一気にブルースの世界。

2006-01-28 01:44:25 | 音楽 Musique
地下鉄の駅構内で演奏してる人たちがいます。

私が毎日のように利用するグランドセントラル駅は複数路線の交わる主要駅ということもあって、いつも誰かが何かしらのジャンルの音楽を演奏してます。自分の列車が来るまでただ時間つぶしに聴いてることもあれば、演奏に心をひかれて自分の電車が来ても乗らずに近くに寄って演奏を眺めてることも。そんなときは彼らの前にある帽子や楽器入れなど箱に、演奏をありがとうとお礼にちょこっとお金を入れます。嫌なことがあったり、電車のダイヤが狂って(これがまたしょっちゅうあるんだ)、人ごみの中で待つのにイライラしそうになっても、彼らの音楽があったら心が和んでいくし、待つことが苦痛でなくなっちゃった、ということもある。音楽ってすごいなあと、音楽の心へもたらす効用をこんな地下鉄という場所でも実感させられるのでした。

彼らは、Music Under New York”という”MTA NEW YORK CITY TRANSIT”(メトロポリタン交通局のニューヨーク市都市交通)公認のプログラムのもとで演奏してるアーティストたち。サイトによると年1回かオーディションを行って、合格した人たちが駅構内で演奏するそう。目印は彼らの名前が入ったMUNYのポスター。それが彼らが公認であるサイン。昨日も3人組のブルースバンドが駅にいた。前も見かけたことあるけど、昨日はPとじっくり聴きました。
 
ここに住み始めてから最初にアメリカ国内で一人旅したのがテネシー州メンフィス。ブルースを初めて知ったのはいつだったのか覚えていないけど、聴いた瞬間、胸に来た。一気にホレました。それ以来メンフィスはずーっと憧れてた街でした。すっかり観光地化してて、ブルースのソウルみたいなのはあまり感じられないなあとは思ったけれど、それでもブルースが発祥した土地です、ライヴハウスでブルースを聴き、レコード屋をあさり回りました。

昨日演奏を聴いてたらいっきに気分はメンフィス。しがれ声にブルースギターのメロディがたまらない。胸にがんがんきます。なんだろ、このブルースを聴くたんびに感じる不思議な感情、ブルースで育った訳でもないのに一瞬で自分の懐かしい場所に戻ったように心が震えます。ヴォーカルの彼の左となりは女性、タンバリンをならしてて、右にはベース、アジア人の男性。Pは違うかもと言ったが日本人に見える。またこの人のベースがいいんだ。もうシビレます(死語)。

お礼を入れるのでなく、$10ドルで売ってた彼らのCDを買い、ありがとうと言って電車に乗りました。家に帰って早速このアルバム、“CRACK ALLEY”を聴いてます。
彼らについてネットで調べたら、ヴォーカルとギターを弾いてるメインのパフォーマーFloyd Leeさんはサイトも持ってて、デルタブルースのミシシッピー州出身でした。びっくりすることも判明。日本に何度もツアーに行ってるじゃないの!日本語のサイトまであるし!サイトによると、日本ではブルース演奏家としてなかなか知られているらしい。数年前彼は日本人男性と一緒に地下鉄駅構内などで演奏してて、日本ではこの人と共演してるみたい。一番最近は去年の9月の来日。昨日見たベースのアジア人とは違う人みたいだけど、やっぱりあれは日本人の男性かもなー。

久々ブルースの世界に酔ってます。他のブルースアルバムも棚からひっぱりだして、この際いっぱい浸っちゃいます。

写真はFloyd Leeさんのサイトからお借りしました。