあい」として生々しく描写し、一大ムーブメントを巻き起こしたアニメ「機動戦士ガンダム」がそれです。
ただし、アニメの世界(=日本)では「ガンダム」以降も「脳天気な戦闘アニメ=恥ずべきモノ」とはなりませんでした。
それは一体なぜなのか?
「プラトーン」は反戦映画です。
「現実に起きた」戦争をリアルに描写することで、戦争の理不尽と愚かさを世に問い示す作品です。
この「現実に起きた」というところが肝心で、実際に「被害者(=戦傷者)」がいる戦争という過去の「現実」を、エンタテインメントとして「面白おかしく」映像化していいものか?・・・という心理を製作者と観客の双方に与えたという意味で「プラトーン」は画期的だったわけです。
翻って日本の「戦闘」アニメは徹頭徹尾フィクションであり、しかも半世紀にわたって「戦争の犠牲者」を出していないがゆえに、「ガンダム」がリアルな戦争を描写して以後も、アニメで「戦闘シーン」を作品の華として描くことに誰も疑問を持ちませんでした。
有り体に言えば、鮫に身内を食い殺された人間は「ジョーズ」を正視できないでしょうが、そのような経験の無い世の大部分の人々は、「ジョーズ」をパニック映画として楽しく観賞できるってコトです。
アメリカはこの100年間に限って見ると、おそらく世界で最も数多く戦争(第1次大戦・第2次大戦・朝鮮・ベトナム・湾岸・アフガン・イラク等の「戦争」に加え、パナマやボスニアなどでも「侵攻」「紛争」などのプチ戦争をやってます)を経験している国です。
いまの日本人にとって「戦争」は100%フィクションですが、アメリカ人には100%ノンフィクション(てか、実際いまもイラクで「戦争中」だし・・・。米政府は認めていないけどね)なわけで、「プラトーン」のような映画を見せられると、明日は我が身と考えて「脳天気な戦意高揚映画」なんぞに熱中できないと・・・。
以上のような理由で、「プラトーン」以後、残念ながらハリウッドの「戦争映画」は面白くなくなりました(製作本数も激減しているはず)。
戦争する物語を観て楽しむなんて低俗?品性下劣?
そんなのは「アダルトビデオ」があるから「性犯罪」が起きる・・・って理屈と同じくらい的はずれで恥ずかしい「馬鹿理論」ですよ。
戦争について記された文献は古くから残されているし、そもそも人間は「当事者」にならなければ「戦争」を含めた「戦い」ってヤツが大好きなんですから(え?男はともかく女は違うだろうって?いえいえ、女性だって「ロミオとジュリエット」とか好きでしょ?あれ、仲が悪いのを「家同士」から「国同士」に変え、二人の身分を王子と姫にすれば、きっと世界中に転がっている「戦争悲恋」物語になりますよ。こういうのって明らかに「女性向け」ですよね?)。
てか、「非日常」の世界に感情移入して楽しむのが「映画」であり、また「創作物」の醍醐味なのですから、「戦争映画」が楽しめるのは、それだけこの国が平和だという証拠!とっても幸せなコトなんですヨ!!(半島北側のキチガイ国家のせいで、その平和にも陰が差し始めてるけど・・・)
そんな宣伝コピーを掲げる「恥ずかしい」映画は数多ありますが、本当に歴史を変えてしまうような作品というのは、当然ながらごく稀にしか生まれてきません。
で、明らかにその「稀な」事柄を成し遂げた映画の一つに挙げられるであろう作品が、この「プラトーン」です。
本作で一躍ハリウッドのトップへと駆け登ったオリバー・ストーン監督の半自伝的映画として有名なこの「プラトーン」は、観賞して楽しい作品ではありません。
また、胸躍る高揚感も、胸のすく爽快感も、胸を締めつける情緒感もありません。
あるのは、ただ胸の痛む悲壮感ばかりです。
この「プラトーン」以後、戦争映画の流れは完全に変わりました。
それまでの「勧善懲悪型娯楽戦争映画」はメインストリームから弾き出され、「写実主義型叙情戦争映画」が台頭。
と同時に「戦争映画」自体が、映画の「人気ジャンル」から遠ざかりはじめます。
