goo blog サービス終了のお知らせ 

とまとのへや

トマト栽培についての情報を中心に。

子葉、下の本葉が黄化する(育苗後半)

2020年06月22日 | 育苗
トマトボット苗の育苗において、
後半に向かって子葉が黄色くなって枯れ落ちてしまったり、
その後、その次の本葉1枚目の色が
抜けてきたりすることがあります。

他の症状と合わせて原因を考えてみます。

(1)全体的な苗の葉の色は濃いのに、子葉や下の葉だけが黄色く枯れる

これは、育苗環境がかなり乾燥しているか、潅水量が不足していると考えられます。
草丈が低く、葉が小さくかたい感じで、濃緑色の苗ではないでしょうか。
あるいは、常にしおれ気味にして管理し続けていないでしょうか。

トマトの育苗では、苗をあまり徒長させないようにと
潅水量を控える傾向があります。
けれども、水やりを控えすぎると、苗全体に養分が行き渡らなかったり、
うまく代謝ができなくなったりして、
ストレスが強くなりすぎてしまい、
古い葉から落としていって生き延びようとするのだと考えられます。

この場合の対処法は、単純に潅水量を増やすことです。
定植が近いのであれば、天気の良い日に少しずつ水の量を増やすか、
回数を多くしていってみます。
そうするとおそらく、数日で
生長点付近の色がみずみずしい緑色となって、
生き生きとした苗の姿になると思います。

(2)全体的に苗の葉の色が薄くなってきている

このような場合、多くはポット用土の肥料切れと考えられます。
OGPイメージ

葉の色が薄い 育苗後半編 - とまとのへや

前回はトマト育苗前半の葉の色でしたが、トマト育苗後半で葉の色が薄くなるのは、ほとんどの場合肥料切れですね。鉢土の肥料を苗が吸収し尽くした状態...

葉の色が薄い 育苗後半編 - とまとのへや

 


(3)育苗する期間がいつもより長くなってしまった

第1段花房の花が2つ以上咲いてしまっているなら、植え遅れ(老化)とみてよいでしょう。
OGPイメージ

苗が老化した - とまとのへや

ポットの肥料が切れてしまい葉色が薄れたり、根がポット中を巻きすぎてしまうような苗になることがあります。これを老化苗と呼んでいます。老化苗は、...

苗が老化した - とまとのへや

 




苗が老化した

2006年03月22日 | 育苗
ポットの肥料が切れてしまい葉色が薄れたり、
根がポット中を巻きすぎてしまうような苗になることがあります。
これを老化苗と呼んでいます。

老化苗は、光合成能力も発根力も
「老化」してしまった状態ですから、
もしもこれを植えるのであれば、
これらの能力をなるべく回復させてやることが必要です。

すぐに定植できる状況ならば、ポットに液肥で追肥を行い、
花が咲いていなくても早く植えてしまいましょう。
早く植えることで、ベッドでの根張りの期間が増え、回復も早くなるでしょう。
植えてしばらくは液肥を与えるか、
速効性の化成肥料をひとつまみ株元に置いて潅水するなどして
回復を促します。

すぐに植えられない場合で、根が巻きすぎている場合は、
荒療治ですが、ポットをたたいたりもんだりして、根鉢を切って新しい根を出させます。
「手術後」は、十分に潅水して温度を高めに確保し、体力の消耗を減らすようにします。
葉面散布をして葉色を回復させましょう。
あるいは余裕があるならば、一回り大きいポットに植え替えて、
速効性の化成肥料を与え、根張りのスペースを作ることも有効です。

苗の丈が伸びる 育苗後半編

2006年03月14日 | 育苗
育苗後期で苗が伸びるのは、
前期同様に地温と水分が関係している場合と、
日当たりが悪い場合とがあると思います。

日当たりの悪い場所で育苗をすることはないと思いますが、
日照が弱い(弱光)条件がないかを考えてみます。

まず、ビニルが古くなっていないでしょうか。
そして保温のために、ビニルを何重にもかけている場合は、
弱光条件になりやすいです。
曇天でも太陽の光は意外と強いですから、
昼間はなるべく内側のビニルを上げておいた方がよいでしょう。

また、ポットとポットとの間隔が狭いと、
これは弱光もありますが、光の奪い合い(競合)が起こります。
光競合すると、植物は上に伸びようとしますから、
結果的に草丈が伸びてしまいます。
できるだけ隣のポットの苗とは葉が触れないくらいに
間隔がとれると理想的です。

苗が細長く伸びる

2006年03月08日 | 育苗
鉢上げ後、苗の節間が長く伸びてしまうのは、
鉢の水分が多く、夜温も高いためです。
鉢上げ後の夜温は確保した方が、
活着も良く、花芽の分化にも良いので、
できるだけ動かしたくはありません。
そうなると、鉢上げをする時の鉢土の水分を見直すことになりますね。

しばらく水やりをしなくてもよいようにと、
たっぷりやりすぎている場合が多いと思いますので、
鉢上げ前の潅水量を減らすようにします。

前にも書きましたが、
鉢土を強く握って、水がわずかに滴るか、
軽く握ると土がまとまり、指で軽くつつくとほぐれる程度の
水分を目指します。

こうして見ると、最初の鉢土の水分は
色々な意味でポイントになっていますね。

苗が生長しない

2006年03月07日 | 育苗
鉢上げしてから一向に苗が生長しないように思える場合、
まだ土の水分は十分にあるはずですので、
地温を疑ってみましょう。

(もちろん鉢土が乾いてしまっている場合は水も与えますよ)

