道はだれのもの?札幌21

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(NHKニュース)バス専用レーンに自転車レーン 東京

2015年01月01日 | 切抜き・転載

12月25日 18時30分 ※コメントのみ

東京・世田谷区の国道246号線など、左側の車線がバスの専用レーンとなっている道路では、専用レーン上を走る自転車が、バスを追い越そうとして内側の車線にはみ出すなどして、ほかの車やバスと接触する事故が相次いでいます。警視庁は、バス専用レーンの左端に自転車の通行レーンを試験的に設置し、左端の通行を呼びかけるとともに、バス事業者に対しても改めて安全運転を求めていくことになりました。

東急バスや小田急バスが路線を持っている東京・世田谷区の国道246号では、いちばん左側の車線にバスの専用レーンが設置され、午前7時からの通勤時間帯は交差点で左折する場合を除き、バス以外の自動車は走ることができません。
一方で、自転車は車道のうち左側の車線を走ることがバス専用レーンであっても認められているため、通勤時間帯などには、専用レーン上をバスと自転車が交錯しながら走る状態が続いています。
急いでいる自転車が、バスを追い越そうとして内側の車線にはみ出して、ほかの車やバスと接触する事故があとを絶たないほか、専用レーンの真ん中辺りをゆっくり走る自転車が、バスの通行の妨げになるケースもあとを絶ちません。さらに、自転車が駐車中の車とバスとの狭い隙間をすり抜けるように走る様子もよく見られます。
国道246号線のこの区間には歩道もあり、自転車の通行も認められていますが、急いでいる自転車がバスを避けて歩道を走ると、歩行者との接触事故の危険性も高まります。
こうした現状に、警視庁や国土交通省などが対策を検討した結果、自転車とバスの双方の安全を確保するため、バスの専用レーンの左端に自転車の通行レーンを試験的に設けることを決めました。
国道246号のうち、世田谷区の三軒茶屋の交差点と駒沢の交差点の間のおよそ2キロの区間が対象で、警視庁などでは自転車の利用者に対し、専用レーンの左端を走って、内側の車線にはみ出さないよう呼びかけることにしています。また、バスが左端に寄ることになるバス停では、左端を自転車が無理に通ると、乗り降りする乗客と接触する危険があるので、自転車はバスが出発するまでバスの後ろで待つよう求める考えです。
ただ、専用レーンの道路の幅自体が変わるわけではないため、バスも自転車の通行レーンの一部をまたぐ形で走らざるを得ないのが実情です。
警視庁などでは、自転車の利用者などへの周知を図るとともに、バスの運転手に対しても事業者を通じて安全運転を求めながら、一部の区間では、来年2月から通行レーンの運用を始め、どれほど効果があるか検証するということです。

「同じ道路を使っている共通認識を」

警視庁交通規制課の椎名康雄管理官は「今回の取り組みは自転車の走行空間を整備する1つの手段で、安全意識の向上を図ることと組み合わせることで、交通安全をさらに進めていく一歩につながり、事故を防止できるようになればと思っている」と話しています。
そのうえで、「自転車の利用者は今回、設置するレーンに沿って道路の左側を走り、バスが停車、発車するときは注意をする。さらに信号待ちの車両の脇をすり抜けて通行しないようにしてほしい。自転車、バス、自動車が同じ道路を使っているという共通認識を持ってもらい、安全運転に努めていただきたい」と話しています。

「自転車危険走行は車内転倒の誘因」

この区間で、路線バスを運行している東急バスは「バス専用レーンで自転車の危険な走行があると、バスの運転手が急ブレーキや急ハンドルをせざるをえず、お客様が車内で転倒する誘因の1つにもなっている。自転車の利用者が安全走行を心がけるきっかけになり、われわれバス事業者が一層、安全運転を徹底することで、交通事故の減少につながってほしい」とコメントしています。