コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

GIANT KILLING(ジャイアント・キリング)#137 モーニング48号 感想

2009-11-01 00:18:02 | GIANT KILLING (原作感想)



 過去編4回目。今回は表紙&巻頭カラーということで嬉しかったです。今回もどちらもよかったです!話ではいよいよ達海が笠野さんに今の心境を語ることに…。今の状況を達海がどう受け止めているかに注目です。達海が思った以上に大人で驚かされました…。今回の話を読んでまた違う達海の一面に気づかされたりと、更にジャイキリが楽しめるようになりました。今回は必見です!


 久々の表紙は過去の達海!今の過去編ならではのイラストですね。いいところできたなという感じがしました。今回も絵のタッチからデザインまで雰囲気があっていて好きです。このセピアっぽい色合いもジャイキリならではという感じがして良い感じでした。もう褒め言葉しか出てきませんね…。

 はじめは前回からの続きで達海と笠野さんの会話。過去編ということもあってか今までのカラーとちょっと違ったタッチのように思えました。これまでのカラーよりラフな感じがして味がある気がします。ちょっと前の駆ける椿の時のようなタッチに近いかもしれません。夜の空気感が良い感じでした。

 笠野さんは最初達海へ感謝の言葉をかけて、そして会長が勝手にフランスから来たオファーを断ったことを会長に変わって真面目に謝ります。

「スマン
 またお前に迷惑かけちまったな」
「……
 よしてよ笠さん」

 やっぱりあの話は会長の作り話でした。ですが達海は割と明るい表情でそのことを許します。達海は達海で割り切って考えているようでした。笠野さんに気をつかったというのもあったと思いますが。
 それから笠野さんはその話を続けます。笠野さんは会長が自分にも達海にも話をせず、勝手に断ったことを苦く感じているようです。

「ただでさえひでえ話だってのに
 ここにきて
 そいつを美談にすり替えようって
 神経がどうかしている」

 やっぱり今のETUで、達海が選手にも移籍話を通すように話をつけているというのも達海自身がこれで苦しんだからなんですね。だからこそ今達海が選手と向き合うことができているのかもしれません。
 今回の件で笠野さんはこれからはどうにかすると達海にその考えを伝えます。

「でもこれからは心配ない
 選手獲得云々の話は
 すべて強化部に第一報が届くように
 各方面に手を打ってある」

「俺も協力するからよ
 諦めるようなこと
 しないでくれよな 達海」

 どうやらここでの会話を見ていると、フランスのクラブの誘いは断ったものの、他の海外のチームも達海に興味を持っているみたいですね。どうやらまだチャンスはあるようです。これからそのオファーを過去の達海がどう受け止めていくことになるのかも気になるところです。この笠野さんの話では笠野さんが真剣にこの達海の問題のことを考えているということが分かってほっとしました。笠野さんはやっぱりしっかりした人だったんですね。

 そんな笠野さんの話を聞いた達海は少しの間戸惑っていたようですが、次第に表情が晴れていきます。そして今自分が思っていることを笠野さんに伝えます。

「俺がいつこのクラブ出たいって言ったよ
 笠さん」

「……」

「俺 結構ここ気に入ってんだぜ?
 仲間もいい連中ばっかだし」

 達海はこの時点ではしばらくETUに残るつもりだったようです。嘘をついているわけでもなく、それが達海自身が望んでいるんだと感じました。ETUの皆のことを語る達海はとても暖かくてよかったです。に、してもこの時点で既に松原はいじられキャラだったんですね…。松原が選手に追いかけられているカットでは笑ってしまいました。今達海に振り回されているのも納得です。

 そして達海が大事に思っているのはクラブだけではなく、サポーターも。

「それにさ……
 なんせサポーターがいいよ
 スタンドが商店街のお祭りみたいで
 手作りっぽいけど 活気があってさ……」

「……」


「皆やけに なれなれしいし
 このクラブに係わる人達に会ってみて……
 笠さんの言ってた通りだと思った」


 達海はサポーターにも愛着を感じているようでした。サポーターの画がまた良い感じで泣けます…。やっぱりETUにはETUらしさがあっていいと思いました。達海がここまでサポーターのことを考えていたとは思いませんでした。

