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「学歴は社会の役に立たない」は本当?
「学歴なんか、社会では何の役にも立たない」
そんな言葉を耳にすることもあると思いますが、そう論じる本人自身はたいてい高学歴だったりします。高学歴ならば成功者になれるわけではないですし、成功者が皆高学歴であるというわけではありませんが、こと大部分の人にとって、学歴と生涯稼ぐ所得というのは、統計上は強い正の相関があります。要するに、高学歴ほど人生の稼ぎは大きいわけです。学歴別に生涯賃金を比較すると、それは明らかです。
厚労省の賃金構造基本統計調査の「退職金を含めない学歴別生涯賃金比較」によれば、大企業に就職した大卒男性の生涯賃金は約3億1000万円。対して、大企業に入った高卒は2億6000万円で、同じ規模の会社に入っても、大卒と高卒とでは生涯賃金に5000万円の差がつきます。さらに、小さい企業に入った高卒の場合は、生涯賃金は1億8000万円に下がるので、大卒大企業就職組と比較すると、ほぼ倍近い1億3000万円もの差が開いてしまいます。女性においても、この傾向は一緒です。
こうみると、将来の所得を考えるならば、勉強が嫌いと言っている場合ではなく、なんとか大学へ進学すべく努力したほうがいい、と言ってしまいそうですが、問題は本人の努力以前にあります。
そんな残酷な現実のお話をします。
私大の授業料はどんどん高くなっている
文部科学省の学校基本調査(確定値)によれば、2020年度の4年制大学進学率は54.1%に達し、(短大も入れると58.5%)過去最高を記録しました。が、その一方で、進学した学生の親の負担が増え続けています。国立大学の授業料はともかく、私立大学の授業料の上昇率は、大卒の子を持つ親世代(45~54歳)の父親の平均給料の伸びよりはるかに高いものになっています。
つまり、親の給料はこの30年間全然上がっていないのに、大学の授業料だけは右肩上がりに高くなっているということです。グラフの数字は私立大学全体の平均値であって、理系、特に医学部など高額な授業料が6年かかる学部の場合はさらに負担が重くなります。
親の負担は授業料だけにとどまりません。地方から東京など都市部への進学をする場合には、家賃や生活費の仕送りなども考慮しないといけません。仮に、月10万円の仕送りをしたとしても、年間120万円の出費で、これは私立大学平均授業料すら超えます。
都道府県別の大学進学率とその年齢の子を持つ40~50代が世帯主の世帯所得中央値(2017年就業構造基本調査)をみると、0.7という強い正の相関もあります。親の所得が子の大学進学率に直結している何よりの証拠です。
子どもの将来は生まれる前から決まっている
このように、子の大学進学は、試験の成績だけではなく、親の経済力がないとそもそも無理なのです。親の経済力によっては進学そのものをあきらめる子もいるでしょうが、どうしても進学したい若者は、奨学金を借りて進学することになります。その先には、よりつらい現実が待っています。運よく大企業に就職できた学生はまだしも、給料の安い会社にしか就職できなかった場合には、その中から自分の生活費と奨学金の返済というダブルの支払いを課せられることになるからです。
本人の学歴によって将来の所得格差が生まれるという局所に目がいきがちですが、問題の本質は、生まれた両親の所得状況によって子どもの将来は決定づけられているという厳しい現実です。もっと、有り体にいってしまうと、「どんなに努力しても貧乏な家の子は貧乏だし、裕福な家の子は裕福になる」ということです。
良い大学に行ける子は親が裕福だから行けるのです。本人の学力や努力だけの問題ではありません。どんなに優秀で医学部に行きたいと子が願っても、貧乏な親ではその学費を払うことは不可能です。つまり、遺伝子のように貧乏も裕福も遺伝する、とも言えるわけです。
さらに残酷な「親が貧乏なほど結婚しづらい」現実
今まで述べた通り、学歴は生涯賃金に直結します。そればかりではありません。親が貧乏なら結婚すらできないのです。
男性の30~40代、女性の50代に関しては、親が貧乏である人の未婚率が明らかに抜きんでて高い。前回記事で「結婚は消費である」という話をしていますが、まさに、「結婚は贅沢な消費」なのです。
