還暦おやじの洋楽日記

キャメル川崎公演/ムーンマッドネス完全再現&ベストクラシックス(2018年5月17日)


昨年末にこのブログで「Moonmadness」のことを書いた直後に今回のキャメル来日の報を知った。80年代以降のキャメルとは殆どお付き合いがないので一瞬迷ったけど、気分はもうMoonmadnessモードだったし、一昨年の日比谷野音でのライブの印象も良かったので、川崎での4日間のコンサートツアーの2日目に行ってきました。

キャメルの来日は前述の一昨年以来2年ぶり。日比谷野音でのプログレッシブロックフェスティバル2016への参加のほかに単独でのライブも行なっており、そのときの演奏はライブアルバムとしてリリースされている。今回のメンバーも前回と同様で、アンディ・ラティーマー(g,fl,vo)、コリン・バース(b,vo)、デニス・クレメント(ds)、ピーター・ジョーンズ(key,vo)の4人。

仕事を終えて川崎駅に降り立ったのはもう夕暮れ間近か。そのままクラブチッタに向かうが、初めての会場なので少々迷ったものの、その周辺はチッタ関連の施設が立ち並ぶ実にイタリアンな街角で、川崎という土地柄にちょっと浮いているかも。会場はコンサートホールではないので5~600人も入れば満席といったところか、お蔭で前から10数列目という良い席だった。開演時刻の19時半に会場が暗くなり「Aristillus」が始まるが、これはレコードの演奏を流しており、その間にメンバーがステージに移動してセッティング。「Song Within a Song」から演奏スタート。前回はバースの頭髪まっしろけにちょっと驚いたが今回は更にパワーアップしていたし、体格の大きかったジョーンズは更にサイズアップしていた。
続く「Chord Change」は僕がいちばん好きなキャメルの曲。あの高速なギターとオルガンの掛け合いを見てみたくてこのコンサートに来たようなもんだから、この時点で目的達成。「Spirit of the Water」はバースが、「Air Born」はジョーンズがそれぞれボーカルを担当したが、特に盲目のキーボーディストであるジョーンズのボーカルがしっかりしていてキャメル最大の問題だったボーカルの弱さを充分カバーしている。しかもこの人、合い間にサキソフォンまで演奏しキーボード演奏でも様々な音色を操り、テクノロジーの進歩もあるだろうが、お蔭で4人編成ながらバンドサウンドには充分な厚みがあった。
ラティーマーはこの日が69歳の誕生日だったそうだが、実によく手指が動く。ギターが主旋律のときは当然だが、キーボードのパートでもサイドに回って間断なくリズムを掻き鳴らす。キャメルってのは昔からそうやってギターとキーボードが絡み合う演奏スタイルのバンドだったもんな。そしてこのアルバムのハイライトである「Lunar Sea」で第一部終了。

15分ほどの休憩時間の後、第二部開始。僕が真面目にキャメルを聴いていたのは「Nude」までなのでそれ以降の曲は殆ど知らない。第二部は80年代以降のレパートリーが中心だったので知らない曲が多く、雑なレポートになることをご容赦願いたい。
最初の曲は「Mystic Queen」だったが、ボーカルパートが終わった後半はジャージーな演奏となり、別の曲とくっつけたメドレーなのかも知れない。「Unevensong」の後は意外にも「Hymn To Her」。「I Can See Your House From Here」のアルバムで僕が最初に気に入った曲だよ。不意を突かれたけど懐かしかったし、叙情的でドラマティックなこの曲はやっぱり名曲だ。
この後から80年代以降の曲が続いたのでよくわかんなかったが、ジョーンズとバースのボーカルの掛け合いで聴かせる曲は「ボーカルが弱点だったキャメルがよくぞここまで・・・」と感慨深かったし、ジョーンズが「シンキョクデス」と挨拶して始まった曲はおそらく彼の作品で、これまでのキャメル節とはまた違った味わいだった。ラティーマーの泣きのギターがたっぷりフィーチャーされた「Ice」はライブの定番のようで、その後また知らない曲が続くが、クロージングの「Long Goodbyes」は日比谷でも最後を飾っていたので聴き覚えがあった。
アンコールは定番中の定番「Lady Fantasy」。組曲形式なのでアンコールナンバーとしてはちょっとノリが悪い。できれば「Never Let Go」とか「Echoes」あたりで締めてほしかったところ。正味2時間半のコンサートが終了したのは22時ちょっと過ぎ。

当日のちゃんとしたセットリストがネット上にあったので転記します。
<第一部>
1. Aristillus
2. Song Within a Song
3. Chord Change
4. Spirit of the Water
5. Another Night
6. Air Born
7. Lunar Sea
<第二部>
8. Mystic Dream (new song)
9. Unevensong
10.Hymn To Her
11.Rose of Sharon
12.Coming of Age
13.Sahara
14.Rajaz
15.Dingley Dell (new song)
16.Ice
17.Mother Road
18.Hopeless Anger
19.Long Goodbyes
<アンコール>
20.Lady Fantasy

第二部冒頭の曲は「Mystic Queen」ではなかったみたい。彼等も断続的とは言え活動を続けて何年おきかに新作も出してきたので、自分の知らない曲が多かったのは当然のことであるが、「The Snow Goose」と「Breathless」からの選曲がなかったのは少し残念。でも、お目当ての「Chord Change」や意外な「Hymn To Her」も聴くことができ、またキャメルのライブを観られて良かった。

(かみ)
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