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えありすの絵本・Another

ここはmyギャラリー…
わたし視点のDQ・FF…絵物語も……そして時々、イロイロ

オパルのラー

2009年11月20日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
「わたしは、あなたを愛してるわ。
わたしを…愛して…ターザン…」

「きみはとても美しい。きみを見るとたまらなく心惹かれる。きみのことは好きだ。
だが、たとえおれの愛情がそれ以上のものにならないとしてもそれはおれの罪でもきみの罪でもないよ」
                               (本文より抜粋)

「…ええ…わかっているわ……でも愛してほしい…」



「また来て…ラーは待ってる…いつまでも」
「ああ、また来る」


*オパルのラーのターザンへの愛は一途過ぎて哀しい。
閉ざされた時から忘れ去られた都オパルの女王。祭祀長。
古代から受け継いだ伝統とこの世界しか知らない彼女だが、彼女は待っていたのではないだろうか。

この世界だけが世界ではないはず。
何かを…
誰かを…

突如として現れたターザンに立場を忘れ恋をする。(『ターザンの復讐』)


ラーはとても感情の起伏が激しい。
ターザンに拒絶されるやいなや殺そうとする。
だが、次の瞬間には「愛してほしい」と泣き崩れる。(『ターザンとアトランティスの秘宝』)

ターザンはいまだ古代を生きる美しい女王ラーに惹かれる。
そして、彼女の王座奪還のために闘う。(『ターザンと黄金の獅子』)

愛してほしいという彼女に哀し気な表情をみせるターザン。
愛する事はできない、と告げるターザンにラーはそれでもいい、と。(『無敵王ターザン』)


*ターザンがオパルに何度も足を運ぶ理由、わかっていますとも。
だってすんごい財宝がねむっているんですもん~
「また来る」って…はっきりいいなさい。「お宝頂戴しに」って。
ラーはついで、って。
ジェーン、いいんですかあ。ちゃっかりこんなとこでこんなことしてますよ~
昔、こんなの描いてます。
『無敵王ターザン』の表紙絵のオマージュ。大きさはB5のケント紙。まじめにトーンを貼ってホワイト入れて墨汁とペンで描いてます。

Return Of Tarzan 最終回 ~大団円~

2009年08月24日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
巡洋艦に乗る準備をしていた時、ターザンはジェーンに言う。

「野獣には感傷はないと言われるが、おれはおれの生まれた、おれの両親の墓のそばの、そしていつもおれのふる里であった原始のジャングルに囲まれたあの丸太小屋の中で結婚したい…」

「原始の森の木陰の小屋こそ、あたしたちが結婚式をあげるのに一番ふさわしいと思うわ。だってあたしは森の神と結婚するのですから」

翌朝、彼らは出航した。
ゆっくり広い海へ向かう巡洋艦のデッキの上に二人はいた。

次第に遠ざかる海岸線。
その浜ではワジリの戦士たちが彼らの族長への別れを告げながら槍をふりかざしていつまでも踊り続けていた。

「これがあのジャングルのみおさめかと思うとちょっとさびしい気がするな。しかしこれから新しい幸福な世界できみといつまでも一緒に暮らすことを思えばなんでもないよ」

猿人ターザンは身をかがめて花嫁のくちびるに接吻した。

                              END

*恋と冒険。王道の物語ですね。

その後、彼はアフリカの彼の領地に農場を作ってワジリの戦士たちの生活の場を与えたり、会社も持ってるらしくけっこう手広くいろいろしてるみたいです。
ロンドンには邸宅もあって、さすが公爵さま。王家と姻戚関係にある爵位の中で一番上だそうです。
文中に「古い王家の血筋をひく高貴な顔」とかいう表現があったような。

ロンドンやパリ、アフリカの領地ととびまわって国際派。
スーツの内ポケットに小切手帳を持ち歩いてるなんてどんだけすごいのでしょう。
なんといってもオパルから持ってきた財宝もあるし…(ずるいぞ)
それでもやっぱりジャングルは心の故郷。
冒険心にかられ密林へと…
スーツを脱ぎ捨てやっぱり半裸が一番似合います。