現代の未婚者は200万~300万円の年収がボリュームゾーンです。親元に住んでいるならまだしも、その収入でひとり暮らしをするとなるとなかなかきついものがあります。それでも、20代男性や30代女性を見ると、親が貧乏でも未婚率が平均を下回っているところもあります。
婚活の現場では500万円以上の年収が「普通の男」とみなされたりする「浮世離れ理論」が幅をきかせていますが、実際、男性の平均初婚年齢での年収は200万~300万円が大部分です。夫婦合わせて400万~600万円の世帯収入があればなんとかやっていけることも確かです。
とはいえ、子どもが生まれて以降も夫婦ともにフルタイム就業できている夫婦も少なくなります。子育て期間中、仮に妻が専業主婦になったとして、夫の一馬力で果たしてやっていけるのか、と考えると不安になるでしょう。
常々言っていることですが、「結婚は経済生活」であり、お金がなければ継続できないことは事実です。2019年度の司法統計によれば、妻からの離婚申し立て理由の多くは「性格の不一致」という理由を除くと「生活費を渡さない(夫の経済問題)」がトップなのです。
「金がないから結婚できない」は自己責任ではない
たとえ、貧乏でも家族が仲良く、毎日笑ってすごせればいいよね、という意見もあるかもしれませんが、親の経済力は、その子の将来に直結してしまいます。親が貧乏であるというだけで、「大学に進学できない→大きな企業に就職できない→給料が安い→結婚もできない」という地獄のルートが確定してしまうようなものなのです。
少子化の最大の要因は、そもそも婚姻数の減少にあることは明らかです。日本史上最大の婚姻数を記録したのは第二次ベビーブーム時代の1972年の約110万組です。その翌年は209万人、翌々年にも203万人の子どもが生まれました。戦後すぐの第一次ベビーブームをのぞけば、これがもっとも近い「最後の200万人超え」で、それ以降出生数は減り続け、2019年確定報では、86.5万人まで落ち込んだことはご存じの通りです。
出生数が半分以下になりましたが、年間の婚姻数も59.9万組とほぼ半減しています。結婚した夫婦の生む子どもの数である結婚完結出生児数はほぼ2近い数字で推移しており、結婚すれば2人の子どもを生んでいます。つまり、少子化の根本的な原因は婚姻数の減少なのです。
そして、それを若者の草食化の問題にすり替えるような論法も的外れです。また、若者自身の所得の低下も彼らの責任ではありません。「金がないから結婚できない」という声に対して、それは自己責任だという意見もありますが、不都合な真実をいえば「親に金がないから結婚できない」といっても過言ではないのです。
50年前の問題が今になって顕在化している
第二次ベビーブーム期の1970年代に生まれた子どもたちが、まさに今、大学生の年頃の子どもを持つ世代です。平成になって彼らが就職してからの30年間というもの、親世代の所得がまったく増えない「給料デフレ時代」に突入したことは間違いありません。そのしわ寄せは、確実にその子どもたち世代に襲いかかり、本人の意志や努力とは関係なく、若者たちは、進学も就職も結婚すらままならない「目には見えない十字架」を背負わされて歩かされているようなものでしょう。
「結果の平等」はないが「機会の平等」はあるという人がいます。本当でしょうか? 機会すら与えられない子どもたちは山ほどいます。進学したくてもできない、やりたい仕事にもつけない、結婚したくてもできない、そうした声にならない叫びが埋もれているのです。
勘違いしないでいただきたいのは、それを親世代の責任であると断じるつもりは毛頭ありません。親世代もまた被害者だからです。
未婚化や非婚化の問題を、若者の意識の問題や出会いがないという問題だけに矮小化してしまうと本質的な問題を見失います。視野を広げ、視座を変えれば、違った視点で見えてくるがあります。2世代にわたって、50年前からくすぶっていた経済構造上の問題が今まさにここで顕在化しているとは言えないでしょうか。
荒川 和久コラムニスト・独身研究家
