大相撲春場所５日目（１４日、ボディメーカーコロシアム）勢いを取り戻しつつある。
先場所まで９勝１６敗と把瑠都にとっては合口の悪い琴欧洲に完勝し、「ここ１年勝てていなかったからね」と充実した表情を見せた。
「背が高いのでがっぷり組むとやりにくい」相手に、立ち合いやや押し込まれるがすぐに左をおっつけ、強烈な右のど輪を決めながら寄り切った。
関脇に陥落した先場所、１０勝すれば大関復帰できたが、古傷の左膝の状態が悪く満足に稽古できないまま８勝止まり。
意欲の低下が心配されたが、師匠の尾上親方（元小結浜ノ嶋）は「悔しい気持ちもあるだろう。
（今場所）本人は全部勝つつもりだ」と奮起に期待を寄せていた。
昨年の春場所は横綱取りに挑んでいた。
失敗に終わった後は、けがとの戦いが続き、“エストニアの怪人”にとって苦しい１年だった。
大関陥落、そして復帰への挑戦と積み重なった重圧が取り除かれた今場所で「気楽にとれれば」と把瑠都は吹っ切れた様子だ。
強引な投げに頼った取組もあったが、少しずつ力強さものぞかせ、序盤を４勝１敗。
三役で１敗は把瑠都と鶴竜のみだ。
「まだ５日目だから」と本人は言うが、本来の力を発揮すれば優勝争いに名乗りを上げる資格はある。
（藤原翔）
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