道はだれのもの?札幌21

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「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案」に対するパブリックコメント(2)

2011年08月25日 | 記事

(札幌市 T.F. 生)


1. 一方通行標識導入の効果と弊害を考慮、検討し、導入の条件を明記してください

通常車両用の一方通行は、そこを逆走すると違和感がある(*1)ため、すぐにわかることが多く、誤って逆走を続けてしまうということは少ないです。しかし、本改正の自転車用一方通行は、このような違和感を感じにくく(*2)、自転車利用者が誤って逆走していることに気がつきにくいことが予想されます。
よって、これまでの対面通行の自転車走行空間と同じ利用を(誤りの認識なく)続けてしまい、期待する効果が得られない可能性があります。
そのような状況において、一方通行を前提として幅員を狭くした場合には、対面通行を前提をしていないため、自転車走行の安全性低下、事故発生の増加も懸念されます。
以上により、一方通行標識を導入するにあたっては、その運用に細心の注意を払わなければ、法改正の趣旨とは異なる結果を生む可能性があり、慎重な検討が必要と考えます。そのため、一方通行導入の条件を検討し明記してください。効果が期待される路線の条件、または弊害が懸念されるため導入してはいけない路線の明記をお願いいたします(*3)。


 2. 自転車歩行車道への導入は慎重に、導入するなら自歩道の改善をお願いします

自転車用一方通行標識の導入は、自転車道と自転車歩行者道(以下「自歩道」と表記)が対象となっています。
自転車道の場合は、歩道、車道と物理的に分離された独立した走行空間であるため、一方通行の標識(自転車道の入口/出口/途中)は認識しやすいと考えられます。これは、現存する自転車道について、自転車専用道を示す標識をほぼ確実に認識できる状況にあることからも推測できます。
しかし、自歩道の場合は、一方通行の標識を認識することは困難と推測されます。これは、今自分がいる歩道が自歩道かすらもわからない状況にあるからです(*4)。よって、ここに自歩道標識と同様の規定により一方通行標識を導入しても、自歩道かどうかわからないのと同程度に一方通行かどうかもわからないという状況になることは十分に想定できます。
歩道(自歩道)を自転車が走行する場合は、進行方向に対して車道の左側の歩道を走ることが安全性が高いと言われています。よって、そのような方向に一方通行とすることを想定しての本改正であると認識しています。その趣旨は価値の高いものと考えますが、上記自転車利用者にとって認識が困難な状況を改善することを合わせて検討することをお奨めします。
この改善がなされないと、一方通行がなかなか守られず(これは標識を認識できないのですから、モラルやマナーや法令順守意識の問題とは少し違う次元の問題と思います)、歩道(自歩道)上の歩行者と自転車が錯綜する状態の改善は、あまり期待できない可能性があります。
自歩道には自転車マークをペイントしたり、自転車走行部分(歩道の車道寄り)を色分けするなど、すぐに分かる状況になっていることを条件として導入すべきと思います。


 3. 安全とされる自転車レーンの設置を促進すべく、道路構造令の改正も検討してください

毎日新聞(2011/7/22)に、全国98地区の自転車モデル地区の結果に関する記事が掲載されていました。この記事では、自転車道、自転車レーン、自歩道導入による安全性向上の比較がなされ、自転車レーンの安全性向上が一番効果が高いことが示されていました。
自転車レーンは、全国における導入延長距離は他の走行空間(自転車道、自歩道)と比べて短く、私の住んでいる北海道では1mも存在しません。安全性が高いことが示されていますので、ぜひ導入を推進してほしいです。
しかし、道路構造令には自転車レーンについての明確な規定がなく(通常の専用レーンの一つと解釈するしかない)、各自治体においては、瑕疵担保責任などから、自転車レーンの導入に慎重になりすぎているように推測します(*5)。
「新たな自転車利用環境のあり方を考える懇談会」や「柔軟性のある道路構造令のあり方検討委員会」の提言書では、この自転車レーンの必要性、そして法令についての検討、見直しの必要性も記載されています。特に後者では、道路構造令に規定のない自転車レーン等を含めた、自転車走行環境のあり方を検討する必要性が強調されています。
ぜひ、道路構造令の改正を行って自転車レーンの構造を明記し、安全性の高い自転車レーンの導入が促進されることを願っています。


(*1)標識が全て反対方向に向いている。両側に駐車車両がある。など、明らかにおかしく違和感を感じる点がいくつもあるため、逆走しても早々に気がつくことが多い
(*2)通常車両の車道(対面通行)に並行して設けられる場合には、(*1)にある違和感は発生しない。また、既存の一方通行道路では「自転車を除く」としていることも多く、自転車利用者は一方通行道路を逆走行することにあまり違和感を持っていないこともある。
(*3)道路構造令に自歩道、自転車道の設置基準も示しているので、そこへの追記になるのかもしれません
(*4)自歩道標識が500m~1000mの間隔で設置されている道も多く、最悪1000m走ってみないと、ここが自歩道かどうかを認識できないという切実な問題があります。せめて歩道上に自歩道を示すペイント(自転車マーク)を一定の間隔で設置するなど、ここが自歩道であることを認識しやすい環境を作る必要があります。これなくしては、一方通行標識を導入しても、その効果はほとんど期待できないと予想されます
(*5)「柔軟性のある道路構造令のあり方検討委員会」を設置しなければならないほど運用が難しい状況にあることも、より慎重に消極的にならざるを得えない状況にあるのだと思います



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