過日、8月9日、宝塚大劇場月組公演が千秋楽を迎えました。
彩輝直@さえちゃんのトップお披露目公演であると同時に、娘役トップ・映美くらら@エミクラの退団公演でもあります。
万里の長城の~ゆ~め~を~見た~♪(月組観劇記)①
僕と一緒に真夜中のパーティーに行きませんか?(月組観劇記)②
読了推奨。
◆千秋楽の公演も熱く熱く。
千秋楽は、さすがに真面目なお芝居なのでアドリブはありませんでした。
しかし、全員の気迫が凄い。鎌足@あさこちゃんは、怖さを増し、軽皇子@かしげちゃん、
石川麻呂@ゆうひちゃんも運命に翻弄される人間の苦悩をよく演じていました。
そして、瑪瑙@エミクラちゃん。
本当に泣き方が凄まじい。蘇我入鹿が殺された後のわーーーーっと泣き伏す姿が可憐で悲しげです。
後ろで、古人皇子がその姿を見て震えてますから注目。
ショーはね、ただでさえ明るい陽気なショーなのに、アドリブも最後の意気込みがこもっていました。
前の記事でも書いたのですが、かしげちゃん@フェロが仲間の妖精たちと体を鍛えるシーンで嘉月絵理さんがアドリブをするんですね。
今回は、「宝塚観てるんだから邪魔しないで!」という風に、オタク系宝塚ファンに扮して登場。
「あの唐津(自分の役)やってた人格好いいわよね~♪」
会場大ウケ。
最後に「うるさい!」と叫びながら妖精たちを追い回すところでは、かしげちゃんの足を捕まえ引き摺り下ろして、
嘉月「あ、あなたもしや嘉月絵理さん?!」
かしげ「映美くららです♪」
嘉月「っありえないっっ!!(公演プログラムで暴打!)」
ああ、笑った。
他にも真夜中のパーティーでは、あさこちゃんが紳士を誘ったり、ちょっと戻ると、かしげちゃんが体を鍛えるシーンで、「ラスト一回頑張るぞ!」って叫んだり。
そして感動的だったのはオバタラ役の夏河ゆら組長。
いつもはアドリブし放題で、爆笑させてくれるのですが、そのシーンでそっとエミクラちゃんを抱きしめ静かに去っていかれました。
…泣きそう。それだけでもグッとくるのに、
エミクラちゃんの台詞、芝居仕立てのショーなので決められた台詞ではあるのですが、
「……さよなら。……ポノポ……!」
その一言に、全てが込められていると見ている側は受け取りました。
東京公演があるとは言え、大劇場はこれが最後ですから、舞台のすべてを、体全体で確認しながら演じるエミクラちゃんの姿は、可憐で美しかったです。
そして、ポノポ@さえちゃんとマリア@エミクラ再会の時。
さえちゃんは、本気でエミクラちゃんを抱きしめていました。
ちょっと、泣けた。
この人は、本当に愛情のある人だなぁ…。
◆涙はよして。夕闇に消えたさよなら。(サヨナラショー)
ショーのフィナーレが、ノリノリで終わり引き続きにサヨナラショーです。
準備が整うまで、組長のゆらさんが今回の公演のことを語ります。
知らなかったのですが、
特別出演組のことを語る際、
「あさこちゃん、かしげくん、そしてゆうひが大きな影響を…。」
あれ?と思った会場、かすかに笑う。ゆらさん笑いつつ、
「あさこちゃんは、あさこ『ちゃん』なんですよー。かしげくんはかしげ『くん』なんですよー。そう、あさこ『ちゃん』、かしげ『くん』と同期のゆうひが、活気を吹き込んでくれたような気がします…」
分かるよ、皆さん。あさこちゃんは普段男くさい雰囲気ですしね。
本当は甘えっ子さんなのです。で、かしげちゃんは、中性的な雰囲気だけど実はガラッパチ(笑)、男っぽいので『くん』付けなんでしょう。
さて、ゆらさんがひとしきり喋ったのに、準備がまだのようです。
「さて、ショーの準備が整って………無い、みたいです(笑)」
ゆらさん漫談ショー開催。
「普段ね、音楽が鳴ってると早変わりも出来るんですけど、こういう時はどーも3分、4分かかるというか…。」