ウィリアム・セシル・クレイトンは恋敵だと思われがち。
だけど、彼は一貫してジェーンを愛し、また卑劣なロコフに対しても道徳的に接したりここでは書かなかったいろいろな彼の英国貴族たる騎士道精神を持つ立派な青年であることを言っておきたい。唯一、ターザンが正当な後継者であることを言い出せなかっただけ。彼からしてみたらジェーンとは自分が最初に出会ってるわけで、ジェーンもまんざらではなかったはず。
ようは爵位も財産も彼女もなにもかも急にあらわれたターザンに持っていかれたわけですね。
彼は自分の伯父夫妻と同じ地に眠ることになるのです。
ちょっと哀しい。

長い小説を簡略して伝えてみたけど、どこをどう要約するのかというのはとても難しい作業だと感じた。
長いくんだりをどこをポイントにしてどんな短い言葉に置き換えると伝わるのか、という。
だからじっくり読んだ。
すると何度も読んだはずなのに初めて読んだかのような文もあって小さな驚きの発見。

「彼は文明に戻る意思はとっくに捨てていた」
という一文をわたしはずっと見落としていた。
この文を見つけた時、胸がズキンとした。
居場所を探しての彼の長く遠い旅の結末がこうだったと思うと心が痛かった。

素人のわたしが言うのもなんだけど違う訳のほうがいいのでは、と思われる箇所もあるけど、これは訳文なので仕方ない。訳者のセンス。
訳というのは外国語力ではなく日本語力なんだな、と思う。

画力がないので苦労しちゃったけど、最後まで描けたことが一番。
最後まで見て下さった方、ありがとうございます。

Return Of Tarzan 12

2009年08月23日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
浜に着くとターザンはクレイトンが作った木の上の小屋にかけ上がった。
クレイトンは藁のベットで痩せこけ憔悴しきっていた。水を含ませると気がつき、二人を見て驚く。
ロコフが卑劣な行為をして自分を放置して出て行ったことを怒るがそれは彼の最後の力を使ってしまう。

「ロコフのことはおれにまかせろ」そうターザンは励ます。

クレイトンは残った力で彼のコートのポケットからくしゃくしゃの紙を取り出しジューンに渡した。
「君にも彼にも悪いことをした。君を愛するあまり…言い訳にならないが…許してくれとは言わない。1年以上も前にやらねばならないことを…今するだけだ…」

彼はそう言い、その手は落ちた。

長く祈りをささげたあとジェーンは涙でかすんだ目でその紙を見た。
「指紋は君がグレイストーク卿であることを証明した。おめでとう。ダルノー」

それはターザンがあの時受け取った電報だった。
ジェーンは驚き聞く。
ターザンは自分はこのことを知っていたこと、だがクレイトンが知っていたことは知らなかったことを言う。
受け取ったのが駅の待ち合い室だからその時落としたのではないか、と。

「あなたはこのこと知っておきながらあの後、母が類人猿であったことや父親のことを知らないなんて言ったの?」
「君がいなかったら爵位や財産なんて意味なかったんだ…」

ターザンの提案で、ワジリの戦士たちによってクレイトンは亡父の小屋に運ばれターザンの両親の墓の横に埋葬された。

ロコフはクレイトンを非道にも見捨てたあと、テニングトン卿たちが作っていたキヤンプにたどり着きジェーンやクレイトンが死んだと嘘を言っていた。

ターザンたちは他のボートの人達やダルノー達と浜辺で再会。
ダルノー中尉たちは巡洋艦でこのあたりを哨戒していたおりテニングトン卿たちをみつけたわけだ。
ジェーンの父は狂喜乱舞し喜ぶ。
ジェーンの無事はすべてターザンの驚異的な活躍によるものだと結論づけた。

テニングトン卿とロコフは狩りに出ていた。
ロコフのことは仏軍にも話してある。
「彼が戻ってきたら驚くだろう」仏軍人が言う。
「驚く暇はない」
ジェーンはハッとしてターザンに後は軍にまかせてほしい、個人的に制裁を加えたらあなたが捉えられてしまう、と。ターザンはジェーンに約束する。

狩りから戻ってきたロコフはターザンに気付くと発砲するがはずれる。
次を構えるがテニングトン卿が阻止。
ロコフは仏軍に手渡され機密書類も戻る。

テニングトン卿にジェーンはターザンを紹介する。
「グレイストーク卿ジョン・クレイトンですわ」
テニングトン卿は半裸の男にどう礼儀を尽くせばいいのか戸惑うのだった。

Return Of Tarzan 11

2009年08月22日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
*もう1枚、二人の蜜月旅行を描いてしまってます。
二人が幸せなシーンは描いていてうれしいものです。

