楓荘日記

米女優サンドラ・ブロックの情報を中心に、洋画、日米ドラマ、本など、思いつくまま書いていきます。

「これはまぐれ」

2010-01-26 18:21:13 | サンドラ・ブロック

 米映画俳優組合(SAG)は、12万人ほどの俳優が加入しているそうですが、その大部分が実際には俳優としては食べていけない人たちのようです。また、この12万という数のいったい何割が投票しているのかは明らかではありません。ところで、私はこれまでずっと「エス・エー・ジー」と呼んでいましたが、「サグ」なんだ、ということを今回知りました。

 第16回米映画俳優組合賞の受賞者リストはこちら:http://www.sagawards.org/nominations

 そして、サンドラ・ブロックは今回も主演女優賞に輝きました。トロフィーを渡してくれたのは、母校の先輩(らしい)ウォーレン・ビーティ。以下は記者会見の映像です。

 

 

<!-- SAG 2010 Press Conference -->

 今回、サンディーは、生涯功労賞を受賞した88歳の大ベテラン、「あなたは私の婿になる」で共演したベティ・ホワイトへのプレゼンターも務めました。映画の中と同じく、バストタッチを試みるベティ(笑)。これだけのご高齢の女優さんというと、日本では森光子さんを思い出しますが、森さんが舞台上以外では年齢的な衰えがはっきりしているのに対し、ベティはあと30年ぐらいは軽くやれるんじゃないかと思えるほどの元気ぶりです。

   

 さて、今回も主演女優賞はメリル・ストリープか、サンディーか、という予測がほとんどでした。26年間無冠に終わっているオスカーと違い、メリルは昨年SAGを受賞(「ダウト」)していることもあって、今回はサンディー有利の声もかなりあったようです。映像を見る限り、サンディーはゴールデングローブ賞のときよりもリラックスしていた感じで、おそらく、生涯功労賞のプレゼンターが終わってほっとしていたことと、本人があとで言っていたように、メリルが獲ると思っていたのではないでしょうか。名前を呼ばれた瞬間、ほんとうに驚いていた様子でした。このとき、放送禁止用語を口にしたそうで、近くにいたキーラ・セジウィック(「バイバイ、ママ」ではキーラの実の娘さんとキス)から、ダメ出しがあったそうです。

<!-- SAG 2010 interview -->

 ステージに向かうサンディーを笑顔で迎えるニコール・キッドマン&キース・アーバン夫妻。そして、喜びの受賞スピーチ。

 

 受賞スピーチのテキストはこちら:http://www.sagawards.org/16_awards_accept

 受賞発表後に、いろいろな記事を読みましたが、残念ながら、大方の論調は、「5人の候補者の中ではいちばん弱い演技だった」「受賞に値しない」というものでした。映画記者だと思われる男性は、別の作品の試写会でSAGメンバーのこういう会話を耳にしたそうです。
 「私はサンドラに投票するつもりだよ。実はまだ映画を見ていないんだが、彼女は長くやってきているし、ずっとそれなりによかった。少なくとも、ポッと出てきて、運よく『プレシャス』なんかに出演できた女優とは違う」
 この記事を書いた記者は、非常に反サンディー(というか、サンディーの受賞に反対)的で、ブログのバナーに、“DON'T VOTE FOR SANDRA BULLOCK”とまで掲げている嫌な奴ですが、この話はなるほどと思えました。
 同じ俳優仲間である以上、客観的にならなければならない場合であっても、私情が入ってくるのは仕方のないことで、海のものとも山のものとも分からないガボレイ・シディビーの熱演と比べると弱く見えたとしても、これまでなかなか認められず、ようやくチャンスがめぐってきたサンディーに肩入れしたくなるのかもしれません。それがいいことだとは思いませんが、俳優組合賞という性質上、そういう「頑張ったで賞」的な得票も多かったのかもしれませんね。
 
 また、授賞発表前に読んだ記事では、ベテラン女優さんたちが数多く集まっていた何かのパーティーの席では、女優はある年齢を超えると、いい役がないという嘆きの声とともに、メリル・ストリープとサンディーの実績に対して称賛の声があがっていたと書かれていました。これを読んだときにも、サンディーには追い風が吹いているんだなあと感じました。そういうベテラン女優たちの目から見ても、やはり20代の女優に比べると、難しい年齢であっても興行的な成功を達成できることを証明したサンディーに投票したくなるのも人情というものでしょう。
 
 なんだかサンディーの受賞を否定しているような書き方になってしまいましたが、決してそうではなく、ただ、前も書いたように、ブームになっていることは確かだと思います。ファンとしては、「受賞の資格はない」などというコメントを読むのはちょっとつらいものです。とはいえ、おそらく、2009年の女優の演技としては、誰にも文句は言わせない的な抜きんでたものがなかったんでしょうね。助演女優賞部門のモニーク(「プレシャス」)のような強力な候補者がいれば、いくらブームになったとしても、サンディーが目立つ賞を総なめにするという展開にはならなかったはず。
 
 ということで、来週2日はいよいよアカデミー賞ノミネートの発表です。ノミネート投票は23日に締め切られています。ノミネート者は、メリル・ストリープ、キャリー・マリガン、ガボレイ・シディビー、サンドラ・ブロックの4人は確実で、あとの1人が、ヘレン・ミレンかエミリー・ブラントか、もしかしたら、別の誰かか、という予想がほとんどのようです。さらに、ここでも、受賞者はメリルかサンディーかに絞られている様子。俳優部門のほかの3部門の受賞者がほぼ間違いない(ジェフ・ブリッジス、クリストファー・ヴァルト、モニーク)なかで、主演女優賞だけはふたを開けなければ分からないということで、いちばん注目を集めているらしいです。とりあえず、ノミネート発表を楽しみに待つことにします。
 
 それから、別の意味で楽しみなのは、その前日1日のラジー賞ノミネート発表!
 
