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書苑よしむら

古書の世界へようこそ!大阪:天神橋筋3丁目にある美術古書籍 書苑よしむらの日々録です。

富田渓仙画幅 『養老孝子図』

2014-04-09 17:54:59 | 新着情報



 *紙本淡彩 本紙136×37cm
 *共箱 状態良好
 *価格 15万円

 ☆戦前、京都画壇を中心に個性的な画風
  で活躍した、富田渓仙の風景画です。

  上方には「養老の滝」と賛が、中央から
  下部にかけては父に酒?を注ぐ息子、
  および松が、淡彩で勢いよく描かれ
  ています。

  一種の理想郷図ですが、渓仙自身が
  楽しんで筆を執った雰囲気が画面全体に
  あふれおり、貪欲にあらゆる画法を
  体得していった画家でしか描けない、
  南画とも近代日本画とも少々異なる
  「渓仙ワールド」です。  

  渓仙は、人物としても型破りな性格で、
  当時の中央画壇とは一定の距離を置き、
  わが道を行く画生活だったらしいですが、
  大御所・横山大観に「あいつは偉い画家だ」
  と言わしめたりと、玄人受けもしていました。

  そんな渓仙と、駐日フランス大使であり
  詩人の、ポール・クローデルと詩画集を共作
  したこと等は、極自然な成り行きであった
  のでしょうね。