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月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.51 フリクション「LIVE1980」

2022-06-09 23:11:01 | 厳選ライブ盤

6月9日のロックの日、頭に浮かんだグループについて書こうと思ったら、

思いついたのがフリクションでした。

 

1970年代末期から80年代初めにかけて盛り上がったムーブメントの

「東京ロッカーズ」。リアルタイムで接したわけではないけれど、

シーンを盛り上げていたのは知っていました。

でも自分には聴く機会がありませんでした。唯一フリクションの名前は、

ちょくちょく聞く事があって多少興味がありました。

 

就職して数年経ったぐらいでしょうか。中古レコード屋で偶然見かけたのが、

このアルバムでした。やけにインパクトのあるジャケットに惹かれ、

(その時は知らなかったですが、彼らのファーストシングルの色違いでした)

中古でそれ程高い値段でなかったので、とりあえず聴いてみようと

買ってみたのでした。そして1曲目の「TIME SMOKE」を聴いて、

これはヤバいと思ったわけです。タイトでクールなロックでカッコいい。

フリクションは何度もメンバーチェンジをしてきていますが、

歴代最強といえる、レック(b)、ツネマツ(g)、チコヒゲ(dr)の

演奏はやはりいいですね。

一歩間違えれば不協和音になる手前のギリギリでの鬩ぎあいというか、

まあ兎に角、嵌れば癖になる音ですね。

 

その後、あるレコードの再発で、決定的にフリクションが好きになるのですが、

それはまた次回に書きたいと思います。


NO.48 村八分「ライブ」

2022-05-30 18:50:45 | 厳選ライブ盤

ジョニー、ルイス&チャーの記事を考えている時に、

そういえば、ルイズルイス加部さんは一時期、山口富士夫さんと

リゾートっていうバンドを結成していたなぁと思い出したわけです。

それからローリングストーンズ60周年記念の

「ロックンロール・サーカス」の劇場公開に関する情報を耳にしました。

そこから導き出されたのが、その昔、冨士夫さんがチャー坊と結成していた

村八分というグループです。

 

エレックレコードから唯一発売された2枚組のこのライブアルバムは、

京大西部講堂で収録された解散ライブというのも実に彼ららしい。

ライブの冒頭、チャー坊が客席に向かって「うるせぇ」と言うのも

凄味があっていい。

チャー坊のボーカルは、上手いわけではないが存在感があって心に響く。

冨士夫さんのギターは、ローリングストーンズの影響を受けているのは

わかるけど、真似ではないカッコよさがある。

60年代末期以降、洋楽のカバーをライブで演奏していたグループは

多々ありますが、村八分はオリジナルの曲を日本語の歌詞で

洋楽にも引けを取らないカッコいい演奏をしてきたので評価したい。

レコードの内側に印刷されている写真も迫力を感じさせます。

うん、この表情は凄いね。

 

 

〇たわとか〇っことか〇くらとか放送禁止用語を含む歌があるので、

なかなかCD化はされてきませんでしたが、それでも何回かCD化はされています。

出来ればジャケに迫力があるレコードで買いたいところです。

(自分にとっては「頭脳警察セカンド」と並んで日本のロックでは好きな

ジャケットです)

しかしながら、CDによっては一部の曲をカットしたものもありますので

注意が必要です。

7月には嘗て発売された村八分BOXのみに収録されていたアウトテイクを含めた

2枚組が発売されるそうです。なお、タワーレコードで予約注文すると

ポストカードのオマケ付きだとか。

 

村八分/ライブ<2022 Digitally Remastered / Limited Edition 2CD><完全生産限定盤> (tower.jp)


NO.43 ジョニー、ルイス&チャー「フリースピリット」

2022-05-20 01:42:30 | 厳選ライブ盤

スピード、グルー&シンキの解散以降、ルイズルイス加部さんは

殆ど表舞台には立たなくなっていました。

そんな中、芸能界に嫌気がさしてまたロックをやりたいと思っていたチャーが、

当時共演することが多かったゴダイゴのミッキー吉野さんから推薦されたのが、

ゴールデンカップスで共に演奏していた加部さんでした。

そして金子マリ&バックスバニーにいたジョニー吉長さんを加えて

ジョニー、ルイス&チャーが始動することになったわけです。

 