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愛知県の藤田医科大の研究グループは、国立感染症研究所や富士フイルムなどとの共同研究で、新型コロナウイルスのワクチン接種による抗体量が、1回目より2回目、男性より女性で、より多く生み出されることが分かったと発表した。同ワクチン接種では、2回目の人や女性に、より強い副反応を訴える人が多いが、今回の研究結果で抗体の量との関連が裏付けられた。
新型コロナウイルス
研究グループは、医療従事者向け優先接種でファイザー社のワクチンを接種した同大教職員のうち、同意を得た219人(男性69人、女性150人)を対象に調査。接種前と、1、2回目の接種からそれぞれ約14日目に採血し、「IgG抗体」の量を測定した。
抗体の量は各回とも接種後に上昇したが、2回目の接種後に大幅に上昇。また、性別や年齢による差異を調べると、女性は男性より多く、男性は年齢が高いほど少ない一方、女性は年齢による差が見られなかった。
同大大学院保健学研究科の藤垣英嗣講師は「抗体量を測定することで、個人に合ったワクチンの接種間隔や接種量、接種回数などを決められる可能性がある」としている。
PCR検査「陽性者」と「陰性者」を比べてみたら…生活習慣や意識に違い
楽天グループは、昨年(2020年)12月からタカラバイオと共同開発した「新型コロナウイルス唾液PCR検査キット」を用いたPCR検査サービスを受検した1万3,000例以上を対象に、日常生活および免疫機能に関する14項目のアンケートを実施した。解析の結果、PCR検査陽性者の方が陰性者に比べ、ソーシャルディスタンスを気にしなかったり、睡眠時間が短かったりする傾向が見られたという。
陽性者で対面業務およびマスク常用がやや多い傾向
今回の調査データの回収期間は2020年12月~21年5月。調査票への記入は受検結果の通知前とし、1人の受検者が複数回検査を受けた場合は、その都度調査票への記入を認めた。解析可能だったのは12,619例で、内訳は男性8,615例(68.3%)、女性4,004例(31.7%)、陽性(疑いを含む)38例(0.3%)、陰性1万2,581例(99.7%)となっており、無症状の受検者が多数を占めていた。年齢層としては、40歳代が3,171例(25.1%)と最も多かった。
過去1カ月間における日常生活について解析した結果、対面業務の頻度が「ほぼ毎日」「週に2~3日」と高かったのは陽性群87.5%、陰性群81.1%で陽性群が6.4ポイント高く、マスクについては「人混みにかかわらず常時着用している」と回答したのは陽性群92.1%、陰性群88.5%と、陽性群で3.6ポイント高かった( 図1 )。図1.過去1カ月間におけるマスクの着用状況
陰性者で密の回避や食生活への意識が高く、睡眠時間も長い傾向
一方、手洗いを「常に心掛けている」「しばしば心掛けている」と回答したのは陽性群で86.9%だったのに対し、陰性群は95.2%、他人と密に接しないよう「気を付けている」「しばしば気を付けている」と回答したのは陽性群68.4%、陰性群87.9%となっており、陰性群でそれぞれ8.3ポイント、19.5ポイント高かった。
また、1日の平均睡眠時間は「4時間より少ない」「4~5時間未満」「5~6時間未満」の合計が陽性群57.9%、陰性群47.8%であり、陰性群で睡眠時間が長い傾向が見られた。
過去3カ月間における食生活については、野菜またはヨーグルトなどを取り入れた食事を「ほぼ毎日食べた」「週に3~4回は食べていた」と回答したのが陽性群65.8%、陰性群75.0%と陰性群で9.2ポイント高く、不足しがちなビタミンの摂取に対する意識の高さが示唆された。
なお、過去3カ月間おいて感じた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する不安や恐怖、ストレスなどの程度では、「非常に強く感じていた」「少し感じていた」と回答したのが陽性群39.5%、陰性群51.5%と陰性群で12.0ポイント高かった( 図2 )。図2.過去3カ月間において感じたCOVID-19に対する不安や恐怖、ストレスなどの程度
(図1、2とも楽天グループ公式サイトより作図)
COVID-19への不安が感染リスクに対する意識の高さに?