会話は英語でしてるのかな、と。
ターザンは仏語のほうが得意だけど、ジェーンに合わせてきっと英語。

ターザンはジェーンのことを「ジェーン」と呼ぶのですけど、ジェーンは彼のことを「ジョン」と呼びます。
この時はまだ彼がグレイストーク卿であることを知らないので「ターザン」と呼んでるかも。

ダルノーはパリでは「ジャン」と呼んでるんですけど、これはフランス人の発音のせいでしょうかね。
ダルノーとの会話はフランス語でしょうし。
この時期、ターザンは「ジャン・C・ターザン」と名乗ってフランス人として生きているようす。
戸籍とかどうなってるのでしょう?でもこの「C」ってなんでしょね。
「クレイトン」の「C」とか。
英国貴族の名前はよくわからないけど「グレイストーク(卿)」はその家の称号?
ターザンの従兄弟のクレイトンは「ウィリアム・セシル・クレイトン」
ジェーンは「ウィリアム」と呼んでるのでこれは名前。「きよし」って感じ。
セシルはミドルネーム?
クレイトンは姓ということでしょうか。

もちろん、クレイトンという姓は当然ターザンが名乗るものですし、従兄弟なら同じ姓でもおかしくはないし。
だからターザンは本名の姓を隠してアルファベットにして名乗ってるのかな?
ターザンが名刺を出すシーンがあってそれにそう書いてあるんです。

後、ジェーンがターザンを呼ぶのに「ジョン」と言ってるシーンがよくあります。
本名がグレイストーク卿ジョン・クレイトンなので「ジョン」と呼ぶのでしょうね。
彼らの息子の名前は「ジャック」
貴族の息子っぽくないですね。

作者のバロウズは男性の名前で「ジョン」が好きみたい。
バロウズの作品で今度、映画化される(しなくていいと個人的には思う!)「火星のプリンセス」の主人公もジョン。
「ジョン・カーター」

英語というのは自分をさす言葉は「アイ」しかないけど日本語はたくさん。
この訳者はジェーンが自分をさす時は「あたし」と訳してるのですけど、上流社会の女性にはちょっとどうかな、と思うのです。
オルガも「あたし」。貴族出身で伯爵夫人なのに。
ラーは「わたし」。さすがオパルの女王様です。

ターザンは文明社会では「ぼく」だったりジャングルでは「おれ」になったりします。
ちなみに「ジョン・カーター」は「わたし」です。ちなみに(ちなみが多いぞ)ジョン・カーターが恋するプリンセスは「わたくし」。
やっぱりプリンセス。

こんな風に海岸へ向かう二人。
2年の歳月をこえて結ばれる幸せ。初恋を成就する幸せ。
実はターザンの初恋はジェーンじゃないのです。
少年の時、群れの中で一番かわいいメスの類人猿なのです。
でも、そのメスの類人猿はターザンではなく他の雄を選ぶのです。
当然ですよね。
でも、ふられたターザンがなんとなく納得してるし、傷ついた様子もないのが面白いのです。
どこか心の中で「おれは違うから…」と思っていたのかも。
群れの中でのしきたりで大人になると雄はつがいを求めるものだ、という習わしにちょっとのっかった感じでしょうか。

彼の少年時代の小さい物語を集めた巻の「ターザンの密林物語」がけっこう好きです。

Return Of Tarzan 10

2009年08月21日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
*「小さな滝の泉のほとりで水浴びして遊んだりして…」
なんて前の回に書いたら描いてしまいました。
お絵描き人間はすぐ脳内に絵としておこすので、コマリモンです。
でも、こういうシーンは王道。
「FF10」でも「聖なる泉」のシーンも水の中。
あの二人のラブシーンは美しかったです。BGMにも泣きました。

ターザンのずっと哀し気な顔ばかり描いててつらかったからうんと幸せそうな姿描くのもいいかな、って。
弓を構えた時の彼は描いてて泣けた。
幸せなとこ描きたかった。

何をしても二人だと楽しいのだろうな、って感じです。
はいはい、もうスキにしてくださいって感じで描いてます。

結局、ジェーンは文明や文化ではなく本能のままを選んだということ。
彼の背景ではなく彼そのものを求めた。

ターザンはひな鳥のすりこみみたいに「最初に見たもの」をずっと好きになってたってことかな。
じゃ、わたしがあの浜にあらわれたら?