ゴダイゴにミュージシャンシップを刺激されたと本人は語っており、

また某事件の影響で当初の予定よりJL&Cのデビューが遅れたなど、

かなり反発していたようで、無謀な試みをすることになります。

それがノーギャラ、ノーペイメント、ノーチケットで開催された

「フリースピリット」です。

そして蓋を開けてみれば、当日は雨だったのにも関わらず、

日比谷野音には1万4千人の人が集まったとの事です。

 

当日の演奏を編集し、当初は3000枚限定で発売されたのが

このアルバムです。オープニングで演奏された

「イントロダクション」におけるロック仕立ての君が代は、

ウッドストックにおけるジミ・ヘンドリックスのアメリカ国歌の

演奏のオマージュでしょう。

それ以外でも、「WASTED]や「ナチュラルバイブレーション」等、

後年よく演奏される曲もありますが、チャーのソロアルバムに

収録されている「SHININ YOU,SHININ DAY」のJL&Cバージョンは必聴ですね。

当日は悪天候というのもあり、演奏も荒い部分が多かったようで、

ギター部分の差し替えもあるみたいですが、

これはこれで完成しているとは思います。

 

なお、後年になって不明だったマスターテープが見つかり、

当日のライブの完全版に加えて、資料用に録画した映像もDVD化し、

チャーのインタビュー映像を加えたものが発売されています。

 

JL&Cは1994年に解散するのですが、最後のライブも日比谷野音でのフリーコンサート

「フリースピリット94」でした。前もって整理券が配られていたのを知らなかったので、

中に入ることが出来ず、泣く泣く外で音だけを聴いていたのでした。

(幸いにもその時のライブも完全版ではないですが商品化はされています)

その日もやはり最初の時と同じように雨でした。

 


NO.34 紫「MURASAKI WHY NOW?」

2022-04-24 00:40:18 | 厳選ライブ盤

映画「ミラクルシティコザ」を見る前の予習としてディープパープルや紫の

アルバムを引っ張り出して聴いてきました。

紫は、本土デビューから短い期間で解散してしまったため、

当時残された音源は多くはありません。

2枚のアルバムと2枚に12インチシングル

(日本初の12インチシングルだとか)1枚のシングルと2枚組のライブ盤、

そして8・8ロックデイ出演時のオムニバスぐらいですね。

8・8のオムニバスは昔、中古で買ったのですが、

音飛びがしたので殆ど聴いてないです。

ライブ盤は実家に眠っているはずです。

そんなわけで、紫で一番よく聴いていたのが、

解散から5年後に、第1回ピースフルラブロックコンサートに

出演するために再結成された時のこのライブ盤です。

 

紫関連の曲の中で1、2を争うくらい好きな曲である

「MAGIC  MOUNTAIN WAY」の紫バージョンが聴けるだけで満足。

昔、NHK-FMで放送された、沖縄でのライブイベント

(録音していたけど残念ながらテープが行方不明)で

ジョージ紫&オキナワが演奏していてすごく好きだった曲です。

そのイベントは、喜屋武マリーさんとか元紫の城間兄弟が結成した

アイランドとか出ていたのを覚えてます。

 

紫解散後も殆どのメンバーは音楽関連で仕事をしていたので、

それ程ブランクは感じさせませんが、ディープパープルのカバーの

「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は、

少々危なっかしい演奏なのは残念。それでも新曲は沖縄の旋律が

印象的で、激しさはないですがいい感じです。

必ずしもベストな内容ではないですが、個人的には好きですね。

 