調査の結果を受け、楽天グループは「PCR検査陰性者の方がCOIVD-19に対する不安やストレスを強く感じている傾向が見られ、この点が手洗いやソーシャルディスタンスの確保および、健康管理に対する意識の高さにつながっている可能性がある」との見解を示した。また、「個人の日常生活における行動や意識が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染予防につながる」とし、「調査結果を日常活動での注意喚起につなげてほしい」としている。
調査結果詳細は、楽天グループ公式サイトで公開されている。(須藤陽子
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【ニューヨーク=吉田圭織】米国で子供の新型コロナウイルス感染が急拡大している。8月上旬の感染者数は、6月下旬時点に比べて11倍強になった。学校の本格的な対面授業の再開を9月に控え、子供の感染に加え、子供を通じた高齢者らへの広がりに危機感が強まっている。
* 【関連記事】米コロナ新規感染、1日あたり10万人突破 2月以来
米小児科学会の集計によると、子供のコロナ感染は4月下旬から6月下旬にかけて減少傾向が続いたが、7月に入り拡大に転じた。8月5日までの1週間では新規感染が約9万4000人に上り、直近で最低水準をつけた6月24日の週(8447人)の11倍強の水準に膨らんでいる。子供のコロナ感染は感染者全体の15%を占めている。
感染した子供の入院も増えている。米疾病対策センター(CDC)によると、10日時点で0~17歳の入院患者数(7日間移動平均)は203人に上り、217人だった1月上旬のピーク時の水準に迫っている。
入院患者全体に占めるこの年代の割合は数%にとどまる。ただ、子供の感染者が増えれば、家庭などを通じて高齢者らに広がる恐れもある。
米国の一部地域ではすでに学校の対面授業が始まっている。猛威をふるうインド型(デルタ型)のコロナウイルスによって全体的に感染者が増えていることもあり、保護者や教職員の間では子供のコロナ感染に対する懸念が膨らんでいる。
米北東部マサチューセッツ州のボストン小児病院の医師、リチャード・マリー氏は10日、日本経済新聞の取材に対し、「ワクチン接種率が低い地域で働く医師からは、子供の感染が増えていると聞いている」と話した。
「感染者数が増えれば、相対的にコロナで重症化してしまう子供の数も増えてしまう」として、12歳未満のワクチン接種がまだ承認されない間は周囲の大人の接種を広げることが重要だと指摘した。
米小児科学会は「デルタ型が子供らに新たな脅威をもたらしている」として5日、米食品医薬品局(FDA)の長官に対して12歳未満の子供へのワクチン接種を早急に始めるよう要請した。米国では現在、ワクチン接種は12歳以上が対象となっている。
地域によっては小児病棟も混み始めている。米南部テネシー州の保健当局は州内の小児病棟が近く満員になると警告した。同州保健当局幹部は5日の記者会見で、「夏の時期にここまで子供らが入院するのを見たことない」と話した。南部ミシシッピ州の学校では8月2~6日までの間に943人の生徒が新たに感染し、4435人が自主隔離を迫られた。同時期の教職員の新規感染も296人に上っている。
感染拡大が深刻になるなか、南部のフロリダ州など感染防止に向けたマスクの着用を義務付けることを許可しない州もある。選挙などをにらみ、個人の自由を尊重する政治的な姿勢をアピールする政治家が多いことが背景にある。
フロリダ州のデサンティス知事は7月31日、学校側がマスクの着用を義務付けた場合には財政支援を打ち切ると表明した。これに対して学校側は強く反発。同州北部のアラチュア郡は打ち切り覚悟でマスク着用を生徒らに求めた。
同郡のサイモン教育長は米紙への寄稿で「人命を失うよりは(州からの)資金提供を失ったほうがマシだ」と説明した。ホワイトハウスのサキ報道官は10日の記者会見でマスク着用の義務化に反対する同州のデサンティス知事に対して「生徒たちの安全を守ろうとしている地方公務員の邪魔をしないで」と訴えた。
一方、これまでワクチン接種の義務化に消極的な立場をとってきた米教員連盟(AFT)はワインガーテン会長が8日、教職員の接種義務化を支持すると表明した。