うーん。ドウダロ。

彼は子ども時代、仲間の類人猿の顔が素敵で自分の高貴な顔が醜いと感じたわけで美醜がかなり歪んでるはず。
だけどジェーンを美しいと感じ、一目惚れ。
これは浜の小屋のたくさんの本から得た知識でジェーンは可愛い、と感じたのだろうか。

でも、もしターザンが高貴な顔をした美貌を持っていなかったらジェーンは彼を好きになってないはず。
男前は得するものだ。
オルガも踊り子もラーもみんなこの男前にやられてしまってる。
もちろん彼の内面にある精神や勇気ある男らしい行動、にも。
そして彼の慣れない文明社会でのぎこちない何かが女心をくすぐったのカモ。
もちろんわたしも、です。

Return Of Tarzan 9

2009年08月17日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
海岸への旅は何日もかかった。
歩きやすい所は太古の昔彼らの先祖がそうしたように密林の大きな木のアーチの下を手をつないで歩いた。
密林の中は彼が彼女を軽々と抱いてわたった。
彼らはこの上もなく幸福だった。


クレイトンのことがなかったら彼らは永遠にこの旅を続けていたかった。
浜に近づくとワジリの戦士たちと出会った。
彼らは彼らの族長をずっと探していたという。
ジェーンがターザンの女だと知るとこぞって挨拶をするのだった。

*彼らにとってこれがきっと蜜月旅行。
こんな感じでゆっくりと仲よくジャングルを旅したのだろう、と想像。
小さな滝の泉のほとりで水浴びして遊んだりして。

二人が初めて逢ってからすでにおよそ2年。
ターザンと出会ったあの時、ジェーンたち一行はあのジャングルで数ヶ月過ごしたもよう。
そして別れ。
ジェーンのあとを追ってアメリカまでいくのに半年ぐらいかかったか、あるいはもっと。
ジェーンと駅で別れてパリへ戻り、パリで数ヶ月。

文明の社会でたくさんのことを経験。
ダルノーは「きみは素直過ぎて無防備だ」と心配する。
ターザンは自分が人をだましたりすることがないから他人もそうだと思っているし、少なくともジャングルでは相手をだます必要がなかった。
文明社会の恐ろしさを知る事にもなって時々故郷のジャングルを思うことも。
ジャングルには生と死しかないけど、そのほうが優しい。

パリを離れた時はジャングルを出てすでに1年以上経ってるかも。
そして北アフリカで数ヶ月。
故郷のジャングルに戻って数ヶ月。
亡父の小屋に戻った時「2年前、ダルノーと出ていった時」とあるのでかなり時間は経っている。

大陸間の移動手段が船しかない時代。
きっともどかしかっただろうけど、それ以上のものを知らないからそうでもないかも。
とくにターザンは時間に関してはないも同然の生き方をしてたし。

たった、1度の出逢いでずっと恋していられた二人。
駅で別れてから1年以上も会っていないのにずっと愛し続けていた。
ジェーンは彼が死んだと知らされてからもずっと想っていた。

純愛だ…
この時、ターザン推定22才。ジェーン21才。

Return Of Tarzan 8

2009年08月15日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
オパルの美女は一瞬目を見張った。
それからその目が絶望的な哀しみの表情にかき曇らされるとどっと涙がわいてきて彼女は冷たい石畳の上に泣き崩れた。

ターザンは意識のないジェーンを抱え、男たちからの追っ手をのがれ岩山へ向かう。
追っ手はやがてあきらめオパルへと帰っていった。

意識の回復しないジェーンをかかえ西へと向かった。
その日の遅く、ジェーンは意識が戻る。
恐怖で目をあけられなかった。
目をあけたらあのナイフが心臓に落ちて来るのか、それか今は死ぬ間際なのか、死んだ世界なのか。
恋人の死を知らされ、ヨットの遭難から続くつらい日々。奇怪な男たちに連れ去られてからの囚われの日々。
こわかった。
勇気を振り絞って目をあけた。

彼女は死んだ恋人の腕で緑のパラダイスを運ばれていた。
あんな恐ろしい日々の後にこんな幸福が訪れるわけがない。きっとここは死後の世界。
彼と逢えたなら死んでよかった。
「死んでよかった…」

ターザンはジェーンが意識を取戻したことに気付く。
「間に合ってよかった…」

「間に合うって…?
あたしたち死んでいるんでしょ」

ターザンは笑って彼女を小川のそばにおろす。
「おれたちは生きているさ」
「これが夢なら覚める前に…」

この腕の中でこのまま死んでいたい…

「これからどうしたい?」
「あたしはあなたとあなたの思うままにしたい」

だがターザンの頭にはクレイトンのことがあった。
「あたしたちはもう婚約もしてないの」
あのライオンに襲われた日のことを話す。
ジェーンはあれはターザンがしたことだと気付く。
「なぜ、あたしをおいていったの」

