君ら、大丈夫？

私立中学に合格して入学したものの、
新教科があったり、
もともとそんなに勉強が好きじゃなかったりなので
シウ知人の息子さんは
小学校時代に通っていた塾をやめ、
良いと聞いた家庭教師派遣会社みたいなところから
家庭教師を派遣してもらうことにした。
中学生になったばかりなのに大変だけど
都会の子供は仕方ないよね。


最初に話をしに来たのは
営業担当らしき、私立Ｗ大学の男子学生。

彼はとっても話上手で
知人息子にもさっそく、
「じゃ、今少しやってみようか！」
なんて弁舌さわやか。
知人息子もけっこうヤル気に。

営業担当のＷ大学君はかなりのやり手だったのか
すっかり両親もその気にさせた。

で、初回。
来たのはＷ大学君ではなく、
国立ＴＧ大学君。
その家庭教師派遣会社は
誰もが憧れるような高レベル国立大学生の講師をそろえているのもウリらしいのだ。

知人息子は社会が苦手で
中学に入って初めてのテストでかなり悪い点を取ってしまったとか。
ＴＧ大学君にその成績を見せたところ、
第一声が・・・

「こんな成績、僕は見たことがない。
　お先真っ暗ですね。」

そのあまりにもスカっとした言いように
シウ知人夫婦はぶっ飛んでしまったとか。
授業中の声も
知人息子に向かって、
成績についてなじるような発言が。
「こんな成績がなんとかなるなんて望みは無い。」
みたいな。


「“こんな成績”だから、あんたに仕事が来たんだよ。」

っていう気持ちでいっぱいになった知人夫婦は
その家庭教師派遣会社に連絡して
ＴＧ大学君はクビに。

そりゃそうだよね。

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その後来た２人目。

今度は国立ＴＫ大学君。

彼は来たその日に

「派遣会社を通さず、
　直にやりとりして、
　週にもう１日増やしませんか？」

とおっしゃったとか。

そんな事を言っているのがバレたら
彼はその家庭教師派遣会社を即クビでしょ。
知人は
「なんで、初対面の私たちをそんなに信用してるんだろう？」
思ったけど、
ま、割安になるので
それはお願いしたいと言ったそう。

そしたら、
「もう１軒、この近所で来ている家があるんですけど
　その家庭は金銭的に余裕が無さそうなので
　交通費などはこちらで全部負担していただきます。」
って言ったんだって。

「あんた、もしかして、バカ？」
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前者のＴＧ大学君に言いたい。

社会で一度のテストが悪かった位、
なんとでもなる。
たとえば今９０点取っている子に
満点をとれるようにしてくれ、って言われたら
それはかなり大変。
でも、点が低いなら
思い切って安請け合いしても、
たとえば１０点でも上がればよいわけだし
それはけっこう簡単でしょ。
「お父さんお母さん、僕に任せてください！」
とでも言ったら
かなりの高ポイントじゃないか。
“クビ”とは反対な事になったと思うよ。

後者のＴＫ大学君に言いたい。

なぜ、あんたの意味不明なボランティア活動に
見ず知らずのシウ知人が協力しなきゃいけないの。

っていうか、
近所でもう１軒来てる、なんて
別に、正直に言う必要はないんだよ。
知人家庭からだけ交通費を欲しかったら
ここだけ来てるだけですから、
って顔してればいいんだから。


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この人たち、
日本の未来を担うんだろうか・・・・。