ポットの地温を計ってみて、低い場合には
原因を調べなければなりません。

春先の低温期は、苗床に温水パイプを通しますが、
ボイラーがきちんと回って、温水が通っているでしょうか。

地温を計っているボイラーのセンサーは、
ポットを置いている床ではなく、
ポットの中の土に挿してあるでしょうか。

低温期の育苗開始期は、
25℃くらいのぬるい水で潅水するのがベストです。
それができない場合も、日がよく当たる場所くみ置きして
なるべく水温を上げてからにしましょう。

水分があっても、地温が十分にないと
根は成長できません。
根張りの弱い苗は、茎葉も弱々しくなります。

育苗期は、根をたくさん出させるような管理を目指すことが、
大きなポイントです。

鉢土の条件

2006年03月06日 | 育苗
話が前後しますが、鉢土についてです。

育苗期の苗は繊細です。
光や温度・水分といった環境の急激な変化には弱いですし、
病害虫にもおかされやすいです。

そのような苗を上手に育てるために、
鉢土は、
①排水性・通気性・保水性がよい。
②十分な肥料分がある。
③病原菌や害虫がいない。
などの条件を備えていることが必要です。

多くの場合、鉢土のもとになる土(原土)と
有機物を混ぜることでできます。
トマトなら原土と有機物の割合を
3:7~5:5の間にすればよいでしょう。
原土には水田の土や、山の深層土、池の底の土などを使うと、
病原菌や害虫が少ないでしょう。
有機物には完熟堆肥か、ピートモスなどが使いやすいです。

そうして、肥料をよく混ぜ合わせると、速成床土ができあがります。
堆肥を使う場合は濃度障害に気をつけましょう。
また、ピートモスはpHが低いものが多いので、
炭カルなどを使ってpHを調整しましょう。

普及センターや農業センター、農協などで
pHやECを調べてもらい、肥料の量を決めると安全です。

葉の色が薄い 育苗後半編

2006年03月02日 | 育苗
前回はトマト育苗前半の葉の色でしたが、
トマト育苗後半で葉の色が薄くなるのは、
ほとんどの場合肥料切れですね。
鉢土の肥料を苗が吸収し尽くした状態と言ってもよいかと思います。
そこで、速効性の液体肥料で追肥します。

葉の色がすっかり薄くなってしまってからでは遅いですので、
怪しいと感じたら、いつでも追肥できるように準備をしておきましょう。

液肥の濃さですが、
少量で濃いめのほうが色は早く戻ります。
ただし、葉にかかると葉が焼けてしまうので注意が必要です。
その心配があれば薄めで、何回か与えます。

肥料切れは、気温が高くて鉢土が良く乾き、
潅水量が多いと起こりやすくなるようです。
また、最も速効性がある硝酸態窒素を多く含む肥料では、
効きが早いですが、無くなるのも早いので、
肥料切れも起こりやすいでしょう。

苗は大きくなるほどに肥料を必要とするので、
はじめの小さいうちから、どんどん効いていなくてもよいのです。

トマトの育苗は30-40日程度と長めですから、
育苗中盤から効き出してくるような肥料が効果的です。
したがって、硝酸態窒素主体のものよりは、
アンモニア態窒素が多めのほうがよいと考えられます。

あるいは、速効性のものと30-40日で効き出す緩効性肥料とを
混ぜるのも、良いアイデアだと思います。

苗の葉の色が薄い

2006年03月01日 | 育苗
プラグ苗を定植して2週間前後のころ、
苗の伸びは普通なのですが、
苗の葉の色が全体的に薄い場合は、
鉢上げ時のポットの水分が多すぎたと考えられます。

プラグ苗での移植では、根の傷みは少ないはずですので、
ポットに水分が多すぎると、苗は水を吸っていきます。

肥料も入っているので色はあせないだろうとも思うところですが、
ごく初期にはそれほど肥料分をたくさんは必要としませんし、
鉢土の肥料がまだあまり水に溶けていないのかもしれませんね。

そのようなわけで、肥料分の薄まった水を吸って、
葉の色が薄くなってきていると推測されます。

葉の色を回復するには、
鉢土が乾いたら少量ずつ潅水していくと、色は戻るような気もしますが、
心配ならば窒素分の多い葉面散布剤を使います。
毎日か一日おきに、一週間程度続けて様子を見ます。

そして、次回はポット土の水分を少し減らしてみてはいかがでしょうか。
土が練られるぐらいになっては水分が多すぎます。
土をぎゅっと強く握って、水がしたたり落ちる程度でよいのではないでしょうか。
あるいは、
土を軽く握ると固まり、それを指でつつくとバラバラになるところよりも
若干水分を多くする感じでしょうか。
・・・言葉で説明するのは難しいですね。

苗の葉がおかしい

2006年02月28日 | 育苗
セルトレイの苗をポリポットへ鉢上げし、
しばらくすると、色々な姿の苗が出てくることがありますね。
・葉が縮れている
・葉の色が斑に薄い
・葉が細い
・子葉が3枚ある
などです。

このような症状の苗は数も多くなく、
1000鉢のうち、多くて10鉢程度ではないでしょうか。

これらの原因は、はっきりとはわかりませんが、
病気や薬害・肥料焼けといった栽培管理の問題ではなく、
おそらく、その苗の生まれつきのものでしょう。

このような苗は、植えてもきちんと育たないと思われますので、
(育てたことがありませんが、おそらくダメでしょう)
処分してしまいましょう。