ターザンは自分が嫉妬に苦しんだことを話した。
パリの紳士がワジリの戦士になり、類人猿の群れに戻ったことなどを話した。

ジェーンはロコフから聞いていたことやパリの女性のことを聞く。
ターザンはパリでの出来事を隠すことなく話す。
「やはりロコフの話しは嘘だと思っていたわ」
「じゃ、おれのことを怒っていないんだね」

「オルガ・ド・クードってとても美しい人?」
ターザンは笑って軽くキスした。
「君の十分の一も美しくないよ」

*短い文明生活で、いつそんな気の利いたセリフを言えるようになったのか。
もてるはずだ。
この頃は彼は仏語、英語、アラビア語、アフリカの土着の言葉、オパルの言語などしゃべることができるようになっている。たいしたものだ。

Return Of Tarzan 7

2009年08月11日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
ライオンから奇跡的に救われてからしばらくして、ジェーンは奇怪な男たちによって攫われオパルへと連れていかれてしまう。

残されたクレイトンは自分の非力に苦悩する。
熱病にかかったロコフを卑劣な男だが人道的に看病をする。
が、治ったロコフは今度は熱病になったクレイトンを放置して北へ発っていった。

ジェーンはターザンの時と同じように生け贄として祭壇に捧げられた。
司祭長のナイフが彼女に迫る。
長い疲労と緊張ですでに限界だった。
彼女は意識が遠のいた。

クレイトンのあのようすではジェーンが安全でないことはわかっていた。
嫉妬や自己憐憫で愛する女を見殺しにしていいのか…
ターザンは葛藤する。
やはり海岸へいって二人を守ろう、そう決心した折り武者修行から帰ってきた若い雄が言う。
面白い集団を見たという。

「メスを捕まえて連れていってた。それは白くて毛がなかった。ターザンみたいに」
「それはいつだ」
「半月ぐらい前かな」
ターザンは無言で木に飛びのり疾風のようにオパルの廃墟へ向かった。


小柄で白くて毛のないメス、それはこの密林のどこを探してもジェーンしかいない。
奇怪な男たちが10日かかったオパルへの道を一昼夜、ぶっとおしで駆け抜けた。
恋人が捕われているか、または殺されているオパルへ急いだ。
殺されているなら復讐をしてやる。

前に偶然見つけた岩山から直接遺跡に通じている抜け穴にはいる。
井戸から聞こえる生け贄を捧げる歌。
間に合うのか。

彼は井戸をのぼり、祭壇のある部屋へと向かう。
まさに祭壇の女の胸にナイフがおろされようとしていた。
祭壇の女の顔を見た時、額の古傷が真っ赤に燃えた.
彼は類人猿の凄まじい怒号をあげ、司祭たちの中に突っ込んだ。
ラーはその怒号に驚き手を止めた。
男たちをはねとばしながら祭壇へ突進し、祭壇の女を抱え上げる。

ラーは驚く。こつ然と消えたあの男が再び突然現れ祭壇の生け贄を抱えている。
彼女はターザンがあの部屋から消えたのが不思議だった。
彼女は彼をひとりの男として見ていた。
ラーは神のお告げだとし、彼を夫としようとしていたのだった。

「そこをどけ、ラー!」

気を失った女をさしてラーは尋ねた。
「その女は誰なの?」

「おれの女だ」
猿人ターザンは言った。

Return Of Tarzan 6

2009年08月08日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
岩山へ抜けたターザンはワジリの戦士たちをみつけ、宝物庫に忍び込み黄金や宝石を運び出させた。

類人猿の広場に宝物を埋めたターザンは父の小屋付近にいた。
彼の鋭敏な嗅覚はライオンと白人をキャッチする。
かけつけてみると男女の白人をライオンが狙っていた。

男は頭をかかえてうずくまり後ろ向きの女は祈っていた。
時間はなかった。
彼は槍を後ろに構えるとライオンに向けて投げつけた。

女が顔をあげた。
それは彼の愛する女だった。
まさか、こんなところに…
男がジェーンを抱き寄せようとする。

ターザンはカッと血が逆上するのを感じた。
ターコズにやられた額の古傷が怒りで赤く燃える。
野生の世界では自分の女が他の男の腕の中にあったらやるべきことはひとつ。
凄まじい形相で彼は矢をつがえると弓を引き絞り男の心臓を狙った。