…ごめんなさい、その後内容ほとんど覚えてません(汗)
もう一回、「準備出来て……ない(笑)」をやった後、サヨナラショーが始まりました。
幕が上がると、大階段の中央に「ジャワの踊り子」の扮装をした、さえちゃんとエミクラちゃんが座って、互いをかばい合うよう抱き合ってます。
観に行ったことは無いですが、「ジャワの踊り子」主題歌をデュエット。
エミクラちゃんの髪飾りを、バサっと外して髪の毛を解き、また髪飾りを口にくわえて踊ってましたよ、さえちゃん。
二人がはけると、主要娘役数人(紫城るいちゃん、城咲あいちゃんとか)が「エーデルワイス」を歌います。
あ、紫吹淳@りかちゃんがトップだった頃のショー、「with a song in my heart」(だったかしら…すいません)の挿入歌だったので。
しかし、さっきまで黒塗りのショーだったから、ピンクの衣装が可哀相なくらい浮いてる…。黒塗りは大変だ。
そこへ早変わりした、エミクラ嬢が白いドレスで現れます。
彼女は白塗りなので、綺麗。エーデルワイスを娘役たちに囲まれ歌いました。
娘役たちははけ、エミクラ一人。
大階段は、光で「KURARA」の文字を浮かび上がらせる。
そこへゆうひちゃんが登場して、二人で「花の業平」の主題歌を。
エミクラちゃん、星組時代の新人公演ヒロインの作品なんだけど、おぼろげにしか覚えて無かったです。
(新人公演:大劇場で行われる通常の公演を本公演と呼ぶ。それに対し、研究生7年までのタカラジェンヌ、つまり若手のみで一公演のみ、本公演と同じ演目、多くは芝居のみを演じること。抜擢も多い。)
いい、デュエットでしたよ。でもゆうひちゃん、「業平」知らないのに大変だな…。
そして、エミクラ嬢のソロ。彼女のトップ就任作品「大海賊」の歌。
まるで一つ一つの思い出を探るように、舞台に立っている姿。
すると、北翔海莉率いる、若手男役グループが登場。
ミュージカル「ガイズアンドドールズ」の「私がベルなら」を歌います。
エミクラちゃんは、彼ら(笑)と絡みながら可愛く歌います。
あれ…?さららん@月船さららは?
と、思うと出てきました!若手が去った後、一人で。
エミクラちゃんをリードするように、同じく「ガイズ~」の「初めての恋」をデュエットしました。……いい!穏やかなカップル。
ちなみに新人公演で、さららんは主役のスカイを演じたんだよなぁ…成長したなぁ。
さららんが静かに去ると、りかちゃん退団作品「薔薇の封印」の曲を穏やかな目のまま歌う彼女。
えっと、曲名は忘れたんですが…「私のヴァンパイア」だったと思います。
可愛くていい歌ですよ。「私のヴァンパイアはシャイな人~♪」
そして、銀橋(エプロンステージ)で、14歳の女の子を演じた「長い春の果てに」の歌を歌います。「世界で一番好きな人」だったかな?
可愛いの!!凄く可愛いの!「世界で一番好きな人の目の中に私がいるの 幸せな気分」
余韻を残して舞台から去るエミクラ嬢。
…すると、大階段の上に二人の影。
あさこちゃんとかしげちゃんです。
「オ~レレ~オ~ララ~♪」
あ、「ノバボサノバ」だ。エミクラの初舞台公演だ!
…でも雪組のかしげちゃんは「ノバ~」に出演してたけど、あさこちゃん、知らないよね。
大変だな…。楽しそうに歌う二人。
すると、何か不協和音が。
あ…さえちゃん登場。さえちゃんも知らないのになぁ、「ノバ~」。
おや、わらわらと組子たちが集まってきたよ?
大階段の上から、エミクラ嬢登場。みんな優しい顔で迎えます。
全員、タキシードと白いドレスで「長い春~」の「栄光」(超感動の曲)を歌い始めました。
あ~思い出の曲ですもんね。
彼女は、舞台の隅々を網膜に、体に焼き付けるように、舞台を歩いていきます。
って言うか、知らないのにあさこちゃんもかしげちゃんもソロ貰ってるよ!