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「卒婚」ーー夫や子どもの世話に明け暮れる生活をリセット、環境も少し変えて、離婚はせずに生きることを楽しもうという夫婦の新しい形態。しかし、卒婚したくてもできない理由のひとつに、経済的な問題があるのではないだろうか。卒婚を実行した人たちに、気になるお金のことをたずねてみたら──(取材・文=上田恵子)
「もう死んでくれよ」という夫の一言で
兵庫県に暮らすカオルさん(57歳)は、長期計画で卒婚に臨んだという。夫(62歳)の浮気が発覚したのは、まだ子どもが小学生だった頃。家事と育児に追われるカオルさんの目を盗み、ママ友との不倫に励んでいた。
「問い詰めると大声を上げて逆ギレ。包丁を持ち出して暴れるなど、息子の見ている前で大騒ぎになりました。後日、私から離婚を切り出したところ、夫は『今後は改めるから』と平謝り。その時はその言葉を信じて、やり直すことにしたのです」
夫に寄り添う努力をしたカオルさんだが、浮気癖は直らなかった。
「念書まで書いてもらったのですがムダでした。それ以降も浮気がバレるたびにキレる、謝るの繰り返しで」
そんな夫と結婚生活を続けた理由は、経済的な事情もあったが、それ以上にパートナーとしての相性が良かったから、とカオルさんは言う。
「夫と私には登山という共通の趣味がありました。しかもお互い大の宝塚ファン。浮気さえしなければ一緒にいて本当に楽しい相手なんです」
2人の間に決定的な亀裂が入ったのは6年前。またもや別の女性に走り、それを責めるカオルさんに夫が放った「お前、もう死んでくれよ」という一言がきっかけだった。
「死んでくれという言葉で私の存在意義を丸ごと否定された瞬間、張りつめていた糸が切れてしまいました」
その時カオルさんは51歳。一人息子は、すでに就職して家を出ていた。
「離婚や別居について調べ始めたのはそれからです。夫が60歳を迎えて定年退職する年をゴールに設定し、法律の無料相談に通うなど水面下で準備を開始。息子も好きにするといいよと背中を押してくれました」
先回りして市役所に離婚不受理届を提出
その結果、カオルさんは離婚ではなく卒婚を選んだ。そこにはカオルさんなりの考えがあった。
「長年苦しめられた夫に“おしおき”することに意味があるので、離婚は避けたい。それに、離婚をするとすべての財産を夫と妻で半分に分けることになりますが、手続きに労力を使うことすらイヤ。保険をはじめとする書類の名義変更も同様です。夫名義の自宅とはいえ、半分に分けるというのも私には納得がいかない。それを踏まえた結果、別居という形での卒婚が私にとってベストだったのです」
ところで、専業主婦だというカオルさんは、どうやって卒婚後の生活費を準備したのだろう?
「亡くなった両親が不動産を遺してくれて、その家賃収入が月に15万~16万円ほどある。贅沢をしなければなんとかやっていけます」
だからこそ、ここまで強気に出られたということか。そんなカオルさんが最終的に立てたプランは、次のようなものだった。(1)離婚はしない。(2)自宅の名義は夫のまま。ただし夫には家を出てもらう。(3)夫の退職金は夫婦で折半する。(4)自宅の固定資産税、夫の保険料等の費用は、すべて妻が支払う。
「夫は浪費家。遊ぶ金欲しさに無心をされても、これなら『税金も保険も私が払っているのに』と拒否できますから。また勝手に離婚届を出されないよう、先回りして市役所に離婚不受理届も提出しておきました」
まさにパーフェクトな卒婚支度である。そしてそうこうするうちに夫が定年退職する時がやってきた。
「私は精神的限界を訴え、夫に家を出るよう要求しました。最初は拒否されるも、私の決意が固いと知ると態度は徐々に軟化。ついに『部屋を探すよ』と折れてくれたのです」
カオルさんは夫の退職金1400万円のうち、半分の700万円を受け取り、4つのプランをすべて了承させた。夫は700万円を手に引っ越して行ったそう。
「引っ越し先は彼の地元の福岡県。老後に頼られたら面倒なので『地元なら友達もいていいんじゃない?』とすすめました(笑)。今は向こうで楽しくやっているようですよ」
