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えありすの絵本・Another

ここはmyギャラリー…
わたし視点のDQ・FF…絵物語も……そして時々、イロイロ

赤色人少年

2009年09月21日 | *オペラ(スペオペの世界)
火星のすべての生命を維持する「人工大気工場」が停止。
バルスーム(火星のこと、地球はジャスーム)の危機を救ったわたしだが地球に戻っていた。
10年の後、愛しい妻を求めて再びバルスームにわたしは飛来した。

そこは邪神イサスの支配するイス河、ドール谷の死の世界。
ブラックパイレーツなる黒色人につかまる。
彼らはアドニスも羨むような眉目秀麗の人種。黒檀のような美しい色の肌を持つ。

彼らによって地中都市に連れていかれ幽閉された。
黒色人のゾダールは女神の怒りをかい、わたしと共に獄房に入れられる。

その獄房には先客がいた。
赤色人の少年。
その笑みは美しく、どこかで見たような気がした。
よく見ると赤色人より少し薄い肌の色をしている。

彼は単座飛空艇で探索に来たこの地でブラックパイレーツにつかまったという。
つかまる前の闘いぶりを、自分が生まれる前に死んだと聞く父に見せたかった、という。

「君のお父上は?」わたしはきいたがその時、看守が会話を遮った。

次、その少年と会ったのは月1度の闘技場での残酷な催しだった。
わたしと少年は剣を取り闘った。
彼はくちびるの端に不敵な笑みを浮かべ剣をふるう。

彼の闘いぶりはわたしに似ていた。わたしがその少年を好きになったのはそのせいだと思う。
血路を切り開くその横にはいつも赤色人少年の刃が煌めいていた。

わたしは、少年と仲間になった黒色人のゾダールと命がけの脱出を試みるのだった。

ゾダールは「そっちの坊や」の月例の闘技場でのイサスのお楽しみ会での闘いぶりがわたしに似ていると言う。
「師弟というか、親子のように」と。

やがてわれわれは奪った飛空艇を垂直に上に向け全速力を出した。
締まりかけるドームのシャフトをぎりぎりですりぬけ地上へと脱出した。
無事脱出できた時ゾダールが感激して言った。
「これはジョン・カーターならではで、余人にはできなかっただろう!」

それを聞いた赤色人少年は叫んだ。
「ジョン・カーターだって?!ぼくはその息子だ」

わたしの息子だと?!
なぜ彼の容貌と個性に惹かれたのかわかった。
彫りの深い目鼻立ちには彼の母親の類い稀なる美しさが充分にあらわれている。
しかしそれはきわめて男性的な美貌で灰色の目とその表情はまさに、わたしゆずりのものだ。

歓声をあげて彼はわたしに飛びつき、首っ玉にしがみついた。
息子をしっかりと抱き寄せた時、しばしわたしの目からは滂沱たる涙が溢れ出て、不覚にも喉をつまらせた…

「おまえのお母様はなんと呼んでいるんだね?」
「カーソリスです」

*第2巻「火星の女神イサス」でジョン・カーターは息子と知らず出会うのです。
話中に何度も彼の父親のことを聞くシーンがあるけどそのたび、何かで中断されるけどべたな展開だ。白い肌と黒い髪はバルスームにたったひとりしかいないのに母親から聞いていなかったわけじゃあるまいに。
それにしても安易な名付けだ。
みんな裸ってどうよ…(しかたないのです、そう書いてあるから)

タヴィア~わたしがみつけたプリンセス~

2009年09月14日 | *オペラ(スペオペの世界)
わたしはハストールのタン・ハドロン。
父はハストール軍の司令官(オドワール)。
母はガソールの王女。

ヘリウム皇帝(ジェダック)タルドス・モルスの軍に所属している士官(パドワール)だ。
わたしは恋をしている。
ヘリウムの大富豪トール・ハタンの娘のサノマ・トーラ。
本来なら彼女とお近づきになどなれない。
だが、大元帥のご息女ヘリウムのターラがガソールの王(ジェド)ガハンと結婚したため、わたしの母の姻戚関係でヘリウムの宮殿に出入りできる。

そこで出会った。
だが、彼女はパドワールの肩章のわたしには目もくれない。
高慢で美しい。
「皇后(ジェダラ)に望まれるほどのわたしがあなたと?」
わたしはその高慢ぶりに目がくらむ。高嶺の花だからこそ摘み取りたい。

恐ろしい兵器を開発したジャハール国のトウル・アクスターは火星全土を制服しようともくろんでいた。
その兵器をもってすれば大元帥ジョン・カーター率いるヘリウム軍さえひとたまりもないだろう。