 そして話は笠野さんが達海をETUに誘った時の話に…

「笠さん覚えてっかな
 俺をETUに誘った時に言ったんだ

『ウチは垣根を取っ払った
 クラブ作りを目指している……
 
 お前みたいに常識にとらわれてない
 奴はウチがピッタリだ』

 とかなんとか」

 達海はそんな笠野さんの言葉に関心を持ってETUに入ったようでした。ここでの2人のやりとりも面白かったです。

「言ったか?」

「言ったよ
 喧嘩売られてんのかと 思ったけど……
 来てみたら まあ納得したよ……」

 達海もこれまで散々言われてきましたが、この頃はまだそういうことを気にしていたんですね。笠野さんが達海をスカウトした時の話も見てみたいなーと思ってしまいました。

 そして夜の練習場が何カットかあった後、達海は今のクラブを振り返りこう話します。ここのコマの流れも良い感じでした。

「色んな人から色んな意見を募って
 そのいい部分を活かして
 クラブを発展させる

 笠さんの言ってたクラブ作り……
 まあいい方向に向いてんじゃない?」

 達海も達海で今のクラブの方向性が良いと思っていたようです。細かいところでは色々あるようですが、不満は持っていないようでした。でもここで引っかかったのが「監督の起用法」という達海のセリフの一部…。本編でこれからのETUが監督の方針やら色々な原因で下降していくことを思い出すと何だか不安になりました…。
 一通り振り返った後、達海は結論として、こう笠野さんに言います。


「だからさ
 会長には頭くることもあるけど
 割り切ってるよ」


 達海は会長のやり方に不満を持ちつつも、クラブがいい方向に向かっているのならと、それも受け入れようとしていました。思っていた以上に達海は大人だったんだな…と思ってしまいました。ここはそんな達海の大人発言に驚きました。普段はマイペースな達海ですが、やっぱりフットボールのことになると人一倍真面目なんだと感じました。ここの表情もそんな達海の感情の機微が感じられて良かったです。

 とはいってもさすがの達海も常に平気というわけではなさそうで…。達海も達海で会長の入れてくる取材などで疲れているようでした。でもそれもクラブのためにと受け入れ、こなしていました。


「それもクラブのためになるんでしょ?」


 これまでの本編を見ていると、達海が取材を受ける=よく分からない挑戦的な発言をするシーンという印象が強かったのであまり深く考えていませんでしたが、ちゃんと考えた上でこなしていたんですね…。今回の話で達海の印象もだいぶ変わってきました。
 そして達海は、

「だから笠さんが
 会長のいい部分を活かしてくれりゃ
 俺はそれでいいよ」

 と、笠野さんに軽くお願いします。フットボールに対しては本気なんだなと思うシーンはあっても、ここまで達海が大人だ…と感じたことはなかったかもしれません…。
 それでも笠野さんは達海の負担を減らし、プレーに集中できるように尽力すると達海に言いますが、それでも達海は手を振り「笠さんに任す」とお願いします。そこには笠野さんへの達海への感謝の気持ちが込められていました…。


「俺は
 笠さんが拾ってくんなきゃ
 プロになれなかったかも
 しんないんだしさ……

 俺のほうこそ感謝しているよ」


 達海はそう言い、笠野さんへ笑みを浮かべます…。これまでにない達海の真摯な姿に読むたび、何回もここで手を止めて見入ってしまいました。達海がここまで来るのも結構苦労してきたようですね…。ETUに来る前、達海がどんな状況でプレーをしていたのかも気になるところです。また探訪編やってくれないかなと思ったり。
 過去編はこれまで見えなかった達海の一面が見れて、自分にとってはかなりためになりました。達海は選手時代からETUに愛着を持っていたんですね…。これから達海を見る目もちょっと変わってきそうです。
 そんな達海の言葉に笠野さんは何も言わず、ただ達海を見つめます…。2人の信頼関係を感じるシーンでした。この会話を聞いて、この先何があっても達海は暗い考えではなく、前向きな考えであの選択をしたんだと信じることができそうです。
 こうして達海と笠野さんの夜の会話は終わり、話は東京V戦へ向かっていきます…。



