星尋山荘's blog

彗星発見で知られたアマチュア天文家、故・本田実の最晩年の観測所です。

憲法9条があるから「日本は彗星発見王国」

2013-02-24 19:40:37 | 日記
 「夜空に新しい星をさがす」と題して、アマチュア天文家・本田実生誕100周年記念講演会が2月24日、倉敷市の倉敷科学センターで開催されました。講師は、新天体発見情報の窓口だった、香西洋樹元国立天文台助教授。
 
 講演する香西洋樹氏
 国内最大の天文台(岡山県浅口市)建設時には、星空の状態を確かめるための、重くて長い鉄製の鏡筒を3本用意したとき、「ななよん(74インチ=188センチ)がくりゃあええのお」と言いながら、本田さんと藤井永喜雄さん(初代岡山天文博物館長)とが、山中の長い道のりを担ぎあげたこと、本田さんから「私用ですが…」と新天体発見の電話に、「私が電話に出たら公用ですが…」などと応じたこと、発見にまつわる数々の裏話、笑いを誘うエピソードも紹介しながら、「本田氏の活躍が多くの人に刺激を与え、全国に彗星捜索者を増やした」と語りました。
 天文の国際会議では、「なぜ日本は、彗星発見王国なのか」と質問されると、「憲法9条があるからだ」と答えたと回想。若者が徴兵されないこと、戦争にかりだされないことが、科学を進歩させると強調しました。そして宇宙の進化と生命、ロシア隕石の話題も…。

 地球に近い小惑星群

 「発見なくして、研究なし」といい、晩年は天体観測所「星尋山荘」で、星にものを尋ねつづけた本田氏の業績をたたえました。

「星尋」~星空にいだかれて~ 本田實生誕100年記念誌

2013-02-21 18:26:38 | 日記
「星尋」~星空にいだかれて~
 本田實生誕100年記念誌

 本田先生の生誕100年(2月26日)を目前にした2月21日、『「星尋」~星空にいだかれて~
 本田實生誕100年記念誌』が完成しました。(写真)
 

 うれしいことに、届いたばかりの第一冊目をいただきました。執筆者の一人としてです。
 
 「できましたよ」と、原圭一郎・倉敷天文台理事長から直接の電話。「星尋山荘の管理人のみなさんに」と、手渡していただきました。
 
 見開きは「星尋山荘」の石碑のもととなった色紙の写真です。
 
 第一章は 星をこよなく愛した人
  10氏が執筆。
 第二章は 星に守られて
  本田先生の未発表のエッセイ。新天体発見一覧と略歴。
 第三章は 倉敷天文台の歩み
  本田先生が活躍した、倉敷天文台の創設から現在にいたるまでの資料や年譜。

 A4判132ページ。発行は「クラシキ・クラッシク」(倉敷奨農土地株式会社内)。
 非売品ですが、図書館などで閲覧できます。

倉敷天文台の改装

2013-02-19 09:27:11 | 日記
 全国最古の民間天文台である倉敷天文台が改装されます。

 2月末に閉鎖・休館し、7月末までの工事後に再開とのことです。
 同天文台は、1926(大正15)年11月21日の創立。設置された口径31.5センチの望遠鏡は当時、全国最大級でした。
 本田實先生(倉敷市名誉市民)が、彗星をあいついで発見するなどの活躍をしたことで知られます。
 木造のスライディングルーフ式観測室は、文化財にもなりました。しかし傷みがひどくなったため、移転・保存の方向です。
 
  東西に開くスライディングルーフ式の観測所

 あわせて、由緒ある古い木造の事務所は、老朽化が激しくて解体するといいます。

 倉敷労働科学研究所の建物を再利用した倉敷天文台の事務所と天文台記念館(右の5mドーム)

 古い建物はなくなりますが、敷地内の5メートルドームを利用した記念館で、引き続き歴史を尋ねることができます。