そんなおりサノマ・トーラが誘拐された。
わたしは大元帥の命を受けジャハールの秘密兵器の謎をつきとめ、恋しいサノマ・トーラ奪還の旅に出た。

ジャハールで偶然、奴隷を解放。闇の中、連れて逃げることになった。
月明かりで少年だとわかった。
だが、よく見るとその少年は髪を短くし男性のかっこうをした女性だった。
ジャハール皇帝の目にとまった彼女は拒否し髪を切り男装し逃げようとしていたのだ。

彼女を相棒とし、冒険をすすめる。
常に誠実で心清い彼女の協力で何度すくわれたことだろう。
深い友情が結ばれた。
目視できない透明の飛行艇を手に入れ、わたしはジャハール皇帝の野望をうちくだき、恋しいサノマ・トーラを奪還。

サノマ・トーラはどこまでも美しく高慢だった。
たすけられた彼女はわたしに媚びた。

だが、すでにわたしは彼女への恋心はなくなっていた。
本当に愛しているのはこの奴隷の娘。
タヴィアだ。

「わたしを選ばないであの奴隷娘を選ぶとでも?ハストールのタン・ハドロン」
「取るに足らぬ奴隷の娘のほうが、トール・ハタンの娘のサノマ・トーラよりも望ましいのだ」
「ありえないことです」

わたしは命がけの冒険して土くれを手に入れようとして金では買えぬ宝石を手に入れた。
わたしがみつけたプリンセス。

「タヴィア、きみを愛しているよ。わたしのプリンセスと呼ばせてほしい」
「わたしくしが奴隷でも?」
「かまわない」
「…わたくしの族長さま…」

幼い頃、トジャナスからさらわれた彼女は母国の王女。
わたしがみつけたプリンセスは本当のプリンセスだった。

*火星シリーズ・第7巻「火星の秘密兵器」のお話です。
火星シリーズは物語で主人公がかわります。
ジョン・カーターの息子のヘリウムのカーソリスであったり、娘のヘリウムのターラ。この巻はハストールのタン・ハドロン。
ジョン・カーターが主人公としてまた登場すると「さすが真打ち」という感じ。

火星ではかなり誘拐や暗殺が激しく、労働力獲得のために多くの人が誘拐されるのは日常茶飯事。
王女であっても誘拐されると奴隷(身分というより労働者という感じ)に。

身分についてはけっこうやかましく、登場する女性たちは「やっぱりどこかの王女さま」だったり貴族のお姫さまだったり。
主人公になる男性は風来坊でも一兵卒でも構わなく、彼の男気が評価される、という感じです。
大国は皇帝(ジェダック)が大統領、王(ジェド)が州知事という地位でしょうか。
ヘリウムでいうならデジャー・ソリスの祖父がジェダック、父モルス・カジャックがジェド。多分日本でいうなら都知事ぐらいの力のあるジェドだと想像。
ジョン・カーターは大元帥という立場であるけど身分は王子。

このタヴィアはシリーズの女性の中でも好きです。
*レイヤー26枚。パソコン一発描き。

ヘリウムのカーソリス王子とプタースのスビア姫

2009年09月02日 | *オペラ(スペオペの世界)
*再び火星に飛来したジョン・カーター。
そこは彼の知らないイス河畔のドール谷。
火星の極楽と言われている場所。
だが、そこは邪神イサスの支配する死の世界。
美しい奴隷娘のスビアを救い出し、彼の不在中に生まれた息子カーソリスと、盟友タルス・タルカスと共にその邪悪な迷信を粉砕。

だが、ジョン・カーターの永遠の恋人デジャー・ソリスはスビアとデジャー・ソリスを憎む邪悪なホーリーサーンの娘ファイドールと共に太陽宮に閉じ込められる。
壮絶なる戦い。そして多くの国を救い祖国ヘリウムの危機を回避。

彼は愛する妻をその腕に取戻す。
彼のその活躍は同盟国すべてから賞賛をあびる。
彼は「大元帥」という国を越えての名誉ある地位を与えられる。
ここに火星の大元帥ジョン・カーターが誕生した。

2巻「火星の女神イサス」3巻「火星の大元帥」のお話です。

*カダブラの宮殿の庭園。(オカールの都市。新皇帝タルーの宮殿)
ジョン・カーターとデジャー・ソリスの息子、ヘリウムのカーソリス。
その横にはプタースのスビア姫。
貴石をしきつめた宮殿の庭園。空にはサリアとクルーロス。

文中より
~われわれ(ジョン・カーターとデジャー・ソリス)に先行したふたりの人影があった。
プタースのスビア姫とヘリウムのカーソリスである。
美少年の端麗な顔はその連れの美しい顔の上に低く傾いてる。
わたしは微笑してデジャー・ソリスを眺め自分のほうに引き寄せながらささやいた。
「かまわないじゃないか」
まったくだ。いっこうにかまわないではないか。
永遠の若さを誇るこの世界では年齢の差がいったいなんだというのだ~

