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パイロット養成講座

多くの機長、副操縦士を育てた坂井優基が、パイロットになろうとする人や訓練生に送るアドバイス

オートパイロットをどこでディスエンゲージするか

2012-04-16 | 進入
操縦桿やサイドスティックにはオートパイロットのディスエンゲージボタンがついています。
上空からオートパイロットで降下してきて、どこでオートパイロットをディスエンゲージして、マニュアルで飛ぶかは非常に重要です。
どこまでオートパイロットを使っても良いかは、飛行機のマニュアル、カンパニーのマニュアル、空港毎、アプローチ毎に決められています。
ここが下限です。オートランドして良い空港と滑走路で、地上の体制が整っているときはオートランドもあり得ます。
この下限以前にどこでオートパイロットをディスエンゲージするかはパイロットに任されています。
たまに10000ftなど高い高度からマニュアルで飛びたがる人がいますが、これが許されるのは基本的には晴れた日中だけです。
マニュアルで飛ぶと、PM(パイロットモニタリング 操縦していない方のパイロット)のワークロードが増えて大変になります。
また、あまりに長時間マニュアルで飛んでいると人間の集中力が落ちてきて、一番肝心な着陸の時にうまく操縦できないことも起こります。
現代の飛行機の基本は、オートパイロットに操縦させてパイロットはそれにコマンドを与え動きを監視することです。
では、どこまで使うかはその時の状況で変わります。
ILSアプローチで悪天でライトが見えないときには、DAまで使った方が安定します。
ただし強風が加わるとマニュアルで飛び出してから安定させるまでの時間が足りなくなることがあります。
このような場合500ftまたは700ft等ある程度高いところでディスエンゲージした方が良いときがあります。
またどんなアプローチでもビームが揺れて飛行機の挙動が不安定になったらマニュアルにすべきです。
逆にあまりオートパイロットに任せてばかりいると、技量が落ちます。
天気が良い日中で、さほど混んでいない空港では時々マニュアルの練習も必要です。

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