あんたら、出てないでしょうが!!しかも何気に巧いし!
「長い春~」は機会があったら観てください。
お約束の部分もあるけど、元がフランス映画ですので雰囲気が良くて面白いですよ。
私は好き。
全員で歌い上げて、感動的に終了。
…彼女は綺麗だった。
◆さよなら宝塚とともに。(最後の挨拶)
幕が下り、再び組長、幕前に登場。
エミクラちゃんの歴史を語ります。
「くららちゃんは一度、たった一度だけ『どうやったらいいか分からない』と涙を見せたことがあります…。(略)月組のみんながお稽古大好きの組になれたのも、くららちゃんが一生懸命お稽古する姿のおかげです…。」
組長、カンペすら見ずにエミクラちゃんの初舞台からのことを語るのが、すごいと思いました。退団者が一人だけと言うこともありますが大抵、どこの組もカンペノート(?)を読んでるんですよ。
話を終え、「さてそろそろ、準備が出来…てないようです(笑)」
会場笑い。
「着物の着替えですからね、袴に両足が入っちゃったりとかしてるんでしょうね。」
ゆらさん、真面目にいってんのか笑わせようとしてるのか分かりません。
しばらく漫談ショーが続いた後、再び幕が上がりました。
先ほどのお衣装のまま、全員が舞台上で、たった一人の人を待っています。
ゆらさんが、スタンドマイクに向かって、呼びかけました。
「くららちゃん…!!」
「はい…!!」
涼やかな返事とともに、ゆっくりと大階段を降りてくる緑の袴。
宝塚の正装である、黒紋付に緑の袴姿でエミクラちゃんが舞台上に再び降り立ちました。
組からの花をさえちゃんから、そして同期からの花を受け取り、一礼する彼女。
花束は二つ合わせると、細長い白いハート型になります。
会場中からの降り注ぐ拍手にわずかに目を潤ませ、大劇場最後の挨拶をしました。
…再びごめんなさい…感動しすぎて何言ったか忘れた…。
あ、でも、東京公演もまだあるからだろうけど、「これからもよろしくお願いします!」って言ってたよ!
って一番最後じゃん!
花を渡すとき、一瞬さえちゃんが泣きそうな顔になったのが印象的でした。
そして関係ないあさこちゃん・かしげちゃんも感慨深げな顔で優しく見つめていました。
…あんまり会ったこと無いはずなのに感動屋さんだよな、ジェンヌさんって。(しみじみ)
その後、さえちゃんが、つっかえつっかえしながら千秋楽の挨拶を済ませました。
「それでは『さよなら宝塚』を歌ってお別れしたいと思います」
『さよなら宝塚』…それは、哀愁に満ちた宝塚の歌で、退団者のいる公演の千秋楽に歌われることが多い歌です。(『宝塚フォーエバー』のこともあり)
何か、清冽な雰囲気でしたねぇ。みんなの心が揃ってるというか。
アンコールが何度かあり、エミクラちゃんは深く深く頭を下げていました。
ただ、大変なのが観客のほうで、終わったと思うや否や、まだアンコールあるのに出待ちの場所取りのために出て行かなければならない人たちがいることですね。
出るほうは大変だし、座ってるほうは視界が妨げられるし。
今回私は、飛行機の時間があったため、出待ちはしませんでした。
前を通り過ぎたんですけど、すごい人数でしたよ。
ちなみに、私設ファンクラブのあるジェンヌ(宝塚は個人の公式ファンクラブは無い)はある程度の学年になると会服と言うのを作って、ファンがそれを着て入り待ち・出待ち・総見を行うんですね。
ファンクラブごとに様々な会服があるのですが、退団者の会服は一律、白。
まるで、すべてがまっさらになるかのように白!です。
ファンクラブの幹部さんとかも、白。
チケットの受付台も、白いリボンで飾られてましたよ。
退団者の白はふっと悲しい思いにさせられる…そんなことを思いながら通り過ぎました。
そして、一時間後には緑の袴を着た可憐な花が去っていくのだろうと、夢想しながら。
