第22回目は 自作WWAゲーム 風族のフーイ(カゼゾクノフーイ)の火族の日常生活の4回目(風族のフーイの世界 日常編 Part.1~3 の続き)です。
物体と背景の円舞曲(ワルツ) >風族のフーイ ( カゼゾクノフーイ ) >大陸地図、 設定 ( BOOKMARK )。
風族のフーイ 戦闘編 Part.1 ( RECENT ENTRY )。
風族のフーイの世界 日常編 Part.1~3( RECENT ENTRY )。 を参照してください。
ここは、一週間前、希望に満ちたレイがいた村です。レイ達のいる部隊は そこに戻ってきました。
しかし、一週間前とは状況が違います。レイの瞳の輝きも・・・。
火族兵隊長の号令の後、レイ達ロクラルは第五兵を取り囲むような陣形を作り、もと来た道を戻りました。
一部のロクラル兵は火族兵隊長の命令を無視し 敵陣に突入しましたが、第五兵は 全て命令に従いました。
次々と引き返していく第五兵達を見て、レイもそれに従います。
逃げていく火族兵を見て活気付く地族兵。迫り来る地族兵。
もはや敵陣に行く術は見当たりませんでした。
そして・・・。
レイ「隊長! お話があります!」
火族兵隊長「・・・ロクラル兵か・・・何の用だ。」
火族兵隊長に詰め寄ります。隊長は冷ややかな目でレイを見ています。・・・いえ、相手を見下した目です。周りの兵達が二人に注目します。
レイ「何故、兵を撤退させたのですか?! 敵の本陣は目の前だったのに!」
火族兵隊長「敵陣の前・・・それがどうした。お前等は俺の命令をきいていればよいのだ。ロクラルが出しゃばるな。それとも死にたいのか?」
火族兵隊長の肩がピクリと動きました。
殺される・・・誰もがそう思ったときです。
ロクラル兵1「ばかやろう! 隊長に向かって意見するとは何事だ! 身の程を知れ!」
罵声と共にレイが殴られ、地面に転がります。
ロクラル兵1「申し訳ありません! 二度と このようなことが無いように言い聞かせます!」
火族兵隊長「・・・・・・。」
土下座して頭を地面に こすり付けます。はたから見ると とても無様な格好です。
火族兵隊長は まるで汚い物でも見るようにロクラル兵1を見ると、立ち去っていきました。
それを見届けた 他の兵達もその場を離れます。
ロクラル兵1「・・・悪かったな・・・いきなり殴ったりして。」
レイ「・・・・・・。」
レイに手を貸して 起き上がるのを助けます。
ロクラル兵1「・・・お前、昇級するために ここにいるんだろう? 隊長に目をつけられたら、昇級どころか、ここでは生きていけないぞ。」
レイ「・・・・・・目の前だった・・・・・・目の前が敵の本陣だったのに・・・。」
レイがつぶやきます。
ロクラル兵1「・・・・・・。」
レイ「・・・分かっている。隊長の命令は絶対だ・・・逆らうと生きていけない・・・しかし・・・・・・しかし、それじゃあ、俺は一週間何のために・・・ライルは何のために死んだんだ・・・。」
・・・ライル・・・? ライルとは誰でしょう? レイと どういう関係でしょう?
ロクラル兵1「レイ・・・お前の気持ちは分かる。しかし、死んだ者の事など考えている場合じゃないだろ。自分が生き残ることを考えろ。」
レイ「そんな・・・・・・俺の名前を・・・ライルの事を知っているのか?」
レイはロクラル兵1を見つめます。
ロクラル兵1「俺の名前はドリル。ライルと同じ村出身だ。あいつと俺は兄弟のように育った。」
レイ「・・・じゃあ何故・・・あんたは悔しくないのか?! あんな所でライルが死んで!」
レイがドリルに掴みかかります。
ドリル「・・・あんな所・・・? ここは戦場だ。何処だろうと関係ない。生きるか死ぬか・・・それだけだ。」
レイ「・・・・・・それでも俺は・・・あんな所で死んで欲しくなかったんだ。」
レイは唇をかみ締めて・・・その場に立ちすくみます。
ドリルは そんなレイの肩を優しく叩き、この場を立ち去ります。
1人になったレイは しばらくの間、そこを動こうとはしませんでした。
その後ろ姿は・・・とても悲しそうで、孤独に満ちていました。
ドリルが死んだのは、別の部隊に配属された この事件の直後の戦闘でした。
・・・ところで、ライルとは一体どういう人物だったのでしょうか?