だが、矢は放たれなかった。矢の先端がゆっくりと下を向き、弦がゆるんだ。
燃えた額の古傷が消える。
がっくりとうなだれた彼はジャングルへ消えた。
まだ癒えぬ傷がまた深くえぐられた。
もう二度と人間と会いたくなかった。

自然の中にいだかれ、野獣のように耐え忍んで傷を癒したかった。
彼が育った類人猿の群れに戻るターザン。群れは再びターザンを主導者に選ぶ。
幸せではなかったが、満足した。
文明へ戻る意思はとっくに捨てていた。
類人猿として再出発し、類人猿として死のう…
彼はそう思うのだった。


*どこにも安住の地はなく、血統も捨て愛する女もあきらめひっそりと密林で生きていこうとする彼に胸が痛くなります。
テレビや映画のターザンはどこまでも明るく単純で片言しかしゃべらないイメージ。
原作の彼は博学でまた数カ国語をあやつる国際人。

そして小説の中では彼が苦しむ姿がよく見られるのです。
野獣の残酷さ、冷徹さを持ち、だがそれと血統の持つ高貴さと繊細さとの葛藤も彼の苦しみ。
生来の優しさは血統ではなく野生の中で身についたもの。
そういう彼をわたしは紹介したいのです。


でも、ターザンもなかなかヨクブカ…宝物盗んじゃうワケだ…

Return Of Tarzan 5

2009年08月06日 | *クロニクル(ターザンの絵物語)
高い岩山に囲まれた谷の底にある廃墟のような都。
太古より外界から閉ざされ時に忘れ去られたかのようだ。

ワジリの戦士たちとその都へと近づく。
戦士たちは見えない恐怖にひるむ。
ターザンは一人その廃墟の中をすすむ。
だが、突然彼は何者か達によって捉えらてしまう。

ジェーンが乗ったボートにはクレイトンとロコフ。
他のボートとははぐれてしまっていた。
折しも降った雨によってかれらは生返り浜辺に着く。
たった3人。
そこはターザンの小屋に近かったが密林は人を通さず何百マイルも離れているのと同じだった。
ロコフの卑劣さに耐えながらなんとか生延びる。
ターザンがジェーンの知り合いであることを知ったロコフは彼の悪口を吹聴する。

ある日、クレイトンとジェーンはライオンに襲われる。
ジェーンは最後の祈りを捧げ、クレイトンはひれ伏す。
だが、ライオンは襲ってこなかった。
ライオンには太い槍がささっていた。
クレイトンは助かったことを感謝し、ジェーンを抱き寄せる。
「やめて。あたしはあなたと結婚はできない。
かつてあたしを愛してくれた人はもう死んでしまったけど彼ほど勇敢で愛してくれる人はいなかった」

忘れ去られた太古の都「オパル」
そこは長い年月、外界から閉ざされ、男たちは退化がすすみ、女たちは白く美しかった。
太陽を神とし生け贄を捧げるのだった。
ターザンは石の祭壇にくくられていた。

オパルの司祭長ラー。
ターザンの心臓を切り裂くべく細身のナイフをかざす。
だが、仲間がもめる隙にターザンは縄を切り祭壇から逃れる。
その際、危険が迫っていたラーも助ける。

ラーは迷信で恐れられる開かずの間にターザンをかくまう。
彼女はこの突然現れた逞しく美しい白人の男を一目で愛してしまっていたのだった。

開かずの間のターザンは壁の異常に気付き抜け穴をみつける。
そして宝物庫にたどりつく。そこには燦然と輝く黄金や宝石。
その通路の途中にある井戸から脱出。
そこは降りて来た岩山への近道になっていた。

*このオパルのラーとは後の巻で、何度も絡むことになる。
ラーの窮地を救ったり、ラーの王座奪還を手伝ったりして優しいターザン。
ラーは逞しく優しい美貌のターザンをとても愛するのです。殺したいほど愛する。
「わたしを愛して、ターザン」と切ないぐらい彼女はターザンに迫るんですけど、彼は断固として手を出さないんです。
オルガの時はあっさりいっちゃったけど、学習したんですね。
愛人にすればと思っちゃいますけど。
どこにいってもモテモテだ…
このあたりから「ターザン」は秘境冒険もののシリーズが増えるのです。