楓荘日記

米女優サンドラ・ブロックの情報を中心に、洋画、日米ドラマ、本など、思いつくまま書いていきます。

自分であれ

2012-01-05 22:34:19 | サンドラ・ブロック

 2009年~2010年はサンディーのとって、間違いなくキャリア最高の年でした。アカデミー賞ノミネートが発表になった直前、サンタ・バーバラ国際映画祭でサンディーは表彰され、2時間ほどのQ&Aのあとで、フォレスト・ウィテカーからコメントをもらいました。美しい詩のようだと称賛されたフォレストのコメント部分はまだ見つかりませんが、2年たって、ようやく映画祭がサンディーのスピーチをYouTubeに投稿。当時のことを思い出しながら聞くと、思わず泣きそうになってしまうようないいスピーチです。今は時間がないのですが、近日中に要約を追加しようと思っています。記事のタイトルは、サンディーがスピーチの中で引用した詩から。

ちなみに、そのときの記事はこちら。

http://blog.goo.ne.jp/serenity27/e/03d0d46e769e582ce15679ab77d77bc4

受賞スピーチ


★[受賞スピーチ和訳 → 聞き取れない部分、不正確な部分もあることをお許しください。]

 フォレストのスピーチは詩を聴いてるみたいでした。彼が口を開けた瞬間から、皆さんも聴き入っていましたね。この数か月、私にとってとにかく圧倒される感じで、身の置き所がない感じがしています。こういう注目のされ方に慣れていないので。今日この場に来て、どうすれば皆さんを楽しませられるか、インスピレーションになるようなことはないか、気の利いたことは言えないかと考えましたが、何もないことに気づきました。(笑) ひどい話ですよね。ギャラもらってきてるのに何もオファーできないなんて・・・、あ、ギャラはもらってないんだった。(笑) 

 もちろん愛することだからこうしているんです。ここにいらっしゃる皆さんも映画を愛している。すばらしいインタビューでしたし・・・。ちょっと恥ずかしいこともありましたが。私は成長し続けることを許され、自分が何を貢献できるかをいつも考えてきました。こんな私の一部、大したものはありませんが、このすばらしい"ダンス”の中で自分を維持しようと努力してます。

 今夜は、私のベッドサイドにいつも置いている紙を持ってきました。自分を見失っていると感じたとき、苛立っているとき、いるべき道から外れているようなとき、私はこれを読むことにしているのです。(アメリカの詩人、劇作家、画家)E・E・カミングスの言葉です。自分に原点を思い出させるための言葉ですが、俳優なら誰にでも当てはまると思います。ここにいる皆さんもアーティストだと思いますし。その言葉は・・・

 To be nobody but yourself in a world which is doing its best night and day to make you everybody else, means to fight hardest battle which any human beings can fight, and never stop fighting.

(夜も昼も、全力で自分を見失わせようとしているこの世の中で自分であり続けることは、人間の戦いの中でもっとも過酷な戦いに挑み、決してあきらめないことを意味する。)

 もちろん、世の中にはもっと大きな戦いがありますが、このエンターテインメントという私たちの小さな世界でも自分を忘れてはいけないのです。批評家やほかの人から何と言われようと。彼らの関心が「そのドレスはどのデザイナーの?」とか「誰と寝てるの?」とか、女性の年齢のことであったりしても・・・。(小声で)ところで私は28歳(笑)。あと12年はこのビジネスでやっていける28歳。

 誰が何を言おうと、何を聞こうと、そんなことは重要ではないのです。2007年にこの場で話したこと(フォレスト・ウィテカーのトリビュートのプレゼンターを務めたとき)をもう一度話したいと思います。なぜこの仕事を私が愛しているか。フォレストと一緒に作った「微笑みをもう一度」の撮影で、予定していたシーンが雨のために撮影できず、その代わりに、心情的にいちばん難しいシーンを撮ることになったのです。それは、トイレの便器にしがみついて嘆き悲しむシーンでした。私はパニックでした。どうすればいいのか分からなかった。

 フォレストは、その映画の撮影に入るときにこんなことを言ったのです。「この女性がどう呼吸するかを考えて。どんなエネルギーかを」と。そのときは私は、「この監督、何言ってんだろ」と分からなかった。でも、リズムとかエネルギーとか、次第にフォレストの意図が分かり始めていたのです。そしてその日、私がパニックになっているのに、彼はどこかにいなくなってしまいました。彼がどこにいるのか分からず、自分の頭の中がぐしゃぐしゃになりながらも、撮影の準備をしていたら、彼がしずかに姿を現し、バスルームに私と一緒に座り込み、ふたりだけにしてくれとスタッフに言いました。彼は、「さあ、ふたりだけになった。便器に頭をのせてごらん。マイクを便器に付け、君の呼吸を聴く。その呼吸で、君がバーディーの心境になりきり、準備ができたと感じたら、「始め」と言う。それまでカメラは回さない」。そしてフォレストと私、ふたりのアーティストがしばらくの間、脅えながらも、自分たちがいるべき場所に行けるように助け合ったのです。あの静けさ、あの息遣い、あのサポート、そういったものが私にこう思わせました。こういう瞬間が5年に一度でも、いえ、10年に一度でも持てるなら、この仕事でいろいろな壁を乗り越えていく価値があると。

 すべては巡り巡ってくるものです。今日、私はここでまたフォレストと同じステージに立っています。彼が口を開けば、みんなが耳を傾ける。あの日、あのセットでもそうでした。私は失敗を許してくれるこの仕事を続けられることが本当に幸運だと思っています。 その失敗のいくつかはさっきご覧になりましたよね(笑) すばらしい共演者や監督から学ぶことができ、こういう場さえ与えてもらえる幸運・・・これはパニックになりますけど。どうすればいいのか分からないので、だからベッドサイドからこんな引用を書いた紙をつかんできたんですが。

 これは私にとってほんとうに光栄なことです。今夜は皆さんのご厚意をひしひしと感じています。皆さんの半分ぐらいは結婚式にいらしてたと思いますけど(笑/サンタバーバラはサンディーが結婚式をおこなった街)。

 ほんとうにありがとうございます。(モデレーターのピート・ハモンドに対し)あなたはいつも親切にしてくださる。どうしていいか分からないほどですけど、感謝しています。そして映画祭主催者の皆さん、記念すべき25周年に私を招いてくださってありがとうございます。すごくうれしい。それからフォレスト。あなたがどうやって自分の“呼吸”を見つけるのか分からない。あなたは何をするにもすごく優しくて、品があって、威厳があって、粘りがあって、献身的。一緒に仕事をしたときにあなたがああいうふうに私の面倒を見てくれたことは、ずっと私の心から消えることはありません。あなたがいない場所で壁にぶつかったとき、あのときのことを思い出すと、切り抜けられたことも多いの。どの人間もどのキャラクターも息遣いが違うこと、どうやって人生を乗り切るか、危機を脱するか。そういうことをあなたに教わったから、私は(「しあわせの隠れ場所」の)リー・アンと出会えたのです。コメディでもドラマでも同じことで、大事なのは呼吸だということ。そのことを教えてくれたあなたに感謝してます。そして今夜、美しい奥様と一緒に私のために来てくれてありがとう。

 皆さん、今夜は来てくださってありがとうございました。すごく楽しかった。私も皆さんを少しは楽しませられたならいいんですけど。

Q&Aの一部 「あなムコ」と「しあわせの隠れ場所」について語っています。




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