スビア姫、実はとらわれの身になっていてジョン・カーターにたすけられるのだけど、同行するうちに彼を好きになる。
でもデジャー・ソリスの存在を知り諦める。
これは大団円後、庭園でのこと。
父親の次は息子か…(わたし談)。
って、スビア、どんだけ年上なんだろう。

「君が火星にきて美しい17才ほどの少女に恋したとしよう。だが彼女は17才かも知れないが700才かも知れないのだ」
という文があるし。

4巻「火星の幻兵団」ではスビアは政略結婚するはずが、誘拐される。
その誘拐の嫌疑がカーソリスにかかり彼が解決。
その中で二人は心通わせる。
カーソリスの活躍にスビアの政略結婚相手は婚約を解消し、カーソリスとの結婚を祝う。

お話の途中。
「本当はぼくが誘拐したかったほどだ」
というようなことを言うカーソリスにそんなことを言われても困るのに、と戸惑うスビア。
その冷たいような態度に彼はジョン・カーターがするように肩をすくめるシーンがある。

スビアは「なぜこの方はこういうお品のないことをするのかしら。きっと彼の体内に流れている地球人の血のせいだわ」ですって。

スビア姫は典型的な美形の赤色人。
カーソリスは微妙な色合い、だそう。

*パソコン一発描き。レイヤー45枚。シニソウでした。

「火星のプリンセス」3~アップで~

2009年08月29日 | *オペラ(スペオペの世界)
*ピクセルを落とすと解像度をあげても絵がぼやけるので大きめにバストアップ構図で。

*「わたしの王女」(ジョン・カーターの一人称は『わたし』)
「わたくしの族長さま」(デジャー・ソリスは『わたくし』)
この世界では愛する者どうしはこう呼ぶらしい。

デジャー・ソリスの祖父、ヘリウム皇帝タルドス・モルス。
そして父のヘリウムの王のモルス・カジャック。
二人は異邦人であるジョン・カーターをデジャー・ソリスの夫として王室にむかえるのだった。

緑色人のタルス・タルカスはその指導力と勇気で緑色人の皇帝になった。
ジョン・カーターの活躍で、他の国々との同盟も結ばれヘリウム帝国はますます栄えていく。

やがて彼らには子どもが産まれようとしていた。
宮殿に安置された金色の孵化器の彼らの卵が日々育ってるのを二人で手を取り合って見るのが喜びだった。

が、ある日突然、人工大気工場が停止。
地上の生き物すべてが死に絶えようとしていた。

彼は冒険の中でたまたま知り得た情報を思い出す。
薄い空気の中、彼は単座飛空艇で工場へと急ぐ。
最後に一瞥すると愛する女性は宮殿の中庭で倒れていた。
間に合うのか。

息苦しさに耐え、工場で機械を動かす指示をしたジョン・カーターはそのまま意識を失う。
気がついた場所は、地球。
火星に飛び立った時のあのアリゾナだった。

それから10年彼は地球にいた。
彼は毎夜、あの赤い星に、美しいプリンセスに、恋い焦がれる。
再び火星に飛来できる日は来るのか。
大気工場は無事動いたのだろうか。
彼の愛する女性は生きているのだろうか。
彼の子どもはどうなったのだろうか。

*ここまでが第1巻です。

「ターザン」からなんだか半裸ばっかり描いてるかんじ。
男性美、女性美。難しいしモデルはいないし。

人の身体は美しいと思う。アスリートの鍛え抜かれた肉体は美しい。
そして物語の中の勇敢な男たちも美しい。

「火星のプリンセス」2~表紙絵風~

2009年08月29日 | *オペラ(スペオペの世界)
*表紙絵っぽく。

背景は我々にはなじみ深い風景。
ヘリウムの双子都市。そびえる赤と黄色二つの塔、そしてサリアとクルーロス。
空にはヘリウムが誇る飛空艇軍団。
「戦艦は王女のみしるしの旗をあげた」
などいうくだりにはぞくぞく。(なかったらわたしの妄想です…)

*彼が地球から飛び来んでしまったのは緑色人族の中。
緑色人は地球人よりはるかに巨大で、4本の腕、飛び出た目、そして下あごから出る牙を持ち全身が緑色をしている。
8本足のソートと呼ばれる火星馬を駆り、日々闘いにあけくれている獰猛な種族。

