星尋山荘's blog

彗星発見で知られたアマチュア天文家、故・本田実の最晩年の観測所です。

彗星を見るなら星尋山荘

2013-03-10 20:38:32 | 日記
3月10日夕、パンスターズ彗星が見えました。
彗星を見るなら星尋山荘です。

星尋山荘に向かう車中では、晴れ間が見え始めたばかりでした。
日没の午後6時9分頃には、幸運にも、全天快晴です。
西の空が次第に暗くなっていきます。
午後6時30分、天頂に木星が見えてきました。
午後6時40分、シリウスも。
口径5センチの双眼鏡では、彗星らしきイメージが見えてきません。
予報にあわせて、方位と仰角を合わせていた、大型双眼鏡(口径15㌢40倍)のほぼ中央に、ぼんやりと明るいイメージが見えてきました。
午後6時45分です。いそいでカメラを向けます。およその方角に向けて、数回シャッターを切ります。
写っていてほしい。気温はゼロ度、無風。
再び、大型双眼鏡に両目をこすりつけます。
左10時の方向にはっきりと、尾がのびているのがわかります。
予想以上に明るい。きっと肉眼彗星になってくれることでしょう。
午後6時50分、仰角5°以下は大気の深いよどみです。
彗星は、そのよどみに沈み、見えなくなってしまいました。
貴重な5分間。「本田實先生、ありがとうございました」と心の中でつぶやいたのでした。


倉敷天文台の礎

2013-03-10 11:54:28 | 日記
 全国初の民間天文台、倉敷天文台が改装工事中です。
 1926年に創立した当時は、口径32㌢は、国内最大級でした。


 望遠鏡を支え続けた基礎を3月8日、創立者・原澄治氏(1878~1968年)のひ孫にあたる原浩之さんとともに拝見しました。

 レンガ積みで箱形になっていました。わずかに台形です。内部は空洞でした。北側に開口部(写真右側)があります。
当時の望遠鏡の駆動方式は、まるで鳩時計のような仕組みでした。
重いおもりの力を利用して、星の動きに望遠鏡を合わせていましたから、おもりを下げるための空洞が必要でした。
 いまでは電気とモーターを使って、微妙な速度調整や位置合わせが自由にできるようになっています。