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葉面散布について

2011年07月12日 | 栽培管理
植物は本来、根から水と肥料を吸収しますが、
何らかの条件で根張りが悪くなって生育が衰えたり、
根からの養分吸収が生育に追いつかず、要素欠乏になったりした場合に
水に溶かした肥料を葉から吸収させる方法があります。
これを葉面散布と呼んでいます。

葉面散布専用の資材が売られているので、
それを利用するのが良いと思われますが、
普通の液体肥料を薄めて使うこともできます。
ただし、濃度が高いと葉が枯れてしまうことがあるので
注意が必要です。

葉面散布剤はもともと保証成分がそれほど高くなく、
これを薄めて使い、さらに霧にして散布するのですから、
一回の散布で植物にかかる量は少なくなります。
ですから、そこから吸収される肥料成分量はわずかであると
考えた方が良いでしょう。

ですから、生育の悪い株を葉面散布で元気にさせる
というのは、かなり難しいのです。
生長には窒素、リン酸、加里などの
多量必須要素が関係しているからです。
前述のように葉面散布くらいの量では、
小さい植物ならば意味もあるかもしれませんが、
大きい植物では必要量には追いつかないでしょう。

そこで、トマトのように大型になる植物については、
生育の衰えを防ぐために多量必須要素を補給しようとする場合、
根の状態が回復するまでの間の応急処置という考え方で行います。
吸収させる量を確保するため、少なくとも1週間以上、
1~2日毎に、集中的に続ける必要があるでしょう。

一方、品質向上のためにと、
薬剤に葉面散布剤を混ぜるなどして
週1回や10日おき程度の頻度で使っても、
先述のように、多量必須要素の補給という観点からは
意味があるのかどうか、疑問が残ります。

一方、微量要素欠乏の対処法としては、
ごく少量が植物に吸収されればよいので、
植物体へ全体に早く届けられる葉面散布の効果が高いです。

葉面散布を行う時は、
古い葉よりも新しい葉のほうが吸収しやすいこと、
葉の表面よりも裏面のほうが吸収しやすいことを
留意しておくとよいと思います。

葉面散布は、根からの吸収が健全であれば、本来は必要ない作業です。
生育不良で、葉面散布をしなければならないのであれば、
ほ場の環境、透排水性・土壌物理性、作土深、施肥量などを
検証してみましょう。
次に作付けする時には根が健全に生育する土壌環境になるように
できるだけ整えることが、何よりも大切です。


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