空港で食べた鴨なんうどんと葛きりが美味しかったです。
彩輝直@さえちゃんのトップお披露目公演であると同時に、娘役トップ・映美くらら@エミクラの退団公演でもあります。
万里の長城の~ゆ~め~を~見た~♪(月組観劇記)①
僕と一緒に真夜中のパーティーに行きませんか?(月組観劇記)②
読了推奨。
◆千秋楽の公演も熱く熱く。
千秋楽は、さすがに真面目なお芝居なのでアドリブはありませんでした。
しかし、全員の気迫が凄い。鎌足@あさこちゃんは、怖さを増し、軽皇子@かしげちゃん、
石川麻呂@ゆうひちゃんも運命に翻弄される人間の苦悩をよく演じていました。
そして、瑪瑙@エミクラちゃん。
本当に泣き方が凄まじい。蘇我入鹿が殺された後のわーーーーっと泣き伏す姿が可憐で悲しげです。
後ろで、古人皇子がその姿を見て震えてますから注目。
ショーはね、ただでさえ明るい陽気なショーなのに、アドリブも最後の意気込みがこもっていました。
前の記事でも書いたのですが、かしげちゃん@フェロが仲間の妖精たちと体を鍛えるシーンで嘉月絵理さんがアドリブをするんですね。
今回は、「宝塚観てるんだから邪魔しないで!」という風に、オタク系宝塚ファンに扮して登場。
「あの唐津(自分の役)やってた人格好いいわよね~♪」
会場大ウケ。
最後に「うるさい!」と叫びながら妖精たちを追い回すところでは、かしげちゃんの足を捕まえ引き摺り下ろして、
嘉月「あ、あなたもしや嘉月絵理さん?!」
かしげ「映美くららです♪」
嘉月「っありえないっっ!!(公演プログラムで暴打!)」
ああ、笑った。
他にも真夜中のパーティーでは、あさこちゃんが紳士を誘ったり、ちょっと戻ると、かしげちゃんが体を鍛えるシーンで、「ラスト一回頑張るぞ!」って叫んだり。
そして感動的だったのはオバタラ役の夏河ゆら組長。
いつもはアドリブし放題で、爆笑させてくれるのですが、そのシーンでそっとエミクラちゃんを抱きしめ静かに去っていかれました。
…泣きそう。それだけでもグッとくるのに、
エミクラちゃんの台詞、芝居仕立てのショーなので決められた台詞ではあるのですが、
「……さよなら。……ポノポ……!」
その一言に、全てが込められていると見ている側は受け取りました。
東京公演があるとは言え、大劇場はこれが最後ですから、舞台のすべてを、体全体で確認しながら演じるエミクラちゃんの姿は、可憐で美しかったです。
そして、ポノポ@さえちゃんとマリア@エミクラ再会の時。
さえちゃんは、本気でエミクラちゃんを抱きしめていました。
ちょっと、泣けた。
この人は、本当に愛情のある人だなぁ…。
◆涙はよして。夕闇に消えたさよなら。(サヨナラショー)
ショーのフィナーレが、ノリノリで終わり引き続きにサヨナラショーです。
準備が整うまで、組長のゆらさんが今回の公演のことを語ります。
知らなかったのですが、
特別出演組のことを語る際、
「あさこちゃん、かしげくん、そしてゆうひが大きな影響を…。」
あれ?と思った会場、かすかに笑う。ゆらさん笑いつつ、
「あさこちゃんは、あさこ『ちゃん』なんですよー。かしげくんはかしげ『くん』なんですよー。そう、あさこ『ちゃん』、かしげ『くん』と同期のゆうひが、活気を吹き込んでくれたような気がします…」
分かるよ、皆さん。あさこちゃんは普段男くさい雰囲気ですしね。
本当は甘えっ子さんなのです。で、かしげちゃんは、中性的な雰囲気だけど実はガラッパチ(笑)、男っぽいので『くん』付けなんでしょう。
さて、ゆらさんがひとしきり喋ったのに、準備がまだのようです。
「さて、ショーの準備が整って………無い、みたいです(笑)」
ゆらさん漫談ショー開催。
「普段ね、音楽が鳴ってると早変わりも出来るんですけど、こういう時はどーも3分、4分かかるというか…。」
