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月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.92 MAGMA「LIVE」

2022-10-09 23:38:49 | 厳選ライブ盤

本来なら、今月は待望のマグマの来日公演があって

ウキウキしているはずでしたが、仕事の都合及びコロナの影響で

結局断念。研修とかも入ってしまいどうしようもない状態です。

しかも来月早々には受けなければならない試験もあり、

そろそろ勉強する時間も確保しないとなぁ。

 

という事で、テンションを上げる為にこの「LIVE」を引っ張り出しました。

マグマは発掘盤を含めてライブ盤を数多く出していますが、

難点はあるもののやはりベストは、1975年6月1日~5日に

パリオリンピア劇場で行われたものを編集した「LIVE」ですね。

マグマはメンバーチェンジが激しく、年代によってメンバーが総入れ替え

したりしていますが、70年代中期のこのメンバーは、

マグマ史上でもトップクラスだと思います。

 

 

 

一癖も二癖もあるこのメンバーは左から

Stella Vander(Vo)・Christian Vander(Dr)・Jean-Pierre Assline(Key)・Didier Lockwood(Violin)
Bernard Paganotti(B)・Benoit Widemann(Key)・Gabriel Federow(G)・Klaus Blasquiz(Vo)

 

特にディディエ・ロックウッドは、この時はまだ17才だったといいます。

後年になって、フランスのジャズ界の巨匠になろうとは誰が予想出来たでしょうか。

 

1枚目の「Kohntarkosz」からスタジオ版をはるかに凌駕する

テンションの高い演奏を聴かせてくれます。パート1、パート2を合わせて

30分以上の演奏ですが、ダレる事もなくテンションを保ち続けるのは

凄いの一言。これだけでも頭が真っ白になります。

 

2枚目の「HHAI」は、クリスチャン・ヴァンデのボーカルによる

バラードの名曲。怒涛の後半の前の一時の清涼。

小品を2曲挟んでからライブのクライマックスであるマグマの代表曲の

Mekanik Destruktiw Kommandoh(通称M.D.K.)」の怒涛の演奏。

ボーナストラックが入って全曲の半分が聴けるようになりました。

これが全曲収録されていたら文句なしの名盤になっていたのになぁ。

ここでのロックウッドの狂気じみたヴァイオリンは圧巻。

兎に角一度聴いてみてとしか言えません。

(残念ながらロックウッドはすぐに脱退してしまいますが)

 

 

マグマ関連の音源を入手する場合は注意が必要で、複雑な契約関係があり、

フランスでは自らのレーベルであるSeventh Recordsから発売していますが、

英米ではCharlyレーベルから発売されていて、

実はこのCharlyレーベルからのものは、売れてもメンバーには利益が

入らないとの事です。しかも「LIVE」に関しては、Charlyレーベルのものは

CD化の際には無理やり1枚にしたので、冒頭の「ハマタイ!」の掛け声も

カットされたりしています。(些細な事かもしれませんが

Kohntarkosz」に関しては、無いと中途半端に思えますので)

一方のSeventh Records盤は、ボーナストラックも入った2枚組。

更に音質も向上していますので、購入ならSeventh Records盤を。

ビクターから発売された紙ジャケはCharlyレーベル盤なので注意です。

昔、キングレコードから発売されていたのはSeventh Records盤です。

現在は輸入盤に日本語解説を付けたものが主にディスクユニオンで

扱っていますが、品切れのものもありますね。

もっと一般にも出回ってほしいですし、時に「LIVE]は

ライブアルバム史上、トップ10に入っていてもおかしくないと

思うくらいですが、やはり聴く人を選ぶ音楽性と英米のグループでない

というのがネックでしょうか?もっと評価されてもいいのにと思います。

 

 

 


NO.81 カルメンマキ&OZ「ラストライブ」

2022-09-09 08:11:13 | 厳選ライブ盤

少し前に某タワーレコードで対象の3枚を買えば20%オフの

セールをやっていました。何かいいのがあるか検索していたところ、

MQA-CD&UHQCDなるものが出てきました。

不勉強なもので何だかわからず、ちょっと調べてみましたら、

MQA-CDというのは、MQA対応機種で聴けばハイレゾクオリティで再生出来、

対応機種が無くても再生が可能とか。リッピングも可能で、

ハイレゾとCDの二刀流と考えればいいかなと。

更にMQAの特徴を生かすのが、UHQCDという高音質CDの最新技術だと。

難しい事は分かりませんが、特殊素材と技術を使って、読み取りの精度を

上げていい音で再生するとの事です。

とりあえずMQAについては、もう少し勉強をしないとなぁ。

機器を揃えるのは先になると思うので、今は普通に再生かな。

 

