始めて自分の車を買ったのは今から50年近く前になります。
買ったのは日産のサニー。B110型のGXというツインキャブのスポーツモデル。
当然中古で、確かS47年モデルだったと思います。
ところがこのサニー、後に事故車だった事が発覚。たまたま車に詳しい人に見てもらったら、ルーフに修理跡があり多分横転、一回転して屋根がぺちゃんこになったのではないかと。
床のカーペットを剥がしてみたらガラスの破片も見つかりました。
当時の中古車屋なんてこんな事は当たり前で、事故車の表示義務もないしまともな補償制度もありませんでした。
たとえ買った店に「事故車じゃないか」と訴えても「だからその値段です」と言われるのがおち。見抜けなかった客が悪い、そんな時代でした。
その後中古車業界も徐々に体質改善し、保証制度も充実し昔と比べると随分良くなったと思ってました。身内に中古車屋がいるので業界のうさん臭さはある程度知ってましたが・・・
ところがあのBモーターの事件です。最大手がまさかのやりたい放題。
これで中古車業界全ての信用が失墜してしまったと思います。50年かけて少しずつ培ってきたものが全てなくなってしまったかも。
これからお客は車を売買する時、この業者はなにか不正をしてるのでは、自分はごまかされているのではという目で見る事が前提になってしまうでしょう。
テレビなどではBモーターの経営陣や副社長だけが責任を追及されてますが、実際に不正行為をしていた社員も同罪ではないでしょうか。上からの圧があったとはいえ、違法行為と知っていて行ったり現場に命令したりしていたのですから。その結果多額の成功報酬を得て数千万の年収をもらっていたのですから、共犯としか言いようがありません。自分たちも被害者面してるとしたら許せません。
私も昔営業職をやってましたからある程度分かりますが、毎月の目標額達成というのは絶対なんです。その目標を100%達成するためには何をしてもいい、犯罪ギリギリの事をしてもとにかく数字さえクリアできればそれが正義なんです。
もちろん数字のために不正をした人もいました。商品の横流し程度ですが。でもそれが発覚すれば責任を取らされますし処分もありました。
不正するのは当然会社や上司からの圧力が原因ですがそれだけではありません。個人的な欲得、プライド、出世欲とか当然報酬にもつながりますから、結局自分の責任です。
Bモーターで不正に関与した社員の方は潔く自分の罪を認め責任を取ってください。そして捜査機関に正直にすべてを話して罪を償ってください。
中古車業界の悪い部分だけが今はクローズアップされてますが、じゃあ客側は全て善人しかいないかといえば当然そんな事はなく、クレーマーやカスハラのみなさんがたくさんいるそうです。
一番たちが悪いのが「安い軽でいいよ」と言って買う客。安いという事はかなり古い高年式車だったり走行距離が多かったり、当然故障する確率は高い。そんな事分かり切っているのに、実際故障すると鬼の首を取ったようにクレームを付けてきてあれも直せこれも全部直せ新品にしろ、と言ってくる。
業界では「安い軽ほど高く付く」という格言があるとかないとか。
購入価格と何年か乗った後に売却した時の価格、それに修理などの維持費を計算すると年間いくらかかるか出ます。それをよく計算して新車にするか安い中古にするか決めた方がいいそうです。
そもそも軽自動車の新車が軽く200万オーバーする時代に「安い軽」なんて存在しませんけどね。