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鋳造品の品質を決めるのは、方案と排気かな。。。。

菱川師宣の裏表 復刻版 

2023-12-24 | 日記

今からおよそ350年前(延宝7年)に「恋のむつごと四十八手」延宝7年3月鶴屋喜右衛門版と翌延宝8年に「好色いと柳」として出た菱川師宣の本を一つにまとめた復刻版が、平成4年(1992年)に今は亡きノーベル書房より28,000円(この出版社はこの価格が好きだったようだ。今はネットオークションに時々出る)で出版されています。最近この中古本を手に入れて読んでみました。 この版画の書き込みを巻末に活字化してくれてあるのですが、異見があるので書き留めておきます。巻末の出版社解釈に括弧で私の異見を書き込みました。崩し字歴2年の新人です。

1) 明別 あけのわかれ 二ウ

ただただ忍びきて かたりあふに はや明け方に近づけば こころならずもしとねをいで 名残りををしむもおはり(ここは「ことはり」で「こと」は「こ」と「と」の合字)

2) 四手 よつで 三ウ

この迄(ここは「道」だと思う)において 何れをろかはなしといえども 一の手にまさるはなし 夏の霞句(ここは発句)に かやははね(ここ「はね」ではなく「四手」)中なる人はここ手(ここは自信ないが「ざこね」かな)かな

3) 後だき うしろだき 六ウ

手をかえ品をあらたむるも 多くはこの道に長事(長じ)すぎそ(て)の事なるべし

4) 首引恋慕 くびひきれんぼ 八オ

まことにかかる君などとは 首引ばかりもおもしろからんに をくそこもなきかたいふれば(ここは「か」は削除、たいふれば「たはぶれは」」 心残りさぞとおもはるる

5) ふり侘 ふりわび 八ウ

しみたる中(熱心な仲)にては ふりふられたるもおもしろきものなれ 後には中なお(を)りてものするも ひとしは(ここは「ひとしほ」)今日(おなじけうだが「興」)ある事にこそ

6) 理非しらず りひしらず 十ウ

とやかく(ふ)とたびたびくどくなり(なりではなく「に」では) さらにここ入さらんには かく行ひてよし もし声などたてんとせんには口に袖(物だと思う)をあつるとぞ

7) だき合 抱きあい 十四ウ

もの心なき稚児若衆は 女といらへするもいやがるもの也 さなる人には大かた口などすふを(「を」ではなく、ここは合字「こと」)おめし(めではなく「おほし」)

8) 二女一男 十六ウ

はなやもみじの君たちのあこがれいへる(ここは「給える」の崩し字)よう かい(ほい-本意)には心もこころならず みかね(身がな) ふたつほしがらめ

上が「給う」の字形

9) 玉除 たまのぞき 十八ウ

さる人此事をさたせるをきけば 先和合のまえにのぞませおくかと(ここは「のぞませをくほど」) 一のたのしみなしいへり いかにといへば入きはわあて(きはめて)はその奥なしとぞ  (私の本文意味理解は曖昧のまま)

10) 似せ男 にせおとこ 二十一オ

としたけるまでひとりのみくらしいふ(これもいふではなく「給う」の崩し字で、暮らし給う)女中などのため也 是をもてあそびて 日数(ひかず)を(を)おくるよすがとなる

下巻

11) 縁玉章 ゑんのたまづさ 三ウ  中央部分あたりにある

御心かけられけるとや (この「ける」は「候う」(U+5019)だと思う) 

12)浪人女 らうにんおんな 五ウ

わかき男を (ここはよき男)  又

年をもちてかやうに見せ (年をもちたるやうに見せ)

13) 同鉢払い おなじくはちはらい

あれ次第にどうだかしていきましょ (あき次第にどうだうしていきましよ) どうだうは同道か?

14) 賢人振 けんじんぶり 十ウ

その女のほほかるべきもの (その女のほしがるべきもの)

女もらいもらいてはあん はひまつのけんけんゆへ (女もらいたくはあれ共 ひごろのけんけんゆへ)

15)打返 うちがへし 八オ

その文をきかんというは (文ではなく「名」だと思う)

かかはいひしもなりや (かくはいひしもなりや) くと々はまぎらはしい

15)見懸釣物 みかかりのつりもの 八ウ

ことばをかけすばぶん行ききを (ことばをかけ ずいぶん行ききを)かな。

我にのしりたるところ (「我等」のしりたるところ 等(U+7B49)がある。ほとんど木の字に見える)

16) 所知釣物 しよちのつりもの 九オ

心やすくのらんはお前の女ほぞなり (心やすくつらんは を前の女ほう也)(を前は手近なという意味か)

17) 見物場 けんぶつば 九ウ

客よりどの座が (「ここ」よりどの座が  [ここ]は漢字が出てこないが U+7230 )

18) ふちの駒付 こまづけ 十一オ

しらぬちとなどは (しらぬこしもとなどは)

19)娘の駒付 十一ウ

こひしたうおとこにはなし (こひしたうほどにはなし)

20) 全盛水上 ぜんせいのみなかみ 十七ウ

たいこ女宿つれたる (たいこ女郎つれたる)

21)上気戯曲 うはきのたはぶれ 十八ウ

さんちやにてうつけとるものにはよけれ (参茶こそつけとるものにはよけれ)かな

脱落行があって (一かうのやぼにはふる事なし)かな

22) 山茶少女 さんちやのしやうぢよ 二十一オ

行落ち (わがあふ女らうとしくめば成る事もあり また ならさぬ女らうもあり)

そうじてかのところ (そうじてものごころ)

さればそのうちに (され共そのうちに)

23) 縁遍ごかし ゑんへんごかし 二十五オ

人のおりのし (人のおものし(裁縫専門職))

いはんにはその男に (いはんにはその方に)かな.

 

以上 大急ぎですが、この原稿を作った人は一人ではないかも知れない。かなり難しい部分をあっさり読みこなしたり、「給う」のように後半では給うと読んでいる。私の力ではとても読みこなせないので、この活字にしてくれた原稿にはずいぶん助かった。



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