(2)「陽性」、実は「陰性」9割超 HIVとともに産み育てる 企画・連載 医療と介護 YOMIURI ON-LINE (読売新聞)
神奈川県内の主婦B子さん(21)は昨年2月、妊娠4か月の時、産婦人科でHIV(エイズウイルス)検査の結果を「陽性」と告げられた。考えもしなかった病名を突然告げられ、おなかの赤ちゃんと私、それに夫はどうなるのか――と混乱し、涙が出た。会計を待つ待合室でも、車を運転しながら帰る途中も、泣き続けた。
通常、HIV検査は「スクリーニング(ふるいわけ)検査」と「確認検査」の2段階で行われる。スクリーニング検査は、あくまでもふるいわけのための安価で簡易な検査。そこで陽性と出ても、その後、より精密な確認検査で「陰性」と判明する「偽陽性」である場合が少なくない。
特に妊婦の場合は、社会全体よりも陽性者の割合が低いため、スクリーニング検査で陽性とされる人の9割以上が偽陽性だという。B子さんの場合も、偽陽性だったことが後で分かった。
厚生労働省研究班が産婦人科病院2施設の協力を得て行った調査では、2004年9月から05年8月までの1年間にスクリーニング検査を受けた妊婦4424人中13人が陽性とされたが、確認検査でも陽性だったのは、13人中1人。12人は偽陽性だった。
だから、スクリーニング検査の結果が陽性だった場合、偽陽性の可能性を十分に説明することが重要だ。
ところが、医師が説明なしに陽性と伝えてしまうと、妊婦が「自分は感染している」と思い込み、パニックに陥ってしまうケースがある。
同省研究班が行った妊婦HIV検査の実態調査では、スクリーニング検査陽性の段階で「エイズです」と宣告された人や、「家族全員で泣き、大混乱した」人など、深刻な事例がみられた。
調査を担当したエイズ予防財団の矢永由里子さんは、「偽陽性の妊婦が、陰性と判明するまでの間に受ける心の傷については、これまで顧みられてこなかった。しかし、一時的とはいえ陽性と言われることで、夫婦間にひびが入る例もあり、取り返しがつかないことになる」と指摘する。
研究班では今後、どの段階でどんな説明が必要かを示した産科医向けの資料を用意することや、これまでに作成した妊婦向けパンフレットを分かりやすく改訂し、多くの産婦人科に置いてもらうことを検討している。
B子さんは、産婦人科で陽性と言われたその日のうちに保健所の保健師に電話し、偽陽性の可能性が高いこと、万が一陽性でも、母子感染を防ぎながら産む方法があることを知った。家族の支えもあり、確認検査で陰性と分かるまでの半月余りを何とか乗り切ることができた。しかし、最初にきちんと説明してくれなかった産婦人科への不信感は今もぬぐえない。
「こんな思いをする人を二度と出さないでほしい」と話している。
目からウロコです。
自分は注意していても、相手が疎かだと感染してしまうケースもあるので、コンドームは面倒くさがらずに使いましょう。
神奈川県内の主婦B子さん(21)は昨年2月、妊娠4か月の時、産婦人科でHIV(エイズウイルス)検査の結果を「陽性」と告げられた。考えもしなかった病名を突然告げられ、おなかの赤ちゃんと私、それに夫はどうなるのか――と混乱し、涙が出た。会計を待つ待合室でも、車を運転しながら帰る途中も、泣き続けた。
通常、HIV検査は「スクリーニング(ふるいわけ)検査」と「確認検査」の2段階で行われる。スクリーニング検査は、あくまでもふるいわけのための安価で簡易な検査。そこで陽性と出ても、その後、より精密な確認検査で「陰性」と判明する「偽陽性」である場合が少なくない。
特に妊婦の場合は、社会全体よりも陽性者の割合が低いため、スクリーニング検査で陽性とされる人の9割以上が偽陽性だという。B子さんの場合も、偽陽性だったことが後で分かった。
厚生労働省研究班が産婦人科病院2施設の協力を得て行った調査では、2004年9月から05年8月までの1年間にスクリーニング検査を受けた妊婦4424人中13人が陽性とされたが、確認検査でも陽性だったのは、13人中1人。12人は偽陽性だった。
だから、スクリーニング検査の結果が陽性だった場合、偽陽性の可能性を十分に説明することが重要だ。
ところが、医師が説明なしに陽性と伝えてしまうと、妊婦が「自分は感染している」と思い込み、パニックに陥ってしまうケースがある。
同省研究班が行った妊婦HIV検査の実態調査では、スクリーニング検査陽性の段階で「エイズです」と宣告された人や、「家族全員で泣き、大混乱した」人など、深刻な事例がみられた。
調査を担当したエイズ予防財団の矢永由里子さんは、「偽陽性の妊婦が、陰性と判明するまでの間に受ける心の傷については、これまで顧みられてこなかった。しかし、一時的とはいえ陽性と言われることで、夫婦間にひびが入る例もあり、取り返しがつかないことになる」と指摘する。
研究班では今後、どの段階でどんな説明が必要かを示した産科医向けの資料を用意することや、これまでに作成した妊婦向けパンフレットを分かりやすく改訂し、多くの産婦人科に置いてもらうことを検討している。
B子さんは、産婦人科で陽性と言われたその日のうちに保健所の保健師に電話し、偽陽性の可能性が高いこと、万が一陽性でも、母子感染を防ぎながら産む方法があることを知った。家族の支えもあり、確認検査で陰性と分かるまでの半月余りを何とか乗り切ることができた。しかし、最初にきちんと説明してくれなかった産婦人科への不信感は今もぬぐえない。
「こんな思いをする人を二度と出さないでほしい」と話している。
目からウロコです。
自分は注意していても、相手が疎かだと感染してしまうケースもあるので、コンドームは面倒くさがらずに使いましょう。