 そうして対東京V戦当日のスタジアム。観客はどちらの席も満員、にぎわっていました。そしてETUのスタンドを仕切るのはゴローですが、今回も皆はマイペース。ゴローは一人で空回りをしていました。過去のETUはこれがデフォなようですね。
 そんな中、周りの面子がもうすぐ子供ができるのに、ここに来ていて大丈夫なのかとたずねてきます。どうやらシゲのところももうすぐ生まれるようです。でもゴローはこの時点ではサポーターをやめる気はなく。

「時間作ってちゃんと来る!
 子供連れて応援するって!」

 と、この先もサポーターを続ける意思を示します!この時は本当にそう強く思っていたんですね…。ゴローがサポーターでなくなる流れもある意味気になります。出産もその理由の一つなんでしょうか。
 そんな会話後、そのことを聞いてきたおじさんがこの場を盛り上げようとします!

「とにかくこの大一番は思いっ切り盛り上げようぜ!
 俺も暇してる知り合いのガキども
 集めてきたからよ!」
「おおっ」
「マジかよ 心強え!」
「おおっし!もうすぐ選手入場だ!!
 江戸っ子の根性見せてやろうぜ!」

 でもETUのサポーターの面々はいつも通りマイペース。本当商店街のお祭りっぽいですね。そこもまたETUのいいところですけど。
 で、ここでおじさんが読んだ知り合いの若者が出てくるのですが、なんとその中には後のスカルズのリーダー・羽田の出番も!これまで過去編で姿を見せなくて不安でしたが、出番があってよかったです。羽田はたまたま仲間と一緒にここに来てしまったそうです。しかも…

「俺 初めて観に来たよ
 お前は? 羽田」

「……俺も初めて」

 この試合が羽田がスタジアムでETUの試合を初めて観た時のようです。この試合でETU・達海が健闘する姿を見て、以降サポーターになるのかもしれません。そう考えると、この試合色々期待できそうで楽しみになってきました。何故ゴローの名前を知っていたのか、その疑問も明らかになりそうで楽しみです。
 に、しても羽田もまだこの時は若いですね~。思ったよりカッコよかったです。この時はまだサングラスはかけていないようです。一体この試合で羽田は何を見出すことになるんでしょうか。


 会長・笠野さんと、様々な人々がピッチを見守っていました。そんな中笠野さんが思い出したのは達海との夜の会話の続き。


『ゴール狙えなんてね……
 人に言われてやるもんじゃねえ

 会長に言われなくたって
 チャンスがあれば当然狙う

 ヴィクトリーぶっ倒すためにね…』
 

 やっぱり達海は達海でした。やっぱりこうでないと。そんなふうに語る達海の目がギラついていて圧倒されました。達海はやっぱり勝負師ですね~。
 笠野さんもそんな達海の本質に気づき始めていました…。

『いつもはひょうひょうとしてるのに……
 勝負ごとになると 目の色が変わりやがる

 相手が大物の時は特にな……

 ……これが達海の選手としての本能ってやつか?』

 この笠野さんのセリフはまさしく作品タイトルに繋がるものがありますね。過去の達海もまたそれに燃えているようです。裏にどんな思惑があっても、達海は達海のフットボールをしてくれることでしょう。
 今回終わりはそんな闘志をみなぎらせた達海の自信満々な画で終わりに…!この試合で達海がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです!一体どんな試合になるんでしょうか。


 次回はいよいよ東京V戦開始です!昔から東京Vと因縁があるのは変わらないんですね。とりあえず成田がどんなキャラなのか気になるところ。昔の東京V相手にETUがどう戦うのか楽しみです。ここまで暗い雰囲気だった過去編ですが、ここで盛り上がって欲しいです!
 今回は語りたいことが多すぎて書くの大変でした…。とりあえず語りたいことは語れて満足しました…。次はいよいよこのブログのジャイキリ記事100回目…気合を入れてお送りしようと思います!

 ではまた次回に!

