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Sayju Game工房BLOG

自作 World Wide Adventure(WWA)物体と背景の円舞曲(ワルツ)に関係する事柄についてのあれこれ。

風族のフーイの世界 日常編 火族 ロクラル Part.4

2007年09月23日 | 風族のフーイの世界 火族の日常編
第22回目は 自作WWAゲーム 風族のフーイ(カゼゾクノフーイ)の火族の日常生活の4回目(風族のフーイの世界 日常編 Part.1~3 の続き)です。

物体と背景の円舞曲(ワルツ) >風族のフーイ ( カゼゾクノフーイ ) >大陸地図、 設定 ( BOOKMARK )。
風族のフーイ 戦闘編 Part.1 ( RECENT ENTRY )。
風族のフーイの世界 日常編 Part.1~3( RECENT ENTRY )。 を参照してください。



ここは、一週間前、希望に満ちたレイがいた村です。レイ達のいる部隊は そこに戻ってきました。
しかし、一週間前とは状況が違います。レイの瞳の輝きも・・・。

火族兵隊長の号令の後、レイ達ロクラルは第五兵を取り囲むような陣形を作り、もと来た道を戻りました。
一部のロクラル兵は火族兵隊長の命令を無視し 敵陣に突入しましたが、第五兵は 全て命令に従いました。
次々と引き返していく第五兵達を見て、レイもそれに従います。
逃げていく火族兵を見て活気付く地族兵。迫り来る地族兵。
もはや敵陣に行く術は見当たりませんでした。
そして・・・。


レイ「隊長! お話があります!」
火族兵隊長「・・・ロクラル兵か・・・何の用だ。」
火族兵隊長に詰め寄ります。隊長は冷ややかな目でレイを見ています。・・・いえ、相手を見下した目です。周りの兵達が二人に注目します。

レイ「何故、兵を撤退させたのですか?! 敵の本陣は目の前だったのに!」
火族兵隊長「敵陣の前・・・それがどうした。お前等は俺の命令をきいていればよいのだ。ロクラルが出しゃばるな。それとも死にたいのか?」
火族兵隊長の肩がピクリと動きました。

殺される・・・誰もがそう思ったときです。

ロクラル兵1「ばかやろう! 隊長に向かって意見するとは何事だ! 身の程を知れ!」
罵声と共にレイが殴られ、地面に転がります。

ロクラル兵1「申し訳ありません! 二度と このようなことが無いように言い聞かせます!」
火族兵隊長「・・・・・・。」
土下座して頭を地面に こすり付けます。はたから見ると とても無様な格好です。
火族兵隊長は まるで汚い物でも見るようにロクラル兵1を見ると、立ち去っていきました。
それを見届けた 他の兵達もその場を離れます。

ロクラル兵1「・・・悪かったな・・・いきなり殴ったりして。」
レイ「・・・・・・。」
レイに手を貸して 起き上がるのを助けます。

ロクラル兵1「・・・お前、昇級するために ここにいるんだろう? 隊長に目をつけられたら、昇級どころか、ここでは生きていけないぞ。」
レイ「・・・・・・目の前だった・・・・・・目の前が敵の本陣だったのに・・・。」
レイがつぶやきます。

ロクラル兵1「・・・・・・。」
レイ「・・・分かっている。隊長の命令は絶対だ・・・逆らうと生きていけない・・・しかし・・・・・・しかし、それじゃあ、俺は一週間何のために・・・ライルは何のために死んだんだ・・・。」
・・・ライル・・・? ライルとは誰でしょう? レイと どういう関係でしょう?

ロクラル兵1「レイ・・・お前の気持ちは分かる。しかし、死んだ者の事など考えている場合じゃないだろ。自分が生き残ることを考えろ。」
レイ「そんな・・・・・・俺の名前を・・・ライルの事を知っているのか?」
レイはロクラル兵1を見つめます。

ロクラル兵1「俺の名前はドリル。ライルと同じ村出身だ。あいつと俺は兄弟のように育った。」
レイ「・・・じゃあ何故・・・あんたは悔しくないのか?! あんな所でライルが死んで!」
レイがドリルに掴みかかります。

ドリル「・・・あんな所・・・? ここは戦場だ。何処だろうと関係ない。生きるか死ぬか・・・それだけだ。」
レイ「・・・・・・それでも俺は・・・あんな所で死んで欲しくなかったんだ。」
レイは唇をかみ締めて・・・その場に立ちすくみます。
ドリルは そんなレイの肩を優しく叩き、この場を立ち去ります。

1人になったレイは しばらくの間、そこを動こうとはしませんでした。
その後ろ姿は・・・とても悲しそうで、孤独に満ちていました。

ドリルが死んだのは、別の部隊に配属された この事件の直後の戦闘でした。

・・・ところで、ライルとは一体どういう人物だったのでしょうか?