気分一新、一人暮らしを満喫しているカオルさん。卒婚して夫婦ともに心穏やかに暮らす。これも一つの幸せの形なのかもしれない。
親の介護で実家暮らしに
「親の介護が卒婚のきっかけになりました」と言うのは、長野県在住の万里子さん(66歳)。内装業を営む夫(70歳)とは、仕事を手伝っていた関係で、朝から晩まで顔を合わせながら生活してきた。
「夫は、家の中では縦のものを横にもしない人でした。仕事を終えて2人で帰宅すると、家事や子どもの世話はすべて私一人の負担に。しかも、仕事場を離れても関係性は“雇い主と従業員”。常に上からものを言われ、息が詰まる毎日を送ってきました」
そんななか、5年前に隣県に住む万里子さんの母親が骨折して寝たきりに。母親は一人暮らしだったので、介護のため一人娘の万里子さんが実家へ通うようになった。
「最初は日帰りだったものの、だんだんと帰るのが億劫になってきて。実家に1泊、2泊とするうち、自宅に戻るのは週に1回程度になってしまいました。娘たちも嫁いで家を離れていたので、ますます帰りたくなかったんです。ちょうどその頃、ワイドショーで卒婚という言葉を耳にして、いい響きだなあと。そこで私も夫に『結婚を卒業して自由に生きたい』と申し出ました」
夫は当初「ばかばかしい」と取りあわなかったが、万里子さんが「離婚じゃないから籍はそのまま。面倒な手続きもない。ご近所には、引き続き親の介護で実家に帰っていると言えばいいから」と説得すると、しぶしぶながら承諾してくれたという。
卒婚を機に人間的に丸くなった夫
その後、自身の身の回りのものを運び出し、実家で暮らすようになった万里子さん。母親は1年前に亡くなったが、それでも夫のもとには帰っていない。今ではせいぜい月に1回、顔を出すくらいだ。
「1人のほうが気楽というのもありますが、何より卒婚したことで夫が変わったんです。私が訪ねると黙っていてもお茶を淹れてくれるようになり、以前のようにとげとげしい物言いもしなくなりました。問題は食事でしたが、店屋物に飽きてからは、料理本を見ながら自分で作っているようです。ビックリですよ(笑)」
現在、万里子さんは年金と、母が遺した少々の現金、そして自身が貯めた500万円を生活費に充てている。
「実家だから家賃はかかりませんし、贅沢をしなければ十分暮らしていけます。子どもたちの教育費を払い終えて以降、夫からの給料は、いざという時のためにコツコツ貯めてきました。物理的にも精神的にも、それが卒婚に踏み出す原動力になったことは間違いありません」
また、庭で家庭菜園を始めたことで食費も節約できていると言う。「気持ちに余裕があるせいか、夫にも優しくできるようになった」と笑う万里子さん。この調子なら「卒婚を卒業」する日も近いのでは?
「それはありません。離れているからこそ良い関係でいられるので。お互い一人暮らしが難しい状況になったら、それぞれ家を売ったお金で介護施設に入るのが最善の選択だと考えています」と冷静に将来のプランを語る。卒婚からのセカンドライフは、夫には自立を、妻には初めての自由をもたらしたようだ。
卒婚をするうえで注意すべきこととは?
今回2人に取材して感じたのは、一口に「卒婚」といっても解釈は人それぞれであるということ。そして精神的に自由になれたことで、卒婚後のほうがパートナーとの関係が良好になっているという点だ。これは離婚との大きな違いのように思う。
また2人が2人とも「子育てが終わったらもう夫婦でいる必要はないのでは」と考えていた点も興味深かった。その一方で、妻の側に経済力があるか否かが卒婚成功のカギになることは間違いない。いずれは卒婚をと思っているなら、今から対策をしておく必要があるだろう。
最後に、離婚問題に詳しい弁護士の秋田一惠さんに、卒婚にあたっての注意点を聞いた。
「カオルさんや万里子さんのような卒婚スタイルをとるケースは珍しくありません。しかし忘れてはならないのは、あくまでもこれは別居であって、法的には婚姻関係にあるということ。たとえ卒婚状態にあっても、互いに何かあれば扶養する義務があるのです。たとえば医療の現場では家族であることが非常に重視されます。延命治療や手術の同意などは家族でないとできませんし、その後、要介護状態になったときは夫婦である限り介護しなければなりません」