…ごめんなさい、その後内容ほとんど覚えてません(汗)
もう一回、「準備出来て……ない(笑)」をやった後、サヨナラショーが始まりました。
幕が上がると、大階段の中央に「ジャワの踊り子」の扮装をした、さえちゃんとエミクラちゃんが座って、互いをかばい合うよう抱き合ってます。
観に行ったことは無いですが、「ジャワの踊り子」主題歌をデュエット。
エミクラちゃんの髪飾りを、バサっと外して髪の毛を解き、また髪飾りを口にくわえて踊ってましたよ、さえちゃん。
二人がはけると、主要娘役数人(紫城るいちゃん、城咲あいちゃんとか)が「エーデルワイス」を歌います。
あ、紫吹淳@りかちゃんがトップだった頃のショー、「with a song in my heart」(だったかしら…すいません)の挿入歌だったので。
しかし、さっきまで黒塗りのショーだったから、ピンクの衣装が可哀相なくらい浮いてる…。黒塗りは大変だ。
そこへ早変わりした、エミクラ嬢が白いドレスで現れます。
彼女は白塗りなので、綺麗。エーデルワイスを娘役たちに囲まれ歌いました。
娘役たちははけ、エミクラ一人。
大階段は、光で「KURARA」の文字を浮かび上がらせる。
そこへゆうひちゃんが登場して、二人で「花の業平」の主題歌を。
エミクラちゃん、星組時代の新人公演ヒロインの作品なんだけど、おぼろげにしか覚えて無かったです。
(新人公演:大劇場で行われる通常の公演を本公演と呼ぶ。それに対し、研究生7年までのタカラジェンヌ、つまり若手のみで一公演のみ、本公演と同じ演目、多くは芝居のみを演じること。抜擢も多い。)
いい、デュエットでしたよ。でもゆうひちゃん、「業平」知らないのに大変だな…。
そして、エミクラ嬢のソロ。彼女のトップ就任作品「大海賊」の歌。
まるで一つ一つの思い出を探るように、舞台に立っている姿。
すると、北翔海莉率いる、若手男役グループが登場。
ミュージカル「ガイズアンドドールズ」の「私がベルなら」を歌います。
エミクラちゃんは、彼ら(笑)と絡みながら可愛く歌います。
あれ…?さららん@月船さららは?
と、思うと出てきました!若手が去った後、一人で。
エミクラちゃんをリードするように、同じく「ガイズ~」の「初めての恋」をデュエットしました。……いい!穏やかなカップル。
ちなみに新人公演で、さららんは主役のスカイを演じたんだよなぁ…成長したなぁ。
さららんが静かに去ると、りかちゃん退団作品「薔薇の封印」の曲を穏やかな目のまま歌う彼女。
えっと、曲名は忘れたんですが…「私のヴァンパイア」だったと思います。
可愛くていい歌ですよ。「私のヴァンパイアはシャイな人~♪」
そして、銀橋(エプロンステージ)で、14歳の女の子を演じた「長い春の果てに」の歌を歌います。「世界で一番好きな人」だったかな?
可愛いの!!凄く可愛いの!「世界で一番好きな人の目の中に私がいるの 幸せな気分」
余韻を残して舞台から去るエミクラ嬢。
…すると、大階段の上に二人の影。
あさこちゃんとかしげちゃんです。
「オ~レレ~オ~ララ~♪」
あ、「ノバボサノバ」だ。エミクラの初舞台公演だ!
…でも雪組のかしげちゃんは「ノバ~」に出演してたけど、あさこちゃん、知らないよね。
大変だな…。楽しそうに歌う二人。
すると、何か不協和音が。
あ…さえちゃん登場。さえちゃんも知らないのになぁ、「ノバ~」。
おや、わらわらと組子たちが集まってきたよ?
大階段の上から、エミクラ嬢登場。みんな優しい顔で迎えます。
全員、タキシードと白いドレスで「長い春~」の「栄光」(超感動の曲)を歌い始めました。
あ~思い出の曲ですもんね。
彼女は、舞台の隅々を網膜に、体に焼き付けるように、舞台を歩いていきます。
って言うか、知らないのにあさこちゃんもかしげちゃんもソロ貰ってるよ!