次回は、レイとライルとの出会いと死について お話します。
では、今回はこれで。
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風族のフーイ 戦闘編 Part.1 ( RECENT ENTRY )。
風族のフーイの世界 日常編 Part.1~3( RECENT ENTRY )。 を参照してください。
ここは、一週間前、希望に満ちたレイがいた村です。レイ達のいる部隊は そこに戻ってきました。
しかし、一週間前とは状況が違います。レイの瞳の輝きも・・・。
火族兵隊長の号令の後、レイ達ロクラルは第五兵を取り囲むような陣形を作り、もと来た道を戻りました。
一部のロクラル兵は火族兵隊長の命令を無視し 敵陣に突入しましたが、第五兵は 全て命令に従いました。
次々と引き返していく第五兵達を見て、レイもそれに従います。
逃げていく火族兵を見て活気付く地族兵。迫り来る地族兵。
もはや敵陣に行く術は見当たりませんでした。
そして・・・。
レイ「隊長! お話があります!」
火族兵隊長「・・・ロクラル兵か・・・何の用だ。」
火族兵隊長に詰め寄ります。隊長は冷ややかな目でレイを見ています。・・・いえ、相手を見下した目です。周りの兵達が二人に注目します。
レイ「何故、兵を撤退させたのですか?! 敵の本陣は目の前だったのに!」
火族兵隊長「敵陣の前・・・それがどうした。お前等は俺の命令をきいていればよいのだ。ロクラルが出しゃばるな。それとも死にたいのか?」
火族兵隊長の肩がピクリと動きました。
殺される・・・誰もがそう思ったときです。
ロクラル兵1「ばかやろう! 隊長に向かって意見するとは何事だ! 身の程を知れ!」
罵声と共にレイが殴られ、地面に転がります。
ロクラル兵1「申し訳ありません! 二度と このようなことが無いように言い聞かせます!」
火族兵隊長「・・・・・・。」
土下座して頭を地面に こすり付けます。はたから見ると とても無様な格好です。
火族兵隊長は まるで汚い物でも見るようにロクラル兵1を見ると、立ち去っていきました。
それを見届けた 他の兵達もその場を離れます。
ロクラル兵1「・・・悪かったな・・・いきなり殴ったりして。」
レイ「・・・・・・。」
レイに手を貸して 起き上がるのを助けます。
ロクラル兵1「・・・お前、昇級するために ここにいるんだろう? 隊長に目をつけられたら、昇級どころか、ここでは生きていけないぞ。」
レイ「・・・・・・目の前だった・・・・・・目の前が敵の本陣だったのに・・・。」
レイがつぶやきます。
ロクラル兵1「・・・・・・。」
レイ「・・・分かっている。隊長の命令は絶対だ・・・逆らうと生きていけない・・・しかし・・・・・・しかし、それじゃあ、俺は一週間何のために・・・ライルは何のために死んだんだ・・・。」
・・・ライル・・・? ライルとは誰でしょう? レイと どういう関係でしょう?
ロクラル兵1「レイ・・・お前の気持ちは分かる。しかし、死んだ者の事など考えている場合じゃないだろ。自分が生き残ることを考えろ。」
レイ「そんな・・・・・・俺の名前を・・・ライルの事を知っているのか?」
レイはロクラル兵1を見つめます。
ロクラル兵1「俺の名前はドリル。ライルと同じ村出身だ。あいつと俺は兄弟のように育った。」
レイ「・・・じゃあ何故・・・あんたは悔しくないのか?! あんな所でライルが死んで!」
レイがドリルに掴みかかります。
ドリル「・・・あんな所・・・? ここは戦場だ。何処だろうと関係ない。生きるか死ぬか・・・それだけだ。」
レイ「・・・・・・それでも俺は・・・あんな所で死んで欲しくなかったんだ。」
レイは唇をかみ締めて・・・その場に立ちすくみます。
ドリルは そんなレイの肩を優しく叩き、この場を立ち去ります。
1人になったレイは しばらくの間、そこを動こうとはしませんでした。
その後ろ姿は・・・とても悲しそうで、孤独に満ちていました。
ドリルが死んだのは、別の部隊に配属された この事件の直後の戦闘でした。
・・・ところで、ライルとは一体どういう人物だったのでしょうか?
次回は、レイとライルとの出会いと死について お話します。
では、今回はこれで。