また、別居している間に夫から離婚を切り出されたらどうなるだろう。
「いくら妻が離婚したくないと言っても、別居状態が長く続いていれば、婚姻関係は破綻していると裁判所に判断され、すんなり離婚が認められることが多いです。また、卒婚後に築いた財産は共有財産ではないと考えられる可能性もあります。夫の定年退職後に離婚を決めた卒婚夫婦のケースでは、別居期間中は婚姻関係が破綻していたという理由で、退職金の妻への財産分与額が減らされる場合もあります」
卒婚によって、想定外のトラブルに遭わないためにはどうしたらよいだろうか。
「弁護士に相談して、夫婦間の取り決めを書面化するよう依頼したほうが安心です。別居中の医療や介護をどうするか、財産やお墓のことなどを事前に決めておくのです。もしもあなたが卒婚を考えているならば、まずはこれから生きていくのにどれくらいのお金が必要かを洗い出し、将来的な計画を立てることから始めてはどうでしょうか。卒婚は夫婦のこれからを見直すきっかけになるかもしれません」
上田恵子
うえだ・けいこ
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「金銭問題に進展はいっさいありません。“佳代さんと会って話したい”と伝えていますが、返事はいただけていません。現在、“ボール”は小室さんサイドにあると認識しています。
4月に解決金を支払うと示され、こちらは“受け取る”と意思表示したのに膠着したまま。先方から特に説明がないので原因もわかりません。(元婚約者は)もう、あまり待てないのではないかと私は考えています。体調面も問題がないとは言いきれません」
小室佳代さんの元婚約者・竹田さん(仮名)を支える代理人男性は、金銭問題の現状に困惑している。
当事者の1人である佳代さんは、どう過ごしているのか。勤務先の洋菓子店関係者は、
「在籍していますが、もうかれこれ3か月近く出勤していません……」
と、こちらも困り果てている様子。
勤務先の洋菓子店から出る小室佳代さん('20年6月)
「彼女からの連絡はないですし、店側から連絡することもありません。今は“ほったらかし”の状態です。
仮に彼女から連絡がきたとして、どう対応すればいいのか……。今は社労士(社会保険労務士)を頼りにするしかなく、相談しているところです」(同・洋菓子店関係者)
6月に発売された『週刊文春WOMAN』の記事内で、記者との問答に佳代さんは、
《職場の人間関係はとてもいいんですよ。皆さん和やかで、和やかで。悪い人は誰もいないというくらい》
と語っていたが、勤務先からは“腫れ物”として扱われているようにも……。
小室さん母子は出勤時、毎朝最寄り駅まで一緒に向かってから、改札で別れる際には毎回ハグをするほどの母子仲だと報じられていた。
しかし、同誌にはこれまで“マザコン”や“教育ママ”だと報じられてきたことに対して《五十年生きてきて、初めて言われました》と語り、報道を否定した佳代さん。
小学生時代の圭さんが通っていた絵画教室の関係者だったAさんは、当時の小室さん母子を次のように振り返る。
「佳代さんと圭くんの関係性は、マザコンと言われるほどではなかったと思います。小学生くらいだったので、圭くんは佳代さんの隣にずっといましたが、べったりという感じではありませんでした。
“ハグ”に関しても、欧米式のライフスタイルを好む佳代さんなら、映画や海外ドラマに感化されて、母子のハグは自然なこと、と考えていたとしても不思議ではありません。
小室さんは中学・高校とインターナショナルスクール出身で英語も堪能('09年夏)
【写真】週刊女性がスクープした眞子さまと小室さん初のツーショット
絵画教室での圭くんは、隅っこで黙々と絵を描いている一方で、自分より小さい子たちの面倒も見る、自立したしっかり者という感じでした。
佳代さんは“今夜は何を食べようか?”と圭くんに相談したり、あくまで対等な関係だった印象があります」
“母子密着”ではなく、あくまで圭さんは自立していたというのは、同誌で語ったことを裏づける証言である。
世間から強い批判を受けながらも沈黙を続けた佳代さんは“強い精神力”を持ち合わせているといわれてきたが、
《いつ死んでもいいと思うこともありました。明日死のう、と。今だってそう思うことはあります》
