『勤務地シンガポール』

残りの人生どう生きるか迷い続けてこのまま終わってしまいそうです

左右の手

2008年01月27日 | 心に響くことば

 明治時代の歌人、伊藤左千夫のよんだ歌に、「赤玉の、つぼみの牡丹、左右の手に、持ちつついつか、児はいねにけり」というのがあります。幼い子が、赤い玉のようなつぼみの牡丹の花を両手に持ったまま、いつの間にか寝入ってしまった、という内容の歌です。

 興味深いのは、「左右」と書いて、「まて」とよんでいるところで、少し調べましたら、「左右の手」とは「真手(まて)」ということ、つまり両方の手がそろっているということのようです。

 また、「ま」とは「誠(まこと)」、「真言(まこと)」の「ま」で、それには、“二つで一つ”という意味があるとのことです。

 昔サラリーマンに成り立ての頃、目上の人に対してどのようにビールやお酒を注ぐか先輩等から習ったものです(笑)。決して片手ではなく両手をそえます。正座さから挨拶するときも両手をそえます。みんな二つで一つなのですね。また寺社仏閣に参拝するとき、祈るとき、両手を合わせますが、この手のひらは“たなごころ”と言って、意味は“手の心”だそうです。

 二つ合わさって一つ。良いも悪いも合わさって一つというのが、「まことの心」であり、また、私たちのまことの姿ということなのでしょう。

 今週もいろいろなことが起こると思いますが、あせらず“両手”をそえて、しっかりやって行きたいと思います。


 写真、今日のシンガポールは、日中は写真の通り快晴でしたが、夕方にかけて少々曇り空になりました。雨が降らなければいいのですが。