「凶悪」

コラムネタ探しに、つい見てしまった「凶悪」。
普段なら絶対に見ない。

なんかもう、生きてるのがいやになっちゃうような、最悪な映画だった。
最悪だけど、面白いともいえるけど。

何しろリリー・フランキーの怪優ぶりがすごい。
いつもの気のいいオサーンっていうのは嘘で
本当はこんな風にニコニコ人殺しをするような嫌な奴なんじゃないかと思っちゃう。

これって実話なんだよね。
実際の犯人の顔は割と普通に“犯人顔”なんだけど
リリーさんのほうが悪く見えるから不思議。

ピエール瀧は見るからに怖い。
この二人のコンビが実際にいたのだと思うと
こんな恐ろしい世の中で生きていられない・・・って落ち込むレベルだ。

それとは別に
藤井もかなり悪いよね。
シウにとっては、こいつもある意味、先生と同じくらい悪い。

ジャーナリストとして報道する義務がある！とか何とか言って、“良い人”という立場にいるようだけど
結局は正義の名のもとに自分のエゴを常に押し通し、
良い夫、良い息子であるつもりでいる。
これは妻のあきらめにも似た献身によって支えられているだけなのに。
シウの周囲にもいるもんね。

優しい妻の洋子が告白する内容も恐ろしい。
誰もが心に悪を持つ。
献身的な妻ですら。

表に出る凶悪と、誰もが心に潜める凶悪。

イヤなの見ちゃったな～