との肉声も掲載され、そうとうな憔悴ぶりも感じさせた。
'01年の夏、軽井沢へ旅行した際の敏勝さんと圭さん。敏勝さんの死後、圭さんは毎日のように泣いていたという
夫の敏勝さんや、夫の父親も自ら命を絶ってしまった悲劇を意識しているのだろうか。
実は圭さんも、小学生のころにメンタルが不安定になったことがあるという。
「敏勝さんとそのお父さまが亡くなった後、小室さん母子と会ったときに“そういった家系かもしれないから、圭くんも気をつけたほうがいい”と話したことがあります。すると、佳代さんは“圭を心療内科に連れて行きます”って」(佳代さんの知人・Bさん)
このやりとりの後、実際に佳代さんは圭さんを病院へ連れて行ったようだ。
「“夕方になると圭が泣くのよ”と、佳代さんはよく話していました。お父さんが亡くなってから、寂しくてつらかったのでしょう。病院に連れて行ったところ“黄昏病”と診断されたそうです。佳代さんは圭くんのためにも、自然な出会いの中で男親の候補を探しており、何度か男性とデートしたと周囲に明かしていました」(佳代さんの知人・Cさん)
結局、新たな父親は現れなかったが、現在の母子のメンタルを支えているのは小室家に嫁がれる予定で“チーム小室”の一員としてサポートしている眞子さまなのだろう。
一方で『週刊文春WOMAN』の記者がある日、仕事を終えた佳代さんとスーパーに立ち寄ると、
《トレビスが三十九円! 安いですね》
と、見た目は紫キャベツに似ているヨーロッパ原産の野菜に強い反応を見せたそうだが、この点にも彼女らしさが表れているという。
「日本の青果店で昔から売られているキャベツやレタスではなく、輸入食材のトレビスに関心を持たれていたのは、佳代さんのハイセンスな一面があったからだと思います。
彼女は外国の文化を好む方。以前も洋装につけるコサージュを自作して、それを売って生活費の足しにされていました。ヨーロッパ発の花飾りを自作するという自分らしいスタイルで家計を支えているところに、佳代さんらしさを感じました」
日本には80年代に輸入され始め、国内でも栽培する地域が増えてきているトレビス。日本ではレッドレタスとも呼ばれている
【写真】週刊女性がスクープした眞子さまと小室さん初のツーショット
佳代さんが抱く海外への憧憬は、並々ならぬものがあるとCさんが続ける。
「昔のヨーロッパ映画に出てくるマダムのようなファッションが印象的で、当時は“ドイツに行ってお菓子や料理の勉強がしたい”とか“ニューヨークに知人がいる”など、とにかく海外志向の強い方でした。都内に出た際は、フランス発の高級冷凍食品店に立ち寄って買い物されていましたね」
そんな母の意向に沿うため、圭さんは中学と高校はインターナショナルスクールに通い、国際色の強い『国際基督教大学』に進学したのは自然な流れだろう。
しかし、佳代さんはシングルマザーで経済的に余裕があったとは思えず、金銭トラブル発覚後は「身の丈に合わない生活をしている」と、指摘する声も上がっていた。
上昇志向といわれる佳代さんの教育方針は、圭さんが通っていた小学校での経験に起因していた可能性がある。
「圭くんが通っていた私立の『国立音楽大学附属小学校』は、裕福な家庭の子どもが比較的多い学校です。
3歳から小学校高学年までバイオリンを習った圭さん。両親の友人の結婚式で演奏した経験も
音楽の道を本気で志し、留学も視野に入れている家庭も一定数いるので、周囲の影響から小室さん母子が、インターを志望するようになってもおかしくないと思います」(国立音大附属小関係者)
加えて、セレブなママ友の間にある“特有な雰囲気”に感化されてしまったのではと、この関係者は語る。
「佳代さんのママ友の中に、有名な女性歌手の付き人をしている方がいたそうです。その方がとても横柄で“偉そうにしている”と佳代さんが愚痴っていたことがありました。
普段からセレブ志向が当然の環境だったことや、マウンティングされてしまうムードもあり、負けじとインター進学という選択肢が生まれたのかもしれません」
愛息を眞子さまの婚約内定者にまで育て上げた佳代さん。
時には「身の丈に合った生活をしていない」などの批判を受けるほどの“野心”の形成には、どの母親も少なからず経験するママ友たちとのマウンティングが影響していたようだ──。