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還暦おやじの洋楽日記

ジャクソン・ブラウン東京公演(2017年10月19日)

渋谷にて三日連続で行なわれたジャクソン・ブラウン東京公演の最終日に行ってきたので、そのレポート。
仕事を少し早めに切り上げて、そぼ降る冷たい雨の中を会場のオーチャードホールに向かった。この会場、ちょうど半年前にもARWのコンサートで行ったが、規模といい客席の配置といい、実に良いホールだ。1階の30数列目の席だったがステージも良く見える。開演予定時刻の19時を少し過ぎてメンバーがステージに現れた。ジャクソン・ブラウンは薄い色付きの眼鏡をかけて登場。
演奏曲目であるが、いくつか知らない曲もあったので、ネット情報の力を借りることにする。それによると以下の通りだったそうです。

<第一部>
1. The Waiting (Tom Petty cover)
2. Some Bridges
3. The Late Show
4. The Long Way Around
5. Looking East
6. Sky Blue and Black
7. These Days
8. In the Shape of a Heart
9. Just Say Yeah
10.Your Bright Baby Blues
<第二部>
11.The Birds of St. Marks
12.I'll Do Anything
13.Fountain of Sorrow
14.Carmelita (Warren Zevon cover)
15.Late for the Sky
16.Lives in the Balance
17.Culver Moon
18.The Pretender
19.Running on Empty
<アンコール>
20.Take It Easy
21.Our Lady on the Well

1曲目はトム・ペティのカバー曲で、僕もそうだがいきなり知らない曲から始まったので場内は少し戸惑った感じ。続いて演奏されたのは「Some Bridges」。それほどヒットした曲ではないので意外な選曲だったが、僕はこの曲好きなんだ。次の曲目に取り掛かろうとしたときに観客席のあちこちからリクエストの声がかかる。ジャクソンがギターをクルーに渡しピアノの前に座って歌いだしたのが懐かしの「The Late Show」で、これはウケた。以後、曲の合い間ごとに観客席からリクエストの声が挙がり、それに応えて歌ったのが「Sky Blue and Black」「In the Shape of a Heart」など。ファンの聴きたい歌って共通項があるみたいで、叙情的なナンバーが多い。ショートブレイク前の一曲、と言って歌いだしたのが「Your Bright Baby Blues」。これも彼の叙情性が良く出た曲で、聴くことができて嬉しかった。これにて第一部終了。

ショートブレイクと言いながら20分以上も待っての第二部は最新作から「The Birds of St. Marks」でスタート。ウォーレン・ジヴォンの「Carmelita」の後に始まったのが「Late for the Sky」。これまで彼の来日公演には3回ぐらい行っているが、この曲を聴いたのは初めて。これも懐かしく嬉しかった。「Lives in the Balance」では曲間で女性コーラスによるゴスペル調の新たな歌詞とメロディが挿入されていて大作となり、この日のハイライトナンバーのひとつとなった。続く「Culver Moon」も渋い選曲。再びジャクソンがピアノの前に座り「Standing In the Breach」を歌い始めるが、声の調子が悪く中断。キーを変えたりして再挑戦するも結局断念して「The Pretender」に切り替えた。曲の途中で水を飲んだりして、さすがに三日連続のコンサートで疲れたのかな。そして「Running on Empty」がクロージングナンバー。
メンバー達はステージを引き上げるが、まもなく戻ってきてアンコールの「Take It Easy」。グレン・フライを偲んでイーグルスのバージョンに近いアレンジで歌われた。"She's just a little bit hard to find"という歌詞も"She's so hard to find"だったし。今回のコンサートは、トム・ペティ、ウォーレン・ジヴォン、グレッグ・オールマンといった近年亡くなったミュージシャンを追悼するナンバーがたくさん披露されたが、この曲もそのひとつということ。でもそのまま「Our Lady on the Well」につなぐメドレー形式は「For Everyman」を踏襲。各メンバーのソロ・パートをたっぷりフィーチャーして大団円。ホントはもう一曲あるんじゃないかと期待したが、やっぱり疲れていたのかな、無情にも会場の照明が点灯して21時少し前にコンサートは終了。

リクエストに応えて曲目を変更したせいもあったろうが、演奏曲目の収録アルバムにはかなりばらつきがあって、「For Everyman」「Late for the Sky」「Lives in the Balance」「Looking East」からそれぞれ3曲、「The Pretender」「I'm Alive」「Standing In The Breach」から2曲、「Running On Empty」「Time The Conqueror」から1曲、逆に「Saturate Before Using」「Hold Out」「Lawers in Love」「World in Motion」「The Naked Ride Home」からはゼロという構成だった。

僕の場合、ウエストコースト系のソロシンガーで最もお付き合いが長いのがニール・ヤングで、その次がジャクソン・ブラウン。ニールの振れ幅の大きさに比べるとジャクソンの音楽性はデビュー以来それほど変わらない。もちろん全く変わらなかった訳ではないが、ここ10年ぐらいはむしろマンネリ気味であった。でも彼のステージにはいつも安心して観ていられる磐石の安定感がある。特に今回はリクエストに応えて珍しい曲をたくさん聴けたし満足の内容だった。

(かみ)
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