次回は、レイとライルとの出会いと死について お話します。


では、今回はこれで。

風族のフーイの世界 日常編 火族 ロクラル Part.3

2007年09月16日 | 風族のフーイの世界 火族の日常編
第21回目は 自作WWAゲーム 風族のフーイ(カゼゾクノフーイ)の火族の日常生活の3回目(風族のフーイの世界 日常編 Part.1~2 の続き)です。

物体と背景の円舞曲(ワルツ) >風族のフーイ ( カゼゾクノフーイ ) >大陸地図、 設定 ( BOOKMARK )。
風族のフーイ 戦闘編 Part.1 ( RECENT ENTRY )。
風族のフーイの世界 日常編 Part.1~2( RECENT ENTRY )。 を参照してください。


ここは戦場、火族との国境近くの地族の領土です。
レイがいる部隊が ここで戦いを始めて一週間経ちました。地族の敵陣はすぐそこです。やっと、陥落する段階に入りました。

  キンッ! キンッ! ザクッ! ザクッ!
  クッ!  このッ!   ギャァーー!!
槍と槍がぶつかる音、地族兵士と火族兵士の戦いの声が こだまします。

この中に兵士となったレイがいるはずですが・・・見当たりません。
もっとよく捜してみましょう。

火族兵士「行けッ! 防衛網を突破しろ! ロクラル兵! 前に出ろ!」
ロクラル兵「うぉおおお!」
敵陣の近く。複数の地族兵小隊が集まって人垣を作っています。
その中央を、ロクラル兵がこじ開けようとしています。

火族兵士「ロクラル兵! 何をしているっ! はやく行け!」
次々と地族兵に戦いを挑むロクラル兵。
第五階級の火族兵達(以下、第五兵)は、ロクラル兵の間をすり抜けてきた地族兵士と応戦しています。
ロクラル兵が相手の陣形を崩し、第五兵が突入する作戦のようです。

第五兵士「行け! ロクラル兵! 突入しろ!」
ロクラル兵士「おおぉ!!」
地族兵士の人垣の中央が開きました。第五兵の出番です。ここで一気に・・・。

第五兵士「行け! ロクラル兵! 行けッ!」
・・・・・・一気に・・・行きません。ロクラル兵士が次々と突入していきます。
第五兵は、相変わらず戦いを挑んでくる地族兵の相手をしています。

第五兵士「行け! 行け! 行け!」
ロクラル兵士「くっっそぉおおお!」
必死に突入するロクラル兵士。息も絶え絶えです。
第五兵には余裕が見られます。ロクラル兵を先頭に立たせ、向かってくる地族兵士だけを相手にしているので当たり前です。

どうやら これは・・・ロクラル兵にとって とても辛い状況のようです。
戦いをロクラル兵に任せ、自分達は戦いの状況を見定めているだけのように見えます。

突入していったロクラル兵の中にレイの姿がありません。
ここには いないようです。
では、どこに・・・。
捜します。

敵陣、敵陣前のロクラル兵と地族兵。その後ろに第五兵。はるか後方に火族兵隊長の姿があります。その周りに 複数の第五兵士とロクラル兵達、そして地族兵達。その中に・・・。

火族兵隊長「やれ! 地族兵を倒せ!」
レイ「えい! やぁあああ!」
いました! レイです。
ロクラル兵達と一緒に、地族兵と戦っています。

全身に切り傷と刺し傷。血を流し続けています。見ていられません。
向かってくる地族兵達の中に 果敢に飛び込んでいきます。
火族兵隊長と第五兵達は、レイ達が傷をつけた少数の地族兵を相手にしています。かすり傷はあるものの、傷の深さはロクラル兵の比ではありません。

第五兵士「隊長! 大変です! 後ろから複数の地族兵が攻めてきました! こちらに向かってきています!」
火族兵隊長「何ッ?!」
地族兵部隊です。火族が敵陣を攻め、気を取られているうちに、逆方向から火族兵を取り囲む作戦だったようです。
火族兵隊長が何故か想定していなかった作戦です。

火族兵隊長「撤退だ!! ロクラル兵を集めて退路を固めろ!」
レイ「えっ?」
火族兵隊長の一声。レイは耳を疑いました。


この事が レイに影響を与えたことは間違いありません。
これからどうなっていくのか・・・推移を見守っていきましょう。

今回は これまで!!