で、知らなかったのですが、数年前にワーナーやユニバーサルから

ハイレゾ名盤シリーズなどというのが発売されていて、洋楽やクラシックが

多かったのですが、日本のアーチストのものも発売されていて、

何と70年代のロックもピックアップされているではないですか。

しかも、フードブレインやらストロベリーパスやら陳信輝さんのソロといった

通好みの売れ筋でないのが多々ありますし。まぁ一般の人は

この手のものは買わないだろうから、至極当然なピックアップかも。

 

予算の関係で今回は3枚ほどの購入になりますが、さてどれにしようかと

迷いましたが、これは外したくないなと選んだのは

カルメンマキ&OZの「ラストライブ」。

実は自分にとって、カルメンマキ&OZのファーストは、10万枚以上の

当時のロックとしては異例のヒットをしたため、

一般向けの音楽と思い込み、食わず嫌いで聴こうとして無かったです。

それがライブイベントで「6月の詩」や「空へ」、そして「私は風」の

カバーを聴いて今まで聴いてこなかったのを後悔することになりました。

そして「ラストライブ」のCDを購入し、聴きまくったのでした。

思い入れがあるので、やはり出来るだけいい音で聴きたいですね。

 

1977年10月の解散ライブと同年5月の日比谷野音でのライブを収録。

自らの照明スタッフやPAチームを持っていたぐらいなので、

コンサートには定評がありました。

時には激しく時にはドラマチックに。

そして存在感のあるマキさんのボーカル。

プログレッシブロックにも通じるインプロビゼーション。

「私は風」に関しては、20分近い演奏となっています。

改めて聴いてみたらやっぱりいいなぁ。早い解散が惜しまれます。

 

カルメンマキ&OZに関しては、何度かメンバーが集まって

限定ライブとかはありましたが、デビュー45周年記念に

本格的に集まってライブ音源も発売しています。

今後も定期的にライブをやるかはわかりませんが、

9月25日にチャーとのジョイントライブがあるようです。

 

【初共演】Char × カルメン・マキ&OZ、対バンライヴ開催 - ニュース - OTOTOY

 

若い人にも引けをとらない演奏は生で体験したいものです。

 

 


NO.72 「’74 8.8 ROCKDAY LIVE」

2022-08-08 10:12:14 | 厳選ライブ盤

8月8日と言えば、かつて関西で行われていたアマチュア音楽コンテスト

8・8ROCKDAYを思い出す方がいるでしょう。

ハチハチの愛称で親しまれ、音楽の甲子園とも言われていた事も。

特に1975年では、ゲストに紫が本土初上陸をして

喝采を受けています。

 

ハチハチの演奏を収録した音源は複数の種類が発売されていますが、

個人的に好きなのが、1974年の時の音源ですね。

1枚目には、上田正樹とサウストゥサウスの演奏が収められています。

後年、「悲しい色やね」のヒットでも知られる上田正樹さんですが、

前半はアコースティックに、後半はファンキーな演奏のスタイルです。

ギターには有山じゅんじさんが、後半には石田長生さんが参加で、

観客を盛り上げています。

 

上田正樹とサウス・トゥ・サウス/ 8.8 ロックデイ 1974 琵琶湖バレイ. feat ウイーピング・ハープ・セノオ & 石田長生 - YouTube

 

2枚目には、ウエストロードブルースバンドの演奏が聞きものです。

デビューアルバムを出す直前の貴重なライブ音源です。

そして他に殆ど音源を残してないものの、

プログレッシブロックにも通ずるハードな演奏をしている

だるま食堂がいい味を出しています。

 

どちらかというと、コンテストというより、お祭り騒ぎを楽しんでいる

ような感じなのが、如何にも関西だなぁとは感じますね。

ウケ狙いで楽しんでいるグループがあると思えば、

実力あるグループもいたりする。

今はこういったイベントは見かけなくなったなぁ。


NO.60 シナモン「THE SONG REPLAYS THE SAME VOL.1」

2022-07-06 23:22:58 | 厳選ライブ盤

前回、ビートルズのコピーを得意としたバッドボーイズについて

書いていたら、自分が気に入っていたレッド・ツェッペリンの

トリビュートバンドのシナモンの事を思い出しました。

シナモンはMr.JIMMYと並んで、レッド・ツェッペリンの

トリビュートバンドの最高峰とされたバンドです。

バッドボーイズと同じく、楽器等は本人が使っていたものに

限りなく近いものを使い、いついつのライブの演奏を

完全に再現する事を目指しているため、

もう見る事の出来ない、全盛期のツェッペリンのライブを

擬似体験出来ます。ジミー・ペイジ役のJIMYさんは、

時にはドラゴンスーツを着て、ギターを下げた独特のスタイルで

演奏しています。ロバート・プラント役のPer-Cさんは、

パワフルなボーカルを聴かせてくれます。

久々に限定発売されたライブアルバムを聴いているのですが、

コピーの難しいツェッペリンのライブをよく再現されていますよ。

嘗ては何度もライブハウスに見に行った記憶が蘇ります。

 

