老中の市井日記

理想を失うことなく老いの中を楽しみながら、日々発見、日々刺激、日々出会いを大切にしていきたいと思っています

産業構造の「ボーン・アゲイン」 地域の視点から

2008-05-23 20:24:08 | 会社時代
先週、元の会社の広報の友人Kさんから1通のメールを受け取りました。
「地方再生に関して敏感になってしまいました」のコメントと共に
元スタンフォード大学の今井賢一先生の特別寄稿の「産業構造の
「ボーン・アゲイン」-地域の視点から」が添付されていました。

Kさんとは、元の会社の事業本部の広報担当時代からのお付き合いで、
先月のG.W.前に京都へ出かけた時に京都のいつもの「おばんざい」の
小料理屋で一献を傾けました。

そこで私が熱く語った「東京以外の地域(地方)の行き方」に少し洗脳
されたようです。

今井先生とは、関西文化学術研究都市推進機構時代から名刺を交わす
程度で、直接一緒に仕事をしたことがありません。講演会は何回か
お聞きして、ヒントを頂いていました。

最近、私の浪人代からの友人のMさんが代表を務める京都試作センター
の設立記念フォーラムでは、「悉皆屋康吉」をヒントで頂きました。

悉皆屋康吉

今井先生の言われる「情報・知識産業の成果を、もう一度農業、林業、
漁業、そして諸工業、サービス等の産業に反映させ、それぞれの産業
を進化させるというように循環的に捉えるべきものだ」に大いに賛成です。

そして「複雑な問題に関わっていくには、新しい産業や新しい都市を
つくるよりは、これまでの産業や都市を新しい情報・知識によって絶えず
「ボーン・アゲイン」していく発想が必要である。」と繋いでいる。

そしてそのシグナルがが表れ始めている。基本的な変化を示唆する
兆候を地方(地域)に例示しています。(以下気になるメモ 敬称略)

1.農林水産の例
→農業の希望の星:滋賀県湖北町「有限会社ニューファームSAYURI」
 岐阜大の情報処理卒業の若い女性は、「効率よく収穫するためには
 自分で工夫しなければならない農業の面白さ」を知り、メイクして
 ジーンズ姿で経営。「普通の女の子でも農業が出来ることを知って
 欲しい」

2.工業の例
→人材立地:東北地方の辺境中小都市では、工業高校の生徒時代から
 若者を育成していくことを重視し、日本のモノづくり能力の維持と
 今後の継続的な発展を目指している。それは関満博(一橋大)の
 「日本の新しいモノづくり立地を担おうとする「人材立地」という
 観点から、その人材育成の担い手としての工業高校に注目する」
 山形県長井工業高校から良質の生徒を得た中小企業は長井市に工場を
 立地した。
 
 長井市の若者は、自分たちの仕事が世界最高レベルの高速プレス機
 を作っているという「つながり」の中に自己のアイデンティティ
 (生きが)を感じ、自分たちの故郷を再生させようというエネルギー
 となっている。

 それを関先生は「若者たちに<関心>をもち<希望>を与えることが、
 この国のモノづくりの将来を決する」と述べ変革のシグナルを送られ
 ている。

3.サービス産業の例
→日本のオープンラボ:あの有名な「まつもとゆきひろ」の「松江
 オープンソースラボ」の話です。この「ルビー」は他の言語を使う場合
 に比べて1/10になる生産性向上効果だけでなく、基本ソフトにおける
 成功は、これまでの日本のソフトウェア産業の弱点を取り除き、自信を
 呼び込むものです。そしてこれが東京ではなく地方であることがポイント
 です。松江市、島根県が率先してこの「ルビー」を採用すれば、本当に
 「ルビーの奇跡」が起こるかもしれません。

私の失いかけた希望の明かりが見え、再び立ち上げる勇気を与えてくれ
ました。Kさんありがとう。また飲もうね!

もう少し早く書くつもりでしたが、今週はじめに花粉症の最後のクシャミに
「魔女の一突き」に遭い、毎日一つの仕事か用事をするのが精一杯でした。

ジャズのミュージシャンからの案内をいただきながら、今週は行けません
でした。この腰が治ったらまた行かせて貰いますので、お許しください。 

 


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