捕虜になってしまったジョン・カーターは次々と強い戦士を倒すことになる。
緑色人の掟では倒した者の地位、財産、使用人などは勝った者のものになる。
ジョン・カーターは捕虜でありながら高い地位を得てしまうことになるのだ。
そんな中で緑色人タルス・タルカス(おそらく映画で重要なキャスト)とはぐくむ友情。

おりしも緑色人は赤色人の飛空艇を攻撃。乗組員を捕虜にする。
その捕虜の中の一人の女性がジョン・カーターを同胞と思い遠くから手振りで助けを求めるが、もとより地球人の彼にはそれが何を意味するかわからない。
彼女は落胆し彼を軽蔑する。

だが、不当な扱いを受けているのを見た瞬間、後先かまわずジョン・カーターは剣を持ち彼女を守るべく躍り出る。

その女性こそ彼が全身全霊をあげて愛することになる絶世の美女、ヘリウム王国の王女「デジャー・ソリス」。
美しい赤色の肌を持ち、黒い髪をなびかせ纏う薄衣と宝石。(目のやりばに困らんのか…ジョン・カーター)
次第にうちとける二人。
だが、地球人の彼はまた火星の風習を知らずに誇り高い彼女の怒りをかう。
一度はすれ違った心だが、命かけた逃亡の中で二人は愛を確かめあうことになる。
彼の快刀乱麻の活躍で彼女と彼女の祖国は救われるのだった。

*パソコン一発描き。
なんとレイヤー36枚。レイヤーに名前をつけても頭の中ぐちゃぐちゃ。デジャー・ソリスの服だけでも4枚。

「火星のプリンセス」

2009年08月28日 | *オペラ(スペオペの世界)
まずは、原作表紙絵のオマージュから。
パソコン一発描き。レイヤー28枚。

今度、映画化されるらしい。
配役やセリフ、雰囲気、ストーリー展開など映画になることについては触れない事にする。
なぜか、ってそれは「チガウ」から。
映画化されて「よかった」と思うようなモノは滅多にないものだ。
CGをふんだんに使い現代の特殊メイクの技術をもってすれば「まわり」は固められるかも知れない。
でも「チガウ」のだ。

昔から原作を知る者には苦々しい。
今からこの本を読もうとしても不可能だ。
すでに創元のこのシリーズはすでにない。
全巻持っているわたしとしては快感。

美しい武部本一郎の表紙絵と挿絵と原作。
これほど血沸き肉踊らせたものはない。

少ない挿絵と文章で作る自分だけの世界、イマジネーションの世界。
妄想の世界こそ醍醐味なのだ。
一部の人物(監督たち)のおしつけのイメージはごめんだ。

「火星のプリンセス」
原作は「ターザン」の作者。
これを知る人って少ないだろう。

「SF」ではない。
「スペオペ」なのだ。
スペースオペラ。
つまり「宇宙活劇」

単純だ。
主人公の屈強なハンサムな男性が単身適地にのりこみ、略奪された美しい恋人もしくは妻をその肉体一つでとりもどし、さらに国と国との友好関係をとりもち人々の絶賛を浴びる。
やがてその主人公はその世界でその名を知らぬ者はいないほどの人物になり、高い地位を得、活躍する、という話し。

その人物がまさに「ジョン・カーター」
地球人。
ファンタジーなので「なんで?」はナシだ。

彼はバージニア出身の南部軍の軍人。
「永遠の30才ぐらいの青年」
ある夜、彼は火星に飛来してしまう。
そこは赤色人、緑色人、黒色人、黄色人、白色人たちがそれぞれ城壁で囲まれた国を造り、好戦的な性格の彼らは日々戦いに明け暮れている。
さらに怪物のような生き物たちが闊歩する不思議な世界。
薄い大気のせいで空にぽっかりと浮かぶ火星の二つの衛星「サリアとクルーロス」(地球名はフォボスとダイモス)。

人工大気、ラジウム光線ピストル、飛空艇、ありとあらゆる科学が発達している世界なのに一対一で闘う時は戦士らしく剣のみ、という。
科学的でありながら迷信や信仰心も持つ。

卵生で寿命は長く不死に近いらしい。
卵からかえった時はほぼ成人に近く、またいつまでもその風貌をとどめるので老人という年代をほぼ見ない。
その前に戦いで死ぬことが多いのが理由でもある。
いたとしたらそれはかなりの年齢だという。

女性は美しくその肢体を隠すことなく少ない衣装と宝石をちりばめた装身具を纏うのみ。
男性は男らしい風貌で少ない鎧と剣を帯びる。

ジョン・カーターは軽い重力と元より備わった勇気と知恵でその世界で逞しく生きていくことになるのだった。

*略して「カセプリ」なんて言ったらこのわたしがショーチせんぞ~