Cinnamon - Rock And Roll (Led Zeppelin Tribute) - YouTube

 

今回、色々と検索してみたら、シナモンのファンサイトを見つけました。

cinnamon (eonet.ne.jp)

メンバーが使用しているこだわりの楽器類の記事もありまして、

特にジョン・ポール・ジョーンズが特注したスリーネックギターを

それを製作した職人に依頼して2年以上かけて作ってもらったという

一品とか見ごたえがあります。

知らなかったのですが、シナモンは多少メンバーが変わったものの、

まだ活動しているとの事。今年の6月にもライブを行っていて、

次が9月にもライブがあるようですね。

 

「究極のレッドツェッペリン完全再現ライブ!」 CINNAMON - YouTube

 

今年は、レッド・ツェッペリンが2度目の来日公演を行ってから

50年目にあたり、何かネタを入れてくるかもしれませんね。

久しぶりに見てみたいかも。ここにきてまたコロナの患者が

増えてきているので、悪影響がなければいいのですが。


NO.54 ルネッサンス「ライブ・アット・カーネギーホール」

2022-06-17 00:14:32 | 厳選ライブ盤

ふとした切欠で、ここ数日、ルネッサンスの音源を聴いています。

あまり精神状態が良くなかったのか、疲れが溜まっていたのか、

女性ボーカルものを欲していたようです。

少し前に書いた、たんぽぽのコーラスとストリングスも

久々に聴いて良かったのですが、このルネッサンスも、

しっかりと声楽の勉強をしてきたボーカルのアニー・ハズラムの歌声が

和ませてくれます。またオーケストラと共演したりで、

時にはスケールの大きな音楽を聴かせてくれます。

YouTubeで聴いていただけでは物足りなくなり、買って何処かにしまい込んだ

CD類を探す羽目になってしまいました。

 

ルネッサンスは複雑な経緯を辿っていて、元々は、ヤードバーズのメンバーの

キース・レルフとジム・マッカーティが中心になって

オリジナルのルネッサンスが結成されます。

しかしながら長続きはせず、セカンドアルバムの制作に参加した

マイケル・ダンフォードが引き継ぐ形でメンバーを一新、

この新生ルネッサンスがメインで語られています。

 

ルネッサンスに関しては、早い段階からCD化はされてきたのですが、

BTMに移籍して発表された「運命のカード」、「シェエラザード夜話」、

「ライブ・アット・カーネギーホール」は、契約の都合からか、

なかなかCD化されませんでした。その為、色々な中古レコード屋を

探し回ったものです。結局、「運命のカード」は見つかりませんでしたが、

「ライブ・アット・カーネギーホール」は輸入盤レコードながら

何とか入手出来ました。苦労しただけに思い入れのある1枚です。

 

1975年にニューヨーク・フィルハーモニック・オーケストラと共演し

収録された2枚組で、当時の代表曲が中心となっています。

アレンジは、スタジオ録音盤に忠実なものが多いですが、

寧ろ、スタジオ盤をそのまま再現出来るというのは、

確かな技術があるからこそだと思います。

圧巻は、「シェエラザード」全曲と「燃ゆる灰」。

1曲でレコードの片面を占める大曲ですが、

見事にアニーは歌いきっています。「シェエラザード」のクライマックス部分は

毎回聴き入ってしまいます。

 

ルネッサンスのオーケストラとの共演のライブに関しては、

キングビスケットフラワーアワーで放送された、

1977年のロイヤルアルバートホールでのライブ盤も発売されており、

こちらも甲乙つけがたいいい出来のものです。

 

 

 

余談ですが、CDを探す際、行方不明になっていたルネッサンス初来日時の会場で

CDを買った時に特典で貰えたサイン色紙が見つかったので、

個人的には嬉しく思ってます。今度は無くさないようにしないとなぁ。

CDサイズの小さな色紙ですが、今となっては貴重なものだと思いますし。