風族のフーイの世界 日常編 火族 ロクラル Part.2

2007年09月09日 | 風族のフーイの世界 火族の日常編
第20回目は 自作WWAゲーム 風族のフーイ(カゼゾクノフーイ)の火族の日常生活についてお話します。

関連事項として、
物体と背景の円舞曲(ワルツ) >風族のフーイ ( カゼゾクノフーイ ) >大陸地図、 設定 ( BOOKMARK )。
風族のフーイの世界 生活編 Part.1( RECENT ENTRY )。風族のフーイ 戦闘編 Part.1 ( RECENT ENTRY )。 を参照してください。


火族は自分達の領土を広げる為に戦っています。( 風族のフーイ 戦闘編 Part.1  より)
しかし、戦う相手は他種族だけではありません。
王族から虐げられて国家転覆を狙う幾つかの 盗賊集団(と王族から呼ばれている)とも戦っています。
盗賊は王族の兵士と戦う基盤として、他の村を襲って場所や食料を調達することもあります。
大抵の場合、王族が村を助るために兵を送ることはありませんが、その場所が軍事的に有効な拠点になる場合や、一気に盗賊を倒せると判断した場合は兵士を送ることはあります。


火族兵となったレイはどうなったでしょう。捜してみます。

レイが故郷の村を出てから半年後、ここは風国寄りにある無人の村です。今は兵士の休息場所として使われています。
レイが居るはずですが・・・・・・居ました。村の入り口にうずくまって 動きがありません。
・・・顔色がすごく悪いです。病気でしょうか? 近づいてみましょう。

レイ「・・・・・・。」
病気ではないみたいです。すごく疲れている・・・。そんな様子です。一体何があったのでしょうか?
時間を半年前に戻してみます。


火族兵隊長「ロクラルの諸君! よく来てくれた! 君達の命はエリフ王の物だ! 全てを投げ打って戦いにまい進してくれ! そうすれば必ずや栄光を手にすることが出来るだろう! エリフ王と共に!!」
ロクラル達の大声「オオー!!」
4列に並んだ長蛇のロクラル達、槍を手に持っています。この中に・・・いました レイです。一緒に声を上げて大変興奮している様子です。

レイ「(心の声:よし、ここからだ。これから階級をどんどん上げて出世してやる。頑張るぞ!)」
気合が入っています。それは他のロクラルも同様のようです。

しかし、数メートル離れた場所で 彼等を冷ややかな目で見ている集団がいます。どうやら、第五階級の兵士のようです。
この村にいるのは第五階級とロクラルで構成された部隊のようです。
何か言っています・・・何でしょう? 聞き耳を立ててみましょう。

兵士1「・・・やれやれ、今日もバカどもが沢山集まってきたな。」
兵士2「まあ、そう言うな。俺達はアイツらのおかげで生きていけるんだ。感謝しなければな。」

兵士1「・・・それ、本気で言ってるのか?」
兵士2「もちろん正気だ。ロクラルには何度も助けられたんだ。お前だってそうだろう?」
兵士2がニヤリと笑って見せます。何か・・・嫌な感じがする笑い方です。

兵士1「はは、そうだな。その通りだ。俺も感謝することにするよ。」
兵士2「ああ、それがいい。大切にしてやろうぜ。」

兵士1「腹へったな・・・何か食いに行こうぜ。」
兵士2「ああ、そうしよう。・・・お前達も行くか?」
他の兵士達「ああ、行こう。」
兵士達が家の中に入って行きました。


火族兵隊長の話も終わり、レイ達ロクラルは明日行われる地国との戦いに備えて 地べたに座り、一生懸命武器を磨いています。その瞳は希望に満ちています。

この後レイに何があれば 半年後、あんな状態になるのか?

次回も引き続き、レイを見てみます。

では!


