道はだれのもの?札幌21

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JA共済の“捏造広告”を許すな!(転載)

2013年04月12日 | 切抜き・転載

ツーキニストの疋田智さんが自身のメルマガで広告のウソにかみついている。本当の事を知らなければならない。


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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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JA共済の“捏造広告”を許すなの510号



■自転車事故の2/3は、自転車側の違反?

 4月6日付の全国のブロック紙、地方紙に、こんな広告が載った(私が確認したのは『東京新聞』東京版朝刊)。
http://or2.mobi/index.php?mode=image&file=53841.jpg
 JA共済のイメージ広告ともいえるものなんじゃが、いやはや、すごいなぁ。

「知ってるかな。自転車事故の2/3は、自転車側の違反なんです。」

 だそうな。
 これ、どう見たって、自転車事故の3分の2は、自転車に非があるように受け取れますよね。
 知ってましたか? 私は知らんかった。たぶん知る人はほぼゼロだと思う。
 なぜなら、事実と違うから。

 ヘッドコピーの後に、小さな文字で「※警察庁統計データによる」とあるけれど、これいったいどういうデータなんだろう。
 元ネタにあたってみると、こういう数字です。
http://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q&esrc=s&source=web&cd=3&ved=0CEkQFjAC&url=http%3A%2F%2Fwww.npa.go.jp%2Fkoutsuu%2Fkikaku%2Fbicycle%2Fkondankai%2Fsiryo1-2.pdf&ei=Sa9fUbCMOKqWiQfQyYDYBQ&usg=AFQjCNEdnr52Nzvzyypox1i3KB5jp5xYEQ&sig2=l60hyApRqlFLnBi539odCA&bvm=bv.44770516%2Cd.aGc&cad=rja

 上記↑の資料の2ページ目、たしかに事故自転車の2/3に法例違反があるということが書いてある。統計上それは事実だ。警察庁の言葉では「自転車乗用中の死傷者の3分の2に何らかの法例違反」。
 ただ、それは「自転車側が悪い」ということを指しているわけじゃない。

 あらゆる自転車事故は「あちらが悪い、こちらが悪い」と軽々に決めつけられるものではなく、双方に法例違反があり、双方に過失がある場合の方が多いわけだ。つまり2/3の事故自転車に法例違反があるのと同時に、クルマ側にも(歩行者側にも)法例違反がある場合が多々あるというわけ。
 中でも、今回の警察庁資料にあげられた「自転車側の違反」については、過半数が「安全運転義務違反」つまり、ハンドル操作不適、安全不確認、前方不注意、動静不注視などを指していて、そういう事故の場合、ほとんど、それ以上の過失がクルマ側に認められているのだ。

■正解は「自転車側が第一当事者の割合は15.4%」

 では、そうした状況の中、自転車が「一番悪い」と認定されたのは、どのくらいの割合なのだろうか。
 つまり「自転車が第一当事者」の事故のことなんだけど、警察庁の資料によると、これが15.4%(「交通統計平成23年版」(警察庁交通局)平成24年7月発行)。
 6分の1弱だ。
「自転車事故の2/3は自転車側の違反なんです」は、完全無欠の虚偽なのである。

(あと略)