ぐうたらさせてよ!(安寝の日記)

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単調になったらお仕舞いだ。

万里の長城の~ゆ~め~を~見た~♪(月組観劇記)①

2004年08月02日 18時40分22秒 | エンゲキバナシ。
さぁて、二泊三日×2の旅行も終わりましたよ。
まとめるぜベイビー。
今回、旅行までして散々観に行ったのは宝塚歌劇団月組公演
「『飛鳥夕映え』-蘇我入鹿-/タカラヅカ絢爛Ⅱ―灼熱のカリビアンナイト―」

あらすじ

7世紀初頭の飛鳥時代。大和を舞台に、日本の覇権を争う大和朝廷と豪族の争闘の中で、際立って俊英の誉れ高い蘇我氏の嫡流、蘇我鞍作(そがのくらつくり)(入鹿(いるか))の激しい青春の生と死を描いた物語。特別出演の瀬奈じゅん(花組)、貴城けい(雪組)、そして大空祐飛(月組)がそれぞれの役を役替わりで演じます。

宮廷を背負って立つ秀才の一人として注目されるまでに成長した鞍作は、恋人瑪瑙(めのう)と共に青春を謳歌し、新しい日本の建設を夢見ていた。進んだ制度を有する唐の文化を学ぶべく、宝皇女(たからのひめみこ)の弟・軽皇子(かるのみこ)、蘇我分家の長子・石川麻呂、聖徳太子の息子・山背大兄皇子(やましろのおおえのみこ)、舒明帝(じょめいてい)の息子・古人皇子(ふるひとのみこ)、中臣鎌足らと学堂に通う鞍作。中でも鞍作と鎌足は誰もが認める優秀な生徒だった。しかし蘇我本宗家の嫡子である鞍作にひきかえ、家柄の後押しもない鎌足は心密かに彼を妬ましく思っていた。

山背大兄皇子は、推古帝亡き後、舒明帝が位を継いだことに不満を抱いていた。そして自分が軽んじられているのは、蘇我氏の邪魔だてのせいだと。鞍作の父・蝦夷は、次期帝決定の動向には注意を払うよう鞍作に忠告する。しかし舒明帝の後を継いだのは、やはり山背大兄皇子ではなく、皇后の宝皇女(後の皇極帝)であった。鎌足は、大王になれなかった山背大兄皇子の無念な思いを利用し、蘇我一族の力を削ごうと策を練る。

皇極帝即位の日。蝦夷は、鞍作に大臣の位をと帝に願い出る。鞍作の政治力に並々ならぬものを感じていた皇極帝はそれを認める。そこへ、山背大兄皇子が反乱を起こしたとの報がもたらされる。朝廷の兵により山背大兄皇子は誅殺されてしまう。

蘇我邸でのあやめの宴の日。鞍作は石川麻呂に唐へ渡ることを勧める。石川麻呂と軽皇子の妃である小足媛(おたらしひめ)が今でも想いを寄せ合っていることを危惧してのことであった。しかし二人の逢瀬を見た鎌足は、二人の仲を秘密にすることを条件に石川麻呂を自分の意のままに動かそうとする。そして鎌足の罠は、軽皇子、中大兄皇子(なかのおおえのみこ)へと伸びていく・・・・・・。


7月24日~26日、間開けて、7月29日~8月1日まで行ってきたわけですが、その内観た公演は、7公演。そしてプラス「お茶会」。
全行程、7日間の内まったく観なかった一日を除けば、ほぼ全てを宝塚に費やしたわけですね。すごいや自分。
今回は、普通の公演とは違い、花組の瀬奈じゅん(あさこちゃん)と雪組の貴城けい(かしげちゃん)が特別出演してる大騒ぎの公演なわけです。
だって90周年だもん。しかも彩輝直(さえちゃん)のトップ就任お披露目だしさ。
月組には、あさこちゃん、かしげちゃんの同期の大空祐飛(ゆうひちゃん)がいるので、久しぶりの78期が3人揃い、且つ中臣鎌足役を3人で役替りするイベント付のとにかく楽しみな公演でした。

◆ 出発進行!
あのね、最初に観る公演は11:00公演なわけですよ。
だから東京駅に朝の7時前には着かないと行けないんです。
だから5時起きしたんですが…眠い。しかも荷物の最終チェックをして、下を向いたら鼻血がだらり。興奮してるのか、自分…?
すっごく恥ずかしいことなんでしょうが、スッピンのまま出掛け、新幹線の中でメイクしました…。いや、あのね母親と妹の側に隠れてやったけどね。
真後ろの席で赤ちゃんが泣き叫び、新幹線内が不機嫌オーラに包まれました。
それが、その後の恐るべきスパイラル地獄になろうとはその時に気付くものは存在しなかった…。

