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300文字小説

2007-09-04 | 中日新聞より
野生の掟                  渓口 紗梨
 小額年生の真子がテレビを見ている。母は隣でアイロンかけ。
 ごく普通の日曜日だった。
 真子が画面にしがみついているので、母は「離れなさい」と一言。
 でも真子には聞こえていない。何を真剣に見ているのだろう?
 目をやると、大草原で暮らすライオンの特集だ。
 今しも、一頭のライオンがシマウマを捕らえ、食いつこうとしている。
 凄惨な場面だった。
 真子は目が離せない様子で、しきりと生唾をのみこんでいる。
 そして、テレビに目をやったまま、問いかけてきた。
 「ねえ、ママ・・・」
 きっと野生の厳しさ、掟にショックをうけているのだろう。
 「どうしたの、真子?」
 優しく訊き返すと、真子が言った。
 「シマウマって、そんなに、おいしいの?」
                   (横浜市港区北区・大学生・21歳)

この文章いかがですか?
その人それぞれの感性・感じ方・思い
私には、いままで野生の動物を、食料と感じたことはありませんでしたね。
でも現代人になるこの女の子は、弱肉強食の世界が、
とても美味しそうに見えたのですね
野生の掟とは・・・ 「別の意味で子供らしい一瞬を切り取った愉快な着想」と
監修者は批評されています。
でも、私は古い考えのようです。今ではいろんな感性があり新しい発想が必要と
思っても、子供には優しい心が欲しいなと思い、笑い話ですませたくないな~と。
小説なのに、次から次と、一人で考え込んでしまいました。

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