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葉が縮れる(2) ウイルス感染によるもの

2011年08月10日 | 防除
トマトの葉が急に縮れたようになる原因は、
大きく分けると4つが考えられます。

(1) ホルモン処理によるもの
(2) 水や肥料のやりすぎ
(3) 除草剤によるもの
(4) ウイルス病によるもの

(1)~(3)については、「葉が縮れる(1) 栽培管理によるもの」
記しました。

(4) ウイルス病によるもの

葉が縮れ、モザイク状に色の濃淡があり、
作業をしているうちに
症状が少しずつ拡大しているように感じられる場合は、
ウイルス感染を疑います。
葉脈や茎に黒い筋が現れたり、
葉の色が抜けて黄色っぽくなったりする場合もあります。
果実も着色がまだらになったり、
茶褐色のしみ状のものが出たりすることもあります。
初期に感染すると生育が止まってしまう場合があります。

トマトに感染するウィルスは、
タバコモザイクウィルス(TMV)、トマトモザイクウィルス(ToMV)、
キュウリモザイクウィルス(CMV)、ジャガイモXウィルス(PXV)、
トマト黄化えそウィルス(TSWV)、トマト黄化葉巻ウィルス(TYLCV)
などがあります。

これらのウィルスのうち、タバコモザイクウィルスと
トマトモザイクウィルス以外での
種子伝染や土壌伝染は、認められていないようです。

何のウイルスに感染しているのかを知るには、
農業試験場などに依頼し、
遺伝子診断で鑑定してもらう必要があります。

ウイルスの種類ごとに
媒介する昆虫や、感染経路の特徴が
少しずつ違います。
また、抵抗性品種で対応できる場合があります。
そういうわけで、ウイルス診断をしてもらうと、
原因究明と今後の対策を考えるのに役立つことが有ります。

ただし、ウイルスに感染してしまったた株は、
抜き取って処分するしかありません。
多くの場合、アブラムシやアザミウマ、コナジラミなど、
草木の汁を吸う昆虫によって伝染していきます。
また、収穫や脇芽取り、摘葉などの作業で、
手やハサミに付いたトマトの汁液を通じて
他の株に移っていきます。
ですから、感染株の拡大を防ぐためには
感染源をできるだけ減らすことが重要です。
感染株を除くだけでなく、
害虫の早期防除と、害虫の住みかや感染源となる除草も
大変重要です。

これら4つのケースに当てはまらない場合、
種の素質が原因ということも
あるのではないかと思います。
そのような場合は、生育異常の株はわずかであり、
症状が他の株へ移るということもありません。
しかし、結実が見込めなければ、
管理のわずらわしさや養分競合などを勘案し、
抜き取ってしまう方が良いと思います。


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