1. Show Me Some Affection
2. Get Ahold On Love
3. Every Woman
4. It Can't Make Any Difference To Me
5. All Along The Watchtower
6. Bring It On Home To Me
7. Harmony & Melody
8. Relation Ships
9. You Can't Take It When You Go
アメリカに渡って活動を始めた70年代のデイブ・メイソンの歴史は、ブリティッシュ仕込みの端正なサウンドがウエストコーストの風に揺られてだんだんと緩んでいく過程に他ならない。前作「It's Like You Never Left(忘れえぬ人)」まではまだ翳りを帯びたブリティッシュな色合いが残っていたが、本作ではずいぶんアメリカンになって当時の言葉で言うと”レイドバック”したサウンドとなっている。
冒頭の「Show Me Some Affection」からして明るく始まり、その調子で次の「Get Ahold On Love」になだれ込む。その印象を決定づけるのが前作での名曲をセルフリメイクした「Every Woman」で、カントリーフレーバー漂うリラックスした曲調になった。とは言え「All Along The Watchtower」ではブルージーなギターも健在。ラストを飾る骨太な「You Can't Take It When You Go」もこの人らしいし、このブリティッシュとアメリカンの混ざり具合が良いんだな。
デイブ・メイソンの魅力は、ギターテクニックや腰の据わった力強いボーカルもさることながら上述のブリティッシュとアメリカンがないまぜになった多様な音楽性、そしてなによりもポップなセンスをふんだんに持っていること。80年代以降、メジャーなシーンからは遠ざかってしまったけど、この頃の脂の乗ったデイブ・メイソンは忘れ難いな。
(かみ)
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