<解説>
ロクラル兵は基本的には家の中には入れません。外で 地べたで生活しています。雨が降った場合はテントが彼等の居場所です。しかし、テントの使用を許されることは滅多にありません。
この事からもロクラルは冷遇されていることが分かります。

風族のフーイの世界 日常編 火族 ロクラル Part.1

2007年09月02日 | 風族のフーイの世界 火族の日常編
第19回目は 自作WWAゲーム 風族のフーイ(カゼゾクノフーイ)の火族の日常生活についてお話します。
関連事項として、
物体と背景の円舞曲(ワルツ) >風族のフーイ ( カゼゾクノフーイ ) >大陸地図、 設定 ( BOOKMARK )。を参照してください。


火族は茶褐色の大地(岩、砂、火山)に囲まれた場所に住んでいます。
水源は地族、風族、水族の大地から流れてくるわずかな水と 地下水によって支えられています。
火国は地盤が固く、火山の噴火やそれに伴う地震以外では 地面を掘ることは、ほぼ不可能です。
炎を使った魔力は地面を溶かし、穴を開けるのに最も適していると言えるでしょう。

わずかな緑地から取れる植物や、岩場に生息する動物 などを食料にしています。もちろん他の種族から奪った物も・・・。
火族が争いを続けるのも、これらの生活環境が関係しているかもしれません。

火族は階級社会です。
火族の城を中心に火貴族が住む街があり、その近くに第二階級が住む街、第三階級が住む町があります。
そこから離れた場所に第四階級と第五階級と第六階級が住む村が点在します。
そして、最も住みにくい環境の場所に無数のロクラルの村があります。


それでは、ロクラルの日常を見てみます。

ロクラルの村の入り口に、二人の若者がいます。
手ごろな岩に腰掛けて、なにやら真剣な顔で話をしているようです。
二人の話を盗み聞きしましょう。

ロイ「・・・そうか、兵士に志願するのか・・・。」
レイ「ああ、俺はこんな所で一生を過ごすつもりはない、第二階級まで上り詰めてやる。最後には火貴族になるんだ。」

ロイ「・・・お前の妹はどうするんだ? ここに残していくのか?」
レイ「あいつには俺の気持ちは伝えてある。あいつもそれでいいと言ってくれた。」

ロイ「・・・そうか・・・。そうだよな。お前は昔から上を目指して訓練を続けていたからな。こうなることは分かっていたよ。」
レイ「離れていても俺達は・・・親友だよな・・・?」

ロイ「ああ、親友だ。どんなに離れていてもな。(心の声:お前が心変わりしなければな。)」
レイ「それでな・・・頼みがあるんだが・・・。」

ロイ「・・・頼み? 何だ? 俺で出来ることなら協力するぞ。」
レイ「妹を お前に頼みたいのだが・・・。」

ロイ「ああ。任せておけ。お前の妹だ。すぐに いい奴が見つかるさ。」
レイ「・・・お前がそのいい奴になってくれないか?」

ロイ「えっ? 俺? 俺は・・・。」
レイ「・・・駄目か? あいつもそれを望んでいるのだが・・・。」

ロイ「ほっ、本当なのか! それ!!」
レイ「・・・なんだ。安心した。これで心残りは全て無くなった。あいつの事、頼むぞ。」

ロイ「・・・お前も・・・死ぬなよ。」
レイ「ああ。約束する・・・。」



・・・・・・どうやら 話はついたようです。
二人の話に 聞き耳を立てるのはこれまでにしておきましょう。


< 解説 >
ロイはこの村でロクラルとして生きていくことを選び、レイは上の階級を目指すことを選んだようです。
ロクラルの村では、このような会話を何世代も繰り返しているのです。

ロイはレイに対して、心の声で「お前が心変わりしなければな。」と言いました。
レイはこれから戦場に身を置きます。大抵の場合、ロクラルの者は長い戦いの間に自分の育った村を忘れ、かえりみる事をしなくなります。
階級を上げると生まれを否定し、ロクラルをさげすむようになります。

< 俺はお前達とは違う。苦労を重ねてここまで来たんだ。何もせずに最低の生活に満足して死んでいくお前達とはな。 >

レイの場合はどうでしょう。知りたくなってきました。


< 次回 >
兵士になったレイと、村に残ったロイとレイの妹にスポットを当てます。

お楽しみに!!!