






*紙本墨筆 本紙各135×29,5cm
*軸先にそれぞれ松・竹・梅の実物材を使用
*三幅対、箱入(時代箱ですがイタミあり)
*本紙に細かい横シワと一部横折れ跡
*裏の軸止め付近(最上部)にスレ
*価格:25万円
☆江戸中期に長崎に生まれ、のち京都や大坂で
活躍した画僧、鶴亭の花木図です。
実はちょうど10年前にも当店に、鶴亭の水墨画
(芭蕉図で落款は別号の如是道人)が入荷して、
このブログでも紹介しております。
何かご縁を感じないでもないのですが、単純に
この絵の良さには、魅かれるものがあります。
もう一方の画風、沈南蘋風のそれとは全く趣が異なり、
一気呵成に描いた生命力が画面に迸っておりながら、
空間構成も含めて、高い水墨画の技術が見られます。
そして、同時代である伊藤若冲との画風の類似性が
かねてより指摘されています。この三幅対でいうと、
梅の図が特に若冲の梅に通ずるものがあると感じるの
ですが、皆さんはいかがでしょうか。
若冲は京都相国寺の住職と親交がありましたから、
画僧である鶴亭の京都時代に、少なからず交流は
あったと思われます。どちらが画技を教授したかは
置いておいて、個性的な画家二人が互いに刺激を
受けていたのは興味深いことですね。