◆開演。(全公演をまとめるよ・芝居編)
旅行の最初は、ゆうひちゃん鎌足週間の日でした。役替りゆえに、軽皇子はあさこちゃん、蘇我石川麻呂(蔵山田の総領息子、蘇我入鹿(鞍作)のいとこ)はかしげちゃん。
(ちなみに、二回目の二泊三日は、初日の配役に戻った公演でした。)
初日からしばらくは、あさこちゃんが鎌足、軽皇子をかしげちゃん、石川麻呂をゆうひちゃんで、鎌足は3人で演じますが、軽皇子をあさこちゃん、かしげちゃんの2人で。
石川麻呂をかしげちゃん、ゆうひちゃんで演じます。
本当ね、同じ役でもやる人によって演じ方が変わるんですよ。
例えば、鎌足。さえちゃん演じる、蘇我入鹿(劇中の名は鞍作)への対し方も変わるんですよ。鎌足は友人として入鹿に接しつつも、心の中では妬んでいます。
表向き、それをおくびにも出さないのですが…。
かしげちゃんバージョンは観ていないので、言及できないのですが、あさこちゃんバージョンは、入鹿を野望への通過点と見ている節があります。
所々に入るニヤリ笑みも格好いいし、何より利用している女官を抱き寄せ耳元で、「うまくやれ…」と囁くのが凄い!
ゆうひちゃんバージョンは、自分の上に覆いかぶさる入鹿の影にすでに負けながら、術策をもって復讐を果たすような。
目が怖いよ!凄い黒いオーラを放ってます。
軽皇子は、宮中のボンボン、天皇の弟です。しかも本来皇位継承権は無かったのに、皇極天皇の後を継ぎます。おおらかないい人です。鎌足に利用されるけどね。
って言うか、鎌足に利用された人、劇中では無いけど、何年か後に殺されてるけどね。
(石川麻呂しかり、軽皇子しかり、利用されてないけど古人皇子もか)
実は皇子の妻(且つ入鹿の恋人である瑪瑙の姉)は昔、石川麻呂と関係があり今もお互い思いが消えてないのです。
かしげちゃんの皇子は、それに気付いてない。
あさこちゃんの皇子は、気付いてるが気付いてないふりをする。
かしげちゃんの演技は、皇子らしい大らかさがあり、些事に拘らない「ザ・皇子!」と言う感じですね。あさこちゃん曰く「気付かないくらい『皇子』なんです」。
あさこちゃんの皇子は、気付いているが優しさと愛しさゆえに、ことを波立てない悲しさがあるかな、と。
石川麻呂は、入鹿暗殺の時きっかけを作る係として三韓の使者の上表文を読まされることになります。歴史でも有名な、声が震えちゃって入鹿に怪しまれた人ですね。
鎌足に、軽皇子の妻とのことを責められ脅され、いとこである入鹿暗殺に利用されることになります。激しい愛を心に持ち、蘇我一族ではありますが、本宗家ではないこと、入鹿との実力の差に苦しみます。しかし最も入鹿を理解してたはずなのに…。
クライマックスである、上表文読み上げの際、各人の演技が面白いです。
ゆうひちゃんの場合、徐々におかしくなっていく。目が泳ぎ、口は乾き、突っかかる。
かしげちゃんの場合、観るたびに演技が違う!引き出しいくら持ってるんだ、貴城けい!(笑)
◆小さいところを色々言うよ。
月船さらら(さららん)演じる、古人皇子は蘇我氏の後押しを受けた皇位継承権に最も近いはずだった皇子です。でも本人はあまり意識してないんですよねぇ。
幼い感じだし。自分の立場もはっきりと意識してはいないようですが、蘇我入鹿が暗殺されてから、自らも暗殺されるかも、気付くようです。
可愛い。多分、可愛がられてるんだろうな~、学堂(飛鳥時代の良家豪族の学校)でも。
入鹿や鎌足たちは同級生なんですよ。それからの友情関係だったのに、数年後には殺し合いですからね。
古人皇子の可愛いどころは、入鹿たちが揃って「歌垣」(総ナンパ祭)に行くときも、「あ~来た~」「だめ~!」と言われながらも「私も行く!絶対行く~!」とふんぞり返るところですかね。
山崎邦正が「ごっつええ感じ」で「ヤマちゃんやめへんで~」ってやってる感じ。
本人、まったく似てないけどね。
そう、「歌垣」と言えば。歌が凄くいいです。思わず口ずさむくらい。
「立ちて思い(立ちて思い) 居てもぞ思う(居てもぞ思う) くれないの
唐(?)裳裾引き 去りにし 姿 (去りにし)」
一部ですが、この後の入鹿と瑪瑙の出会いの歌もいいですよ。
「ゆらゆらと血が踊る~♪」っての。
「おばやしに 我も 引きて 抱きしは 顔も分からず 家も知らず」とあびこ役の紫城るいちゃんが歌うのも良かったです。
しっかし、本当にナンパ祭だな。
この時、瑪瑙に一目ぼれした鎌足が、入鹿に「ものすごい笑顔」をされながら瑪瑙を連れて行かれちゃうわけです。ヤケになった鎌足が連れて行く女の子が、後に利用する女官と同じ城咲あいちゃんなので、もしかしたらこの時からの付き合い…?

さて、長くなったので一旦切りましょう。
次は、第二の出発進行・ショー編もお送りします。

しかし長い。読みにくいよね?