宮崎市の民家で今年3月、家族3人を殺害したとして殺人と死体遺棄の罪に問われた無職奥本章寛被告(22)=宮崎市花ケ島町=に対する裁判員裁判6日目の審理が25日、宮崎地裁(高原正良裁判長)であり、検察側は死刑を求刑した。裁判員裁判では5例目の死刑求刑で、3人が殺害された事件の裁判員裁判は全国初。被告は起訴内容を認めており、量刑が争点となっている。
この日までの公判で、検察側は被告のメールの履歴などを示し、犯行直後に、被告が出会い系サイトで知り合った女性に会いに行ったことなどから「家族から解放されて自由気ままに生きたい」ことが動機だと主張。計画して凶器を準備し、15分の間に3人を次々と殺害した「残虐な犯行」と指摘してきた。
一方、弁護側は、同居する義母に精神的に追い詰められていく被告の姿を自身に語らせ、「この生活は限界だと感じており、他に方法が思いつかなかった。殺害しようと思った」などの証言を通じ、「義母から逃れたい」ことが殺害を決意した理由だと主張。被告の幼少期を知る実家近くの知人を証人に呼び、「再犯可能性の低さ」や「更生可能性」も主張してきた。
起訴状によると、奥本被告は今年3月1日未明、自宅で寝ていた長男雄登ちゃん(当時5カ月)の首を絞めるなどして殺し、別室にいた妻くみ子さん(同24)と義母の池上貴子さん(同50)も頭をハンマーで殴って殺害。同日夜、雄登ちゃんの遺体を市内の資材置き場に埋めたとされる。
関連ニュース
・ゲゲゲ・W杯・スカイツリー…変わり雛、今年もいろいろ
・小沢氏の特別抗告棄却 最高裁
・小沢氏の特別抗告棄却 最高裁