これはある種、必然の結果でした。
それまで戦争映画の「戦闘シーン」は、血沸き肉踊る戦争映画の「華」でしたが、「プラトーン」はこの伝統に冷や水を浴びせかけます。
ストーン監督は自身の体験から徹底的にリアルな「戦闘シーン」を描き、そこにかかる枕詞を「血沸き肉踊る」から「血も凍る」へと変えてしまったのです。
戦争映画が「観て楽しい」ものから「観て苦しい」ものへと変わった瞬間、とでも言うべきでしょうか。
とにかく「プラトーン」から以後、「脳天気な戦争映画」は鳴りを潜め(例外的にヒットした脳天気戦争映画って多分「トップガン」くらいだと思う)、戦争を娯楽として描くのは「恥ずべきこと」という風潮が世界に蔓延し、今もその流れは変わっていません。
この「戦争をリアルに描く」という発想、じつは「プラトーン」よりも以前に日本で花開いています。
戦争を「人間同士の殺しあい」として生々しく描写し、一大ムーブメントを巻き起こしたアニメ「機動戦士ガンダム」がそれです。
ただし、アニメの世界(=日本)では「ガンダム」以降も「脳天気な戦闘アニメ=恥ずべきモノ」とはなりませんでした。
それは一体なぜなのか?
「プラトーン」は反戦映画です。
「現実に起きた」戦争をリアルに描写することで、戦争の理不尽と愚かさを世に問い示す作品です。
この「現実に起きた」というところが肝心で、実際に「被害者(=戦傷者)」がいる戦争という過去の「現実」を、エンタテインメントとして「面白おかしく」映像化していいものか?・・・という心理を製作者と観客の双方に与えたという意味で「プラトーン」は画期的だったわけです。
翻って日本の「戦闘」アニメは徹頭徹尾フィクションであり、しかも半世紀にわたって「戦争の犠牲者」を出していないがゆえに、「ガンダム」がリアルな戦争を描写して以後も、アニメで「戦闘シーン」を作品の華として描くことに誰も疑問を持ちませんでした。
有り体に言えば、鮫に身内を食い殺された人間は「ジョーズ」を正視できないでしょうが、そのような経験の無い世の大部分の人々は、「ジョーズ」をパニック映画として楽しく観賞できるってコトです。
アメリカはこの100年間に限って見ると、おそらく世界で最も数多く戦争(第1次大戦・第2次大戦・朝鮮・ベトナム・湾岸・アフガン・イラク等の「戦争」に加え、パナマやボスニアなどでも「侵攻」「紛争」などのプチ戦争をやってます)を経験している国です。
いまの日本人にとって「戦争」は100%フィクションですが、アメリカ人には100%ノンフィクション(てか、実際いまもイラクで「戦争中」だし・・・。米政府は認めていないけどね)なわけで、「プラトーン」のような映画を見せられると、明日は我が身と考えて「脳天気な戦意高揚映画」なんぞに熱中できないと・・・。
以上のような理由で、「プラトーン」以後、残念ながらハリウッドの「戦争映画」は面白くなくなりました(製作本数も激減しているはず)。
戦争する物語を観て楽しむなんて低俗?品性下劣?
そんなのは「アダルトビデオ」があるから「性犯罪」が起きる・・・って理屈と同じくらい的はずれで恥ずかしい「馬鹿理論」ですよ。
戦争について記された文献は古くから残されているし、そもそも人間は「当事者」にならなければ「戦争」を含めた「戦い」ってヤツが大好きなんですから(え?男はともかく女は違うだろうって?いえいえ、女性だって「ロミオとジュリエット」とか好きでしょ?あれ、仲が悪いのを「家同士」から「国同士」に変え、二人の身分を王子と姫にすれば、きっと世界中に転がっている「戦争悲恋」物語になりますよ。こういうのって明らかに「女性向け」ですよね?)。
てか、「非日常」の世界に感情移入して楽しむのが「映画」であり、また「創作物」の醍醐味なのですから、「戦争映画」が楽しめるのは、それだけこの国が平和だという証拠!とっても幸せなコトなんですヨ!!(半島北側のキチガイ国家のせいで、その平和にも陰が差し始めてるけど・・・)