あんたら、出てないでしょうが!!しかも何気に巧いし!
「長い春~」は機会があったら観てください。
お約束の部分もあるけど、元がフランス映画ですので雰囲気が良くて面白いですよ。
私は好き。
全員で歌い上げて、感動的に終了。
…彼女は綺麗だった。
◆さよなら宝塚とともに。(最後の挨拶)
幕が下り、再び組長、幕前に登場。
エミクラちゃんの歴史を語ります。
「くららちゃんは一度、たった一度だけ『どうやったらいいか分からない』と涙を見せたことがあります…。(略)月組のみんながお稽古大好きの組になれたのも、くららちゃんが一生懸命お稽古する姿のおかげです…。」
組長、カンペすら見ずにエミクラちゃんの初舞台からのことを語るのが、すごいと思いました。退団者が一人だけと言うこともありますが大抵、どこの組もカンペノート(?)を読んでるんですよ。
話を終え、「さてそろそろ、準備が出来…てないようです(笑)」
会場笑い。
「着物の着替えですからね、袴に両足が入っちゃったりとかしてるんでしょうね。」
ゆらさん、真面目にいってんのか笑わせようとしてるのか分かりません。
しばらく漫談ショーが続いた後、再び幕が上がりました。
先ほどのお衣装のまま、全員が舞台上で、たった一人の人を待っています。
ゆらさんが、スタンドマイクに向かって、呼びかけました。
「くららちゃん…!!」
「はい…!!」
涼やかな返事とともに、ゆっくりと大階段を降りてくる緑の袴。
宝塚の正装である、黒紋付に緑の袴姿でエミクラちゃんが舞台上に再び降り立ちました。
組からの花をさえちゃんから、そして同期からの花を受け取り、一礼する彼女。
花束は二つ合わせると、細長い白いハート型になります。
会場中からの降り注ぐ拍手にわずかに目を潤ませ、大劇場最後の挨拶をしました。
…再びごめんなさい…感動しすぎて何言ったか忘れた…。
あ、でも、東京公演もまだあるからだろうけど、「これからもよろしくお願いします!」って言ってたよ!
って一番最後じゃん!
花を渡すとき、一瞬さえちゃんが泣きそうな顔になったのが印象的でした。
そして関係ないあさこちゃん・かしげちゃんも感慨深げな顔で優しく見つめていました。
…あんまり会ったこと無いはずなのに感動屋さんだよな、ジェンヌさんって。(しみじみ)
その後、さえちゃんが、つっかえつっかえしながら千秋楽の挨拶を済ませました。
「それでは『さよなら宝塚』を歌ってお別れしたいと思います」
『さよなら宝塚』…それは、哀愁に満ちた宝塚の歌で、退団者のいる公演の千秋楽に歌われることが多い歌です。(『宝塚フォーエバー』のこともあり)
何か、清冽な雰囲気でしたねぇ。みんなの心が揃ってるというか。
アンコールが何度かあり、エミクラちゃんは深く深く頭を下げていました。
ただ、大変なのが観客のほうで、終わったと思うや否や、まだアンコールあるのに出待ちの場所取りのために出て行かなければならない人たちがいることですね。
出るほうは大変だし、座ってるほうは視界が妨げられるし。
今回私は、飛行機の時間があったため、出待ちはしませんでした。
前を通り過ぎたんですけど、すごい人数でしたよ。
ちなみに、私設ファンクラブのあるジェンヌ(宝塚は個人の公式ファンクラブは無い)はある程度の学年になると会服と言うのを作って、ファンがそれを着て入り待ち・出待ち・総見を行うんですね。
ファンクラブごとに様々な会服があるのですが、退団者の会服は一律、白。
まるで、すべてがまっさらになるかのように白!です。
ファンクラブの幹部さんとかも、白。
チケットの受付台も、白いリボンで飾られてましたよ。
退団者の白はふっと悲しい思いにさせられる…そんなことを思いながら通り過ぎました。
そして、一時間後には緑の袴を着た可憐な花が去っていくのだろうと、夢想しながら。
空港で食べた鴨なんうどんと葛きりが美味しかったです。