その後紫は、解散と再結成を繰り返し、今に至ってます。

一時期は、ジョージ紫さんの息子がメンバーだったこともありますが、

現在はジョージ紫さんと宮永英一(チビ)さんを中心になっているようです。

(前回のリンクで紹介した映像の最後の方で現在の紫のライブ映像が見れます)

ここまで来たらトコトンやってもらいたいですね。

 

余談ですが、1997年の再結成時にニュースステーションで

特集が放送されたのですが、この83年の再結成は無視して

20年ぶりの再結成と言ってました。

これだからマスコミってやつは…。

 

紫 再結成 ドキュメント:1997年10月27日ニュースステーション - YouTube

 


NO.32 ディープパープル「ライブインジャパン完全版」

2022-04-19 23:10:15 | 厳選ライブ盤

日本公演のライブアルバムは色々なアーチストが出していて

名盤も多々ありますが、自分にとってはやはり

ディープパープルの「ライブインジャパン」がいの一番に思い浮かびますね。

 

ディープパープルに関しては、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」ぐらいしか

知らなかったのですが、80年代半ばに黄金期のメンバーによる再結成があり、

確かそれに合わせてFM放送の「ソニービックスペシャル」で特集されたと

記憶しています。(うろ覚えですが)

「ソニービックスペシャル」は、土曜の深夜2時間、1ヶ月間にわたり

ピックアップされたアーチストのアルバムを

ノーカットで放送していたプログラムです。

レコードのレンタルも一般的でなく、当然ながらネットもない時代でしたので、

高いレコード代も出さずにアルバムが聴けるありがたい番組でした。

(FM等のエアチェックに関しては、昔録音したカセットを発掘して

いつかは記事を書きたいです)

「マシンヘッド」等の名盤も聴きましたが、やはりインパクトがあったのが

この「ライブインジャパン」でした。

何といっても「ハイウェイスター」の疾走感がスタジオ盤とは段違いで、

後半のリッチー・ブラックモアのギターの速弾きに興奮しましたね。

 

CDも比較的早く廉価盤が発売されました。

CDの収録時間ギリギリまで1枚に収められたため、よりお得感を感じましたね。

買った当時はよく聴いてました。

 

93年頃、奇妙な輸入盤が販売されているのを見つけました。

「ライブインジャパン」のジャケにディープパープルとカタカナで書かれた文字を

含むブートレクっぽい雰囲気をした3枚組、

実はオランダのEMIが製作した正規盤です。

来日公演を3日分収録したという本作は、買おうか迷っているうちにいつの間にか

消えていました。そんなことを忘れていたのですが、

3年後にようやく日本盤が発売されました。

タイトルに完全版と表記されていますが、これは大嘘で、

アンコール曲を収める為にオリジナルに収められていたバージョンの

「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と「ミュール」はカットされていて、

最終日のみにアンコールで演奏された「ルシール」も収録されていません。

更に海外でミックスされたためか、若干音質が劣るとの事。

こういった欠点もありますが、やはりこの来日公演をほぼ聴く事が出来るのは

非常にありがたいです。本当の完全版を聴くには、

後日発売されたスーパーデラックスエディションを聴くしかないですが、

2万円以上の定価では手を出しにくいです。

(今となってはどれも入手困難ですが)

まあ今、「ライブインジャパン」を入手するなら、オリジナルに

アンコール曲を集めたディスクが付いたデラックスエディションを探すのもいいかと。

 

元々、パープル側はライブアルバムの製作に乗り気ではなかったようで、

出来が良かったら日本のみでの発売を認める程度しか思ってなかったようです。

しかしながら、ショボいと思っていた日本製の機材が

なかなか高性能だったようで、素晴らしい演奏が記録されていたのです。

結局、日本のみの発売のはずが

「メイド・イン・ジャパン」として世界で発売されました。

それにしても、黄金期のメンバーとはいえ、リッチー・ブラックモアと

イアン・ギランの仲がかなり悪くなっていた時期なのに、

これだけ素晴らしい演奏が素晴らしい状態で記録されていたのは奇跡的だと思います。