 最後に、また受賞記念の写真をいろいろ。2006年のSAGのときは、いろんな俳優さんとの写真があったのですが、今回はそういう写真が見当たらず、残念です。
 
 レッドカーペット。どこかのサイトで、サンディーのドレスの肩の部分のデザインを「フィギュアスケーターの衣装っぽい」と言っていて、思わず、「なるほど!」と思いました(苦笑)。少しやせましたかね~。このアップの髪型はかなり若く見えると思います。
 
 
 祈願・モーガン・フリーマンとの共演!
  

 「失踪」でサンディーを生き埋めにしたジェフ・ブリッジス。共演したことをすっかり忘れていました。ベティ・ホワイトとの写真は好きな1枚。

 

 記者会見にて。

 

  全然関係ありませんが、数時間前からサンディー&ジェシーの愛犬が迷子になってしまったらしいです。ジェシーがツイッターで、見つけたら連絡を!と呼びかけていました。早く見つかるといいのですが。

 


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4 コメント

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いい記事! (104)
2010-01-26 21:21:53
うーん。
なんていい記事なんでしょうか。
知りたいこと感じたことのすべてが簡潔にまとめられてますね

サンディの一つ目のインタビュー動画。
久しぶりにサンディが答えに困るというか考えている質問がありましたね。
アレなんて聞かれたんだろう。。。私の英語力じゃわかりませんでした(笑)

それにしてもサンディの受賞に対する評価。
まさに私もその通りかなぁって思います。
作品や役柄的にわかりやすく情熱的な見せ場は少ない気もしますが、弱いというのはわかる気がします。(見てない作品ばかりだけれど)
ガボーレイもキャリーも若手。
メリルもヘレンもベテラン。
エミリーはノミネート経験あり。
サンディはなにやら功労賞的な空気が。。。
私としてはサンディがオスカーノミネートだけで終わって、未来の作品でもっとぎゃふんと言わせるような役柄をやって欲しいと強く思います。
オスカーの為の映画作りは好きではないけれど、ファンとしては目標の一つですからね。

ちなみにノミネートされた俳優が紹介される時に短いクリップが映し出されることが多いんですけど、もっといいシーンはないんでしょうかね?マイケルにフィールドで指導して颯爽と帰るシーンがいいなぁ。
あ、オスカーはそういう展開じゃないかもしれ安宣がね。
そういえばノミネートされた俳優の友人がプレゼンターとかいう噂。
それ・・・どうかなぁ。

※ジェフと抱き合う写真を見て完全に「失踪」のダイアンを思い出しましたよ。
キーファーの車に逃げろーーーってね(笑)
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104さんへ ()
2010-01-26 22:29:30
コメントありがとうございます。

サンディーのインタビューの中で答えを考えていた質問というと、"bucket list"の質問ですかね? いわゆる「(死ぬまでに)やりたいことリスト」のところでしょうか。

私も今回はノミネーションだけで、今後、誰にも文句をつけさせないような演技で賞を獲ってほしいです。
サンディーの場合、家庭を大事にするあまり、そのうち引退するんじゃないかと心配になったりしますが、これからも頑張る、みたいに言っていたので、メリルやヘレン・ミレンの年ぐらいまで頑張れば、きっとまたいい作品にめぐり逢えるかと。

紹介のクリップ、私も104さんと同じシーンがよかった。
あるいは、マイケルに部屋を整えてあげているシーン。あのシーンのサンディーの感情を抑えた演技は思わず泣けてきます。

プレゼンターは、去年の男優賞が2人とも出席していなかった(というか、1人はヒース・レジャー)のですが、通常なら、前年度の受賞者ですよね。

私は「失踪」のことをすっかり忘れていて、GG賞のときに、ジェフがステージに上がる前のサンディーを立って迎えて祝福していたのを見て、「なんていい人なんだろう」と思っていました(笑)。
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こんにちは (紅。)
2010-01-31 20:25:06
はじめまして。コミュから来させて戴きました。

凄く沢山の情報を目にしてらして、私なんかでは知り得ない事ばかりでした(-_-;)
サンドラ・ブロックは大好きですが、彼女を取り巻く事情等に目を向けた事は少なかったので、なんだかとても新鮮でした。

衣装の話には、あ!なるほど。と確かに思いました(笑)色んな見方をする人が居るものですね。

長々とお邪魔致しました。
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紅。さんへ ()
2010-01-31 21:56:33
お越しいただき、コメントまでしてくださってありがとうございます。

独断と偏見に満ちたブログですが、よかったらまた遊びにきてください。
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