 
・TB送信先
 にほんブログ村 トラコミュ一
 GIANT KILLING -ジャイアント・キリング-



3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメントありがとうございます! (ソウキ)
2009-11-05 03:19:08
>Yさん

 Yさんコメントありがとうございます~。
 今回は今まで見えなかった達海の一面が見えてよかったです。
 達海はフットボールのことになるとやっぱり本気のようです…。
 次回100回目の更新も頑張ります!
 ではでは~。



>晴さん

 晴さんコメントありがとうございます~。
 今回の表紙良かったですよね~。私は達海ピンのイラストがお気に入りだったのですが、今回もその時とはまた達海の描き方が違っていてお気に入りの一枚になりそうです。ジャイキリ表紙はどれも凝っていていいですよね~。
 確かにセピアというとなんか切ないですね…。この先の展開が分かっているだけに更に…。

 確かに言われてみると、あのシーンは2巻の達海と椿のやりとりに似ているものがありますね!読み返してみて思わず私もニヤリとしてしまいました。ありがとうございます。
 会話しているのが練習場というのがまたニクいところです~。改めて2巻を読み返すと色々深読みしてしまいそうです。時の流れを感じました。達海と笠野さん、本当似たもの同士ですね。

 今回の話で達海の気持ちも分かって、すっきりしましたが、笠野さんのあのセリフの真意はまだ分かっていないんですよね…。確かにこの先またひと波乱きそうな雰囲気ですね…。怖いですが、最後まで見守っていきたいと思います。

 ゴローがサポーターに復帰したのが達海が監督として戻ってきたからという理由は、最初何だかいい気がしませんでしたが、現実きっとそういうものなんでしょうね…。過去編の達海の活躍ぶりを見て納得しました。達海は本当にスターでしたね~。

 でも本当椿は何で選手時代の達海を知らなかったんでしょうね。今でも疑問です。これから自分が入るクラブなのに…。まあ椿らしいといえば椿らしいのかもしれませんが。
 言われてみると達海と同じ7番という番号を背負うことになるとすれば、知らなかった方があまりプレッシャーがかからなくてよかったかもなーと感じました。もし知っていたら、番号が重荷に感じてかえって上手くいかなかった予感が…。考えてみたら色々複雑になってしまいました。とにかく椿にはこれからも7番を背負って頑張って欲しいです~。

 ではでは~。
返信する
ジャイキリ過去編 ()
2009-11-01 23:13:13
ソウキさん、こんにちは。

今回の表紙、ほんっと良かったですねー、すごく雰囲気があって。
これまで私が一番好きなジャイキリの表紙絵は
2008年のNo.20(ロッカールームで皆が達海の指示を聞いてる絵)だったんですが、
今回の表紙はそれと同じくらい気に入りました。
ただ、達海の周囲の色合いがセピア色っぽいところがせつない…。

笠野さんが達海に言ったことを覚えてなかったシーンでは、
2巻の、椿と達海のシーンを思い出しました。
「監督の言葉……ジャイアント・キリング……」
「言ったっけ……言ったか…うん」ってところです。
人に言ったこと(それもある意味殺し文句レベルのかっこいいセリフ)を忘れてるとか、
なんか似たもの同士だなぁこの2人、と読んでてニヤニヤしちゃいました。

しかし、笠野さんが「またお前に迷惑掛けちまったな」と言ってるってことは、
以前にも何か迷惑かけられたことがあるってことですよね…。
それなのに笠野さんのこと気遣ったりして、ほんとに大人だなあ、達海…。

過去編読んでると、ゴロー達が達海がいなくなったから試合を見に行かなくなっちゃって
達海が監督として戻って来たからまた試合を見に行く気になったってのが、すごく理解できてしまうというか。
人間的にも大人で、選手としても魅力的で、
「おばちゃんと結婚してー!」とか「ウチの娘嫁にやる!」とか言いたくなっちゃう気持ち、分かります(笑)

今1巻を読み直すと、こんなすごい人を「よく知らないッス」なんて駄目じゃんバッキー!って思っちゃいます。
でもチキンなバッキーの場合、そんなすごい人だって知ってたらかえってきょどっちゃって
まともに会話もできなくなりそうだから、良く知らないままのほうがいいのかな(笑)
返信する
今回もワクワクドキドキですね (Y)
2009-11-01 13:19:16
ソウキさん
Yです。アメリカからのコメント第3弾です。
今回もワクワクドキドキが伝わるブログ、どうもありがとうございます!!明日も仕事ですが、タッツミーの言葉を胸にぼくもがんばります!!次のブログは連載100回とのこと、一足先に、おめでとうございます!!